疲れやすい人の体で何が起きているのか
― エネルギー回路の全体像 ―
「最近、疲れが抜けない」
「頑張っているのに、力が出ない」
そんな声を、とても多く聞きます。
病院で検査をすると
「特に異常はありません」
と言われる。
それでも体はつらい。
このズレには、ちゃんと理由があります。
エネルギーは「気合」では作れない
私たちの体は、
気合や根性で動いているわけではありません。
体の中では常に、
エネルギーを作る“流れ” が働いています。
この流れがスムーズに回っていれば、
無理をしなくても体は動きます。
逆に、
どこかで詰まると
「頑張っているのに動けない」
という状態になります。
ATPって、結局なに?
ここで
ATP(エーティーピー)
という言葉が出てきます。
少し難しそうに聞こえますが、
とてもシンプルに言うと、
ATP=体の中で使える「元気のコイン」
です。
体は「元気のコイン」を使って動いている
体を動かすとき
考えるとき
感情を保つとき
内臓を動かすとき
そのたびに、
体は 元気のコインを1枚ずつ 使っています。
このコインが足りなくなると、
すぐ疲れる
イライラする
やる気が出ない
という状態になります。
これは怠けているのではなく、
コインが足りないだけです。
食べたものは、すぐコインにはならない
ここがとても大切なポイントです。
食事で摂ったものは、
そのまま元気になるわけではありません。
体の中にある
いくつかの「工場」 を通って、
少しずつ
元気のコイン(ATP) に作り替えられます。
この工場の流れを、
エネルギー回路 と呼びます。
エネルギー回路は3つの工場でできている
エネルギー回路には、
大きく分けて3つの工場があります。
① 解糖系
まず動き出すための「スタート工場」
食べた糖を使って
すぐ使えるエネルギーを作る工場
ここで直接作られる
元気のコインは 約2枚。
量は少ないですが、
とにかく速い のが特徴です。
朝から動けない
空腹でイライラする
という人は、
この工場が止まりやすくなっています。
② TCA回路(ミトコンドリア)
エネルギーを「育てて渡す」準備工場
解糖系でできた材料を使い
次の工場でエネルギーを完成させるための
材料(燃料)を整える工程
ここでは、
元気のコインは ほとんど作られません(約2枚程度)。
TCA回路の役割は、
エネルギーを大量に作ることではなく、
その先で作れる状態を整えることです。
寝ても疲れが取れない人は、
この「準備工場」で
止まっていることがとても多いです。
③ 電子伝達系
元気のコインを完成させる「仕上げ工場」
TCA回路から渡された材料を使い
元気のコイン(ATP)を一気に完成させる工程
ここで作られるコインは
約26〜28枚。
つまり、
ブドウ糖1つから作られる
約30枚前後のコインのほとんどは、
この仕上げ工場で完成します。
この工場はとても繊細で、
ストレスや緊張の影響を強く受けます。
頑張っているのに力が出ない人は、
ここで詰まっていることが多いのです。
3つの工場は「直列」でつながっている
とても大切なポイントです。
この3つの工場は、
別々に動いているわけではありません。
解糖系
↓
TCA回路
↓
電子伝達系
↓
元気のコイン完成
どこか1つでも止まると、
その先は動きません。
だから
「食べているのに元気が出ない」
「休んでいるのに回復しない」
ということが起こります。
エネルギー不足は「性格」ではない
頑張りが足りない
甘えている
年齢のせい
そう片付けられがちですが、
多くの場合、
体の仕組みの問題です。
順番を間違えずに整えれば、
体はちゃんと応えてくれます。
このシリーズでお伝えすること
このあと、3回に分けて
どの工場で止まりやすいのか
止まる人の共通点
無理をしない立て直し方
を、順番にお話ししていきます。
次回予告
第1回
👉 すぐ疲れる・イライラする人へ
― 解糖系の話 ―
最後に
エネルギーは、
気合で作るものではありません。
元気のコインが
自然に作られる流れを取り戻す。
それが、
本当の体調改善の第一歩です。
