いつだって花占いの最後には茎も入れるか自分で決めた
その辺のOL(31歳独身)が2023年10月〜2024年6月くらいに書き散らかした短歌を順に並べただけ。
恋愛で色々あったことがうかがわれる。
2023年10月以前
B
同棲は三年を経て買ってきたお菓子は隠すようになりけり
路側帯半分隠す花びらが白い車を走らせてゆく
懐かしい匂いは嫌い今が一番幸せだって思っていたい
杏露酒あなたを待って飲み干せずプロポーズにも酔うにいまさら
乳房ある自分の体たまに見て乳房あるなと思ったりする
2023年10月
A
ちょっとした価値観の一致を一線越える理由にしてまた芽が腐る
嗅ぐためにくれたんじゃないホッカイロごめんなさいごめんなさいああ
この地球(ほし)のどこかの半導体に彫る恋占いの生年月日
B
いつになく弱気な君の横顔のまぶたや口の角度を見てる
今日のこと覚えていようまだ見える港の帽子風の吹く中
苦し紛れの形而上学的問いは悲しませるに十分だった
ツンデレじゃなくてほんとに好きじゃなくて優しくできないごめんねごめん
2023年11月
A
ブレスケア噛んでつぶさに思い出す初めてキスをする日の予感
それからは全てのことがはなまるで見上げたビルに雲が映った
手遊びに食べるチョコには味が無い。はぁ、これもあのキスの呪いか
わかってたこうなることはわかってたそれでも君と飲みたかったんだ
ときめきや嫉妬や夜の当事者に私がなるの?輪っかが落ちる
いつだって花占いの最後には茎も入れるか自分で決めた
B
こんな日は煙草を一本吸ってみる悲しみひとつ映画になって
混ざりつつあった二人をひとつずつ私と君にケトルは君に
心の余裕を取り戻せてきたと日記に書いてはみたんだけれど
2023年12月
A
アース線地面に刺してこのハグで幸せがもう漏れ出そうです
朝日って意外な色だアルコールに浸かった脳とおんなじ色だ
Kissをする場所を探してビルの中 回り回った9mmビデオ
然様ならさようならもう行きなさい靴なんてそろえなくていいから
一般にかわいい服は寂しさとあと寒さへの耐性がない
B
懐かしいピアノバラード店内でさようなラーメン円満離婚
然様ならさようならさあもう行くね発つ鳥わたし足も忘れて
悲しみの文脈ひとり許されずトランジットでピアスを開けた
2024年2月
A
育ててた花も翼も百点のテストも捨てて飛び込んできて
心臓と心臓を近づけてみるととん、ととんと関係しだす
性格が多分合わないこの人の耳たぶが好き結婚するわ
突然の雨に買ひたる折りたたみ傘なる君よ死が分かつまで
若さとかどうでもよくてただ明日6時に起きて舞浜へ行く
唐突に海の匂いがした日には地平の先に君がいるかな
茎を挿すためにうるおうわたくしはあなたを守る一輪挿しだ
B
凪いだ沖スペースシャトル飛びたたん優しい海に大穴あけて
本当にさようならだね大きめの地震が来ても連絡しない
この首を絞めるその指傷つけはしないまたピアノを弾けるよう
飲酒する飲酒をすれば雨の日も傘がなくてもうまく笑える
付き合っていた頃書いた「大好き」の文字は確かに私の字だが
2024年4月
A
付き合っていたと言い張る恋人よ私はちゃんと愛しているよ
濡れるのも乾いてるのも君のせい動けないから旅立たないで。
君の中密かに残るあの子への憧れだって私が食べる
君のこと絶対一生好きだってこの確信はバグなんだって。
一人旅にしてよかったこんなこと誰とも共有したくないもの
ありがとうお花をくれてそう僕も君の孤独に依存している
天秤座優しい瞳その奥の一つめの皿 誰かを乗せて
「行かないで」そう言いながら縄を解く宇宙であえて私を選べ
B
マンションの前のいつもの道だったミモザが咲く頃誕生日だった
6ヶ月ぶりのあなたは歯医者にて辛い治療を一人でしてた
玄関の先でミモザが咲いていて知らない人から夫婦に見えた
別れても気が合うことに変わりない過ごした日々の結果ですから
管理人さんはミモザを折りとってドライフラワー作るんだって。
商店街いつもの店になんとなく入れないねとワインを飲まず
ちょっと前今年もミモザが咲いてたと分かるウッドデッキの隙間
夏の兆まとった風に誘われて約束をする二人だったね
2024年5月
A
カーテンのない新居から僕たちの煌めく愛が山を染めてる
大卒の男はみんな習うらしい「君の身体が大事」の台詞
幸せを捨ててきたから幸せにしてくれという錬金術師
ミッフィーのカバンを持ったオッサンよ愛ってけっこう尖ってるかも
