【2027年度入試版】「年内学力入試」が2026年度に条件付き解禁。仕組み・実施大学・戦略をデータで解説
FAST-UP逆転塾の速上クリスティーナです。
いきなりですが、驚いた数字から。
ある大学の年内入試は、学科試験200点に対して、小論文10点・調査書10点。
評価のおよそ9割が「学力」で決まります。年内なのに、テストで勝負できるんです。
これは東洋大学の「基礎学力テスト型」という入試の配点。
2026年度から、こうした「年内に学力試験を課す入試」が、文部科学省によって条件付きで認められました。
これまで年内(9〜12月)の入試といえば、総合型選抜(旧AO)のように書類と面接が中心。
学力で勝負するのは2月以降の一般選抜、というのが常識でした。その常識が、いま静かに変わっています。
今日は「年内学力入試」の仕組みと、実施している大学、そして受験生が知っておくべき戦略と注意点を、できるかぎり正確に整理します。
この記事で分かること:
「年内学力入試」で何が変わったのか(文科省の要項ベース)
どんな大学が実施しているか(2026年度の実態)
受験生にとってのメリットと、見落としがちな注意点
年内入試を使うときの戦略
「知っているかどうか」で出願の設計が変わる制度です。ここでちゃんと押さえておきましょう。
「年内学力入試」で何が変わったのか
まず、制度の中身から。

🖼️ 年内学力入試(2026年度・条件付き解禁)の解説図。文科省令和8年度実施要項で総合型・学校推薦型は2月1日より前に学力検査を実施可能に(小論文・面接などとの組み合わせが条件)。東洋大学の配点例は学科200点・小論文10点・調査書10点で学力が約91%
文部科学省の「令和8年度大学入学者選抜実施要項」で、こう整理されました。
総合型選抜・学校推薦型選抜で学力検査を行う場合、2月1日より前に実施するなら、小論文・面接・実技検査・出願書類などの「学力検査以外の評価方法」と組み合わせて、丁寧に評価すること。これが条件です。
かみ砕くと、「学力テスト+小論文」「学力テスト+面接」のような形なら、年内に学力入試ができる、ということ。
ただし、大事な但し書きがあります。
評価の主要な部分を学力検査だけにして年内に合否を決めるのは、実質的に「前倒しの一般選抜」とみなされ、要項上は認められません。あくまで「他の評価方法との組み合わせ」が前提です。
📌 2026年度から、総合型・学校推薦型では2月前に学力検査を課せるようになりました。条件は「小論文・面接・書類など他の評価と組み合わせること」。学力検査だけを主役にした"前倒しの一般選抜"はNG、という線引きがポイントです。
(出典:文部科学省 令和8年度大学入学者選抜実施要項)
どんな大学が実施しているか
では、どこが実施しているのか。
火付け役は東洋大学です。
2025年度に、大規模大学として珍しく「英語+国語」または「英語+数学」の基礎学力だけで合否が決まる公募制の推薦入試を実施し、2万人近い志願者を集めました。この動きが他大学に波及しています。
2026年度に年内学力入試(基礎学力テスト型など)を実施する大学の例:
東洋大学
大東文化大学
神奈川大学
関東学院大学
明星大学
昭和女子大学・大妻女子大学 など
顔ぶれを見て分かるとおり、中心は首都圏の中堅私大や女子大。
2026年度の時点では、MARCH・早慶クラスは導入していません。
ただし、これは「元年」の話です。
入試の専門家のあいだでは、2027年度以降にさらに実施校が増えるという見方が有力。今後、より上位の大学に広がる可能性もあります。
なお、実施する大学名や配点は年度によって変わります。
上のリストはあくまで例で、志望校が実施するかどうかは、必ず各大学公式の入試要項で最新情報を確認してください。
📌 2026年度の年内学力入試は、東洋大学を筆頭に、大東文化・神奈川・関東学院・明星など中堅私大・女子大が中心。MARCH・早慶は現時点で未実施ですが、2027年度以降に拡大が見込まれています。
(出典:文部科学省 実施要項/東洋大学ほか各大学公式/東洋経済・ダイヤモンド教育ラボ等の報道)
「年内に合格を1つ確保してから、一般選抜で上位校にチャレンジする」戦略、気になりませんか?

受験生にとって何がメリットか
ここが、いちばん実戦的な話です。
→ メリット1:年内に合格を1つ確保できる
「全部落ちたらどうしよう」という不安を抱えたまま2月の一般選抜を迎える受験生は、本当に多いです。
年内に合格が1つあれば、心の余裕を持って、上位校に強気でチャレンジできます。
→ メリット2:学力で勝負できる年内入試が生まれた
これまでの総合型選抜は書類・面接が中心で、「勉強は得意だけど自己PRは苦手」という人には使いにくい入試でした。
年内学力入試なら、テストの点数で勝負できます。コツコツ学力を積んできた人にとって、新しい武器になります。
→ メリット3:一般選抜の予行演習になる
年内に本番の空気を一度経験しておくと、2月の一般選抜で緊張しにくくなります。
「1回受けた」という経験そのものが、地味に効きます。
うちの塾でも「年内入試って何ですか?」と聞いてくる生徒が増えました。
逆に言えば、この制度をまだ知らない受験生が多いということ。情報を持っているかどうかが、そのまま出願戦略の差になります。
📌 年内学力入試の価値は「年内に合格を確保できる安心感」「学力で勝負できる年内枠」「本番の予行演習」の3つ。特に、学力型の勉強を積んできた受験生にとっては相性のいい入試です。
見落としがちな注意点
いいことばかりではありません。注意点もフェアに話します。
→ 注意1:対策の時期が前倒しになる
年内に試験があるということは、秋までに仕上げる必要があるということ。
夏休みの過ごし方が、これまで以上に重要になります。
→ 注意2:実施大学がまだ限られている
2026年度はMARCH・早慶クラスが未実施で、中堅私大が中心です。
志望校が上位大学なら、年内学力入試は「本命の前に押さえる併願先の1つ」として使うのが現実的です。
→ 注意3:学力だけでは受けられない
年内学力入試は、あくまで「学力検査+小論文・面接など」の組み合わせが条件です。
学力テストだけで完結する入試ではないので、小論文や面接の対策も必要になります。人によっては、一般選抜に集中したほうがいいケースもあります。
→ 注意4:総合型・推薦は「面接」が原則必須の方向へ
文科省は、2027年度入試以降、総合型選抜などで面接を原則必須にする方針を示しています。
年内入試を考えるなら、面接や小論文といった「学力以外の対策」も避けて通れなくなる、という流れは押さえておきましょう。
なお、指定校推薦・公募推薦・総合型といった推薦系ルート全体の違いは、姉妹メディアの推薦入試情報局でまるごと整理しています。年内入試を検討するなら、あわせて読んでおくと全体像がつかめます。
年内入試をどう使うか(戦略)
最後に、使い方を整理します。
まず、志望校のレベルで考え方を分けます。
中堅私大が第一志望なら、年内学力入試は「本命を年内に決めにいく」主力の選択肢になり得ます。MARCH以上が本命なら、「年内に1つ合格を確保して、精神的な保険にする」使い方が現実的です。
次に、自分の得意で選びます。
学力型の勉強を積んできた人は、年内学力入試と相性がいい。逆に、活動実績や探究の成果で勝負したい人は、従来型の総合型選抜のほうが向いています。
そして、スケジュール設計。
年内入試を組み込むと、「9〜12月に年内入試」「1〜2月に一般選抜」と、動く時期が増えます。どの入試をいつ受けるか、対策をどう配分するかの設計が、これまで以上に重要になります。
→ 年内学力入試は「本命にするか」「保険にするか」を志望校レベルで決め、自分の得意(学力型か実績型か)で選び、スケジュールを逆算して組む。この3つを押さえれば、新制度を武器にできます。
📌 年内学力入試は万能ではありませんが、使い方を間違えなければ強力です。「本命か保険か」「学力型か実績型か」「いつ何を受けるか」を整理して、自分の受験全体の設計に組み込むのが正解です。
まとめ
✅ 2026年度から、総合型・学校推薦型で2月前に学力検査を課す「年内学力入試」が条件付きで解禁。小論文・面接など他の評価との組み合わせが条件で、学力検査だけの"前倒し一般選抜"は不可。
✅ 実施校は東洋大学を筆頭に、大東文化・神奈川・関東学院・明星など中堅私大・女子大が中心。MARCH・早慶は2026年度は未実施だが、2027年度以降に拡大の見込み。
✅ メリットは「年内に合格を確保できる安心感」「学力で勝負できる年内枠」「本番の予行演習」。特に学力型の勉強を積んできた受験生と相性がいい。
✅ 注意点は「対策の前倒し」「実施校が限定的」「学力だけでは受けられない(小論文・面接も必要)」。2027年度以降は総合型で面接が原則必須になる流れも押さえる。
新しい制度は、知っているかどうかで出願戦略が変わります。
自分の志望校と得意に、この制度をどう組み込むか。プロと一緒に設計しませんか。
あわせて読みたい関連記事
推薦・総合型という年内ルート全体を知りたい方は、姉妹メディア「推薦入試情報局」もどうぞ。
この記事を読んで「年内学力入試、自分は使うべき?」と迷った方。
それ、志望校のレベル・自分の得意・スケジュールをぜんぶ並べて考えないと、正解は出せません。
いまの学力、志望校、そして年内入試を組み込むかどうか。
一緒に整理すれば、「あなたにとっていちばん受かりやすい出願の設計」が見えてきます。
プロと一緒に、その戦略を組み立てませんか。

今日も最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
次回もデータで語ります。お楽しみに。
よくある質問(FAQ)
Q. 「年内学力入試」と、これまでの「総合型選抜」は何が違うんですか?
A. 従来の総合型選抜は、志望理由書などの書類と面接が評価の中心で、学力試験の比重は大きくありませんでした。年内学力入試は、その枠組みの中で「学力検査」をしっかり課すタイプの入試です。2026年度の要項では、2月1日より前に学力検査を行う場合は小論文・面接・書類などと組み合わせることが条件になっています。学力で勝負したい人にとって、年内に使える新しい選択肢だと考えてください。
Q. 学力テストだけで年内に合格できるんですか?
A. できません。文科省の令和8年度実施要項では、2月1日より前に学力検査を行う場合、小論文・面接・実技・出願書類などの評価方法と組み合わせて丁寧に評価することが条件とされています。評価の主要部分を学力検査だけにして年内に合否を決めるのは、実質的な「前倒しの一般選抜」とみなされ、認められていません。あくまで「学力+他の評価」の組み合わせです。
Q. MARCHや早慶でも年内学力入試は受けられますか?
A. 2026年度の時点では、MARCH・早慶クラスは年内学力入試を導入していません。実施しているのは東洋大学・大東文化大学・神奈川大学など、首都圏の中堅私大や女子大が中心です。ただし2027年度以降に実施校が増えるという見方が有力なので、志望校が実施するかどうかは、毎年、各大学公式の入試要項で確認するのがおすすめです。
Q. 年内学力入試は、一般選抜より受かりやすいんですか?
A. 一概には言えません。学力型の勉強を積んできた人にとっては、年内に学力で勝負できるぶんチャンスが1つ増えるという意味で有利に働きます。一方で、小論文や面接の対策も必要になり、対策の時期も前倒しになります。「受かりやすい」というより「合格のチャンスを増やせる制度」と考え、自分の得意やスケジュールと相談して使うのが正解です。
Q. 年内学力入試を受けるなら、いつから対策すればいいですか?
A. 年内(9〜12月)に試験があるため、遅くとも夏までに基礎学力を仕上げておく必要があります。一般選抜より本番が数か月早いぶん、対策も前倒しになります。特に「学力+小論文・面接」の組み合わせなので、学力対策と並行して、小論文や面接の準備にも早めに着手しておくと安心です。正確な試験日は各大学公式の要項で確認してください。
出典・データの注記
制度:文部科学省「令和8年度大学入学者選抜実施要項」。総合型選抜・学校推薦型選抜で学力検査を2月1日より前に実施する場合は、小論文・面接・実技検査・出願書類等の評価方法と組み合わせて丁寧に評価することが条件です。評価の主要な部分を学力検査にして年内に合否を決めることは、実質的な「前倒しの一般選抜」として認められていません。
配点例:東洋大学「基礎学力テスト型」の学科試験200点・小論文10点・調査書10点(東洋大学公式/東洋経済オンライン)。配点は年度・方式で変わるため、最新は東洋大学公式で確認してください。
実施大学:各大学公式の2026年度入試要項、および東洋経済・ダイヤモンド教育ラボ等の報道に基づく例示です。実施校・配点・方式名は年度により変わります。志望校が実施するかどうかは、必ず各大学公式の最新要項で確認してください。
面接の原則必須化:文部科学省が示す2027年度入試以降の方針に基づく記述です。詳細・経過措置は各年度の実施要項で確認してください。
