夏のイベントは楽しみだけれど気が重い。――BBQ・花火・海で消耗する内向型の話。
BBQの誘いを受けたときは、少し楽しみだった。
花火大会も、嫌いじゃない。
海の写真を見ると綺麗だと思う。
なのに当日になると、楽しむ友人に合わせてニコニコしながら、本音は早く帰りたいという思いになったりする。
帰宅してからは何もしたくない。次の日まで疲れが残る。
周りは「楽しかったね!」と言っている。
たしかに楽しかったが、自分だけ電池が切れていて、楽しかったことに思いを馳せるほどの余力がない。
夏のイベントは、楽しさ以上に、正直しんどいことも多い。
夏イベントは「刺激の全部乗せ」になりやすい
内向型は、刺激の処理コストが高い傾向がある。この構造については別の記事でも書いている。
夏のイベントが特につらいのは、その処理コストが高い刺激が、一度に重なって押し寄せてくるからだと思っている。
BBQを例に考えてみる。
直射日光と熱
火の前に立ち続ける体の負荷
途切れない会話
大人数の気配
逃げ場のない空間
数時間の拘束
これが全部、同時に起きている。
感覚への過負荷は、人が多い環境や不快な視覚・聴覚刺激が重なる状況で増えやすいとされている。
花火も、海も、本質は同じだ。
BBQが疲れる理由
BBQのしんどさは、「休憩タイミングを自分で作りにくい」ことにあると思っている。
食事の場であれば、食べ終われば一段落する。でもBBQは終わりが見えにくい。炭が残っている間は続くし、場の雰囲気が「まだまだいこう」と求めてくる。
ずっと誰かと話し続けなければいけない空気
席を外しにくい
日陰が少ない
火の前から離れられないタイミングがある
人数が多いほど、関係の調整も増える
一人になれる瞬間が、ほとんどない。
内向型にとってそれは、回復の機会がないまま消耗し続けることを意味する。
また、初対面の人がいるとコミュニケーションによる疲労はさらに大きくなるし、大人数だと「ぼっちに見られないようにしないと」と思って集中して食べているようなふりをしたり、そんな疲れもあるだろう。
花火大会が疲れる理由
花火大会で疲れているのは、花火そのものよりも、花火以外の部分かもしれない。
最寄り駅(あるいは駐車場等)からの人混み
座れない、動けない
周囲の喧騒
蒸し暑さ
汗など人のにおい
打ち上げ後の帰宅ラッシュ
打ち上げ時間は1時間でも、その前後に2〜3時間かかっていたりする。
「花火は綺麗だったけど、疲れた」という感覚はよくある。それは正確には「花火以外の部分で先に消耗していた」ということだ。
海が疲れる理由
海そのものは、嫌いではないかもしれない。
でも海に行くと、以下のようなものもついてくるかもしれない。
早朝からの移動
渋滞か満員電車
混んでいるビーチ
容赦ない日差し
砂と塩と日焼け止めが混ざった不快感
帰りの混雑
「海に着く前に電池が切れていた」という経験をしたことがある人は、少なくないと思う。
実は共通している4つの消耗要因
BBQも、花火も、海も、消耗の中身は似ている。
① 暑さ
熱への負荷は、それ単体でも疲労感を高める。暑熱環境での疲労感の増加は、行動への影響も含めて研究で示されている。夏イベントはそこに他の負荷が乗ってくる。
② 騒音
花火の音、音楽、大声での会話。どれも処理が必要な刺激で、それが数時間続く。
③ 人数
人が増えるほど、処理すべき情報量が増える。誰がどこにいて、何を話しているか。場の空気はどうか。それを無意識に読み取り続けている。
④ 長時間
社交的な振る舞いは、その後の疲労と関連するという研究がある。2時間を超えたあたりから、急激に疲れが出てくる人は多い。
この4つが同時に発生するのが、夏のイベントだ。
楽しくないわけではない。でも処理量が多い。
「楽しめなかった」という感覚は、正確ではないかもしれない。
花火は綺麗だった。BBQの食事はおいしかった。海の水は気持ちよかった。
でも処理できる量の上限に達していた。だから帰りたかった。だから翌日まで疲れが残った。
混乱しやすいのは、前日まで本当に楽しみにしていたからだ。
内向型が夏を生き延びる方法
「参加するか、しないか」の二択ではなく、消耗量を管理するという視点が使いやすい。
参加前に確認しておくこと
開始と終了の時間
途中で抜けられる流れかどうか
日陰や休める場所があるか
帰宅手段を自分で持てるか
参加人数
当日の生存戦略
最初から「途中で帰ること」を前提にする
「最後までいること」を目標にしない
一人になれる数分を意図的に作る
翌日に予定を入れない
帰りは一人で帰る選択肢を確保しておく
夏になるたび、なんで自分だけこんなに疲れるんだろうと思っていた。
でも振り返ると、苦手だったのは夏ではなく、夏に集中する刺激の量だった。
だから最近は、全部楽しもうとするのをやめた。
理由をつけて少し早く帰る。
少し静かな場所を選ぶ。
少し予定を減らす。
誘われて気分がのらないなら断れればよいが、断れなかったのであれば、疲労を最小限にとどめつつ、最大限楽しめるようにしていきたいものだと思う。
このnoteでは、内向型・繊細な気質を持つ人が消耗しすぎずに生き延びるための情報を、当事者目線で発信しています。 社労士(有資格者)・キャリアコンサルタントとしての知見も交えながら書いています。
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