50の言葉 #32 「リードマネジメント⑤仕組み化する技術」
来年3月で50歳になる私。それまでに50の言葉をnoteに綴れるかチャレンジです。
今回は「リードマネジメント⑤仕組み化する技術」をお伝えしていきます。
仕組み化とは何か
組織の中で人が成長する仕組みを整えるのがリーダーの仕事です。とはいえ、マニュアルやルールを作ることが本質ではありません。仕組み化の方法は様々ですが、私は特に「見える化」に意識して取り組んでいました。「なぜこの仕事を自分が担当しているのだろう」「自分ばかり仕事量が多い」などのモヤモヤは誰しも抱えるものです。納得して働いていないと、その不満やモヤモヤは住民へと向かってしまいます。私が実践した「点数化して見える化した事例」をご紹介します。
業務を点数化し見える化した事例
下記の表は、実際に私が現場で用いていた点数化一覧表です。これを作成する手順をご紹介します。

①業務の棚卸し
まず課員が受け持っている全ての業務を棚卸しします。事業も事務も全てです。「費やす時間」と「必要な専門スキル」を基準に全ての業務を1〜5点で点数化(5点が最も難仕組み時間も費やす業務)。2人で受け持っている場合は、主担当の点数の約半分を副担当につけます。
②業務の点数を本人と前任者から聞き取る
業務ごとに付ける点数を課員それぞれに聞きます。誰しも自分の担当事業を高く点数を付けたいものですから、「前任者にも聞くからね」と前置きし、実際に前任者と本人の点数の差を考慮しながら修正します。
③一人ひとりが受け持つ点数を決める

課の在籍年数、階級、力量などを考慮しながら、一人ひとりが受け持つ点数を決めます。[参考2]の表をご覧ください。9点の職員2名は、どちらも入庁3年目でこの課に移動してきたばかりです。「今年は9点でも1年後には15点、2年後には21点を受け持つことができるように成長していきましょう」と促します。つまり「今は最も点数の高い職員Bさんの5分の1の業務量だよ」と見える化しています。
このケースの背景
この点数配分は課員の状況によって大きく変わります。このケースの背景としては、市民協働の事業が多いため夜の会議が多く、前任者たちはどうしても時間外勤務が多くなり、この是正が求められていました。そこで、以前もこの課に長らく在籍し、業務経験の長い課長補佐と係長が揃って異動。同時に入庁3年目で今回が初めての異動となる2人の若手職員も異動してきたため、この極端な点数配分となっています。
課の在籍年数が少ない職員から担当業務を「自分で選ぶ」。成長を促す仕組み
点数化した一覧表を基に、課員一人ひとりと面談します。
まず、受け持ち点数の少ない職員から担当したい業務の希望を聞きます。その際、ポータブルスキル(下部のリンク先記事参照)を基に職員それぞれの得意・不得意を把握し、一人ひとりをどのように成長させながら1年後2年後に予想されるベテラン職員の異動後も課の業務をマネジメントしていけるか想定しながら、課員の担当業務を割り振っていきます。どの業務を主担当・副担当で組ませる時には相性を考慮するなどの準備をしておく必要があります。
また、各職員の受け持ち点数を超えないよう気をつけます。
一人ひとりが心情を吐露する課内ミーティングの場づくり
担当者の欄に点数が入り、業務分担した一覧表が出来上がったら、課内全員のミーティングを開きます。
課員一人ひとりから、業務に臨む不安と希望を語る場づくりを行い、心理的安全性を育む土台をつくります。ここには「いい話し合いをする」ファシリテーターのスキルが必要です。
半年に一度は業務分担を見直す
異動が決まるのが年度末ギリギリという自治体も多いでしょう。私も同様でした。異動が決まってから3〜4日で新年度を迎えることもあると思います。「業務分担は年度初めの一度きり」という発想を一旦見直してみませんか。繁忙期に合わせて年度途中異動が行われる時代になってきました。私も、課内の業務分担の見直しは前期と後期に分け半年に一度行なっていました。年度初めはどうしてもバタバタの中でスタートすることもありますので、半年かけて課員からも意見を聴きながら業務分担を変えていく前提で取りかかることを、はじめに宣言しておくとが肝要です。
点数化のねらい
点数化は仕事を数字に落とすこと自体がねらいではなく、数字を通じて業務量を認識し合い、自身の成長を促すことがねらいです。
リーダーは部下の成長を促し、支援するのが仕事ですので、その前提として部下の納得と合意を得るための仕組みが大切です。
対話と実践を通して、さらにみんなが納得しながら進められるやり方が見つかったり、修正点が見つかったりします。
こうして、仕組み自体を改善する文化が根づき、組織は強くなっていきます。
「リードマネジメント5つの技術」はこれでおしまい。次回からは、セルフマネジメントについてご紹介していきます。
◉「ポータブルスキル」参照記事
