【実録】Little Town LEGACY #10 深夜2時。奴らのシマを潰しに行く。【レイン・ギャング】
深夜2時。
町は眠る。
だが、眠れない家がある。
ザー……
ザー……
雨は止まらない。
その音に紛れて、
天井から聞こえる。
ポタ……
ポタ……
小さな音?
違う。
あれは宣戦布告だ。
レイン・ギャング。
奴らは雨を連れてくるんじゃない。
雨に紛れて家へ入り込み、
静かに縄張りを広げる。
柱を腐らせ、
壁を食い、
人の心まで削っていく。
気付いた時には、
家も心もボロボロだ。
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今回の依頼人は、
一人暮らしのお母さん。
雨雲を見るたび顔色が変わる。
夜になれば眠れない。
「また漏るんじゃないか……。」
その恐怖だけで体力を奪われていた。
金にも限界がある。
だから我慢する。
その我慢を、
奴らは弱さと勘違いする。
調子に乗った連中ほど始末が悪い。
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現場到着。
外壁は裂け、
幕板は腐り、
隙間という隙間から、
レイン・ギャングが笑ってやがる。
俺は何も言わない。
奴らは笑った。
追い込まれた連中は、
決まって最後に笑う。
焦りをごまかすためにな。
だが、
俺には関係ないことだ。
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腐った部材?
全部はがす。
中途半端は嫌いだ。
臭いものにフタをする仕事なら、
最初から来ていない。
隠れている場所ごと、
居場所をなくす。
それが一番早い。
⸻
次は防水。
新しいシートを一枚ずつ張る。
逃げ道は一本も残さない。
「そこから入ろう。」
そう思った瞬間、
全部行き止まり。
レイン・ギャングは、
ようやく顔色が変わる。
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屋根では、
赤サビの残党どもが好き放題。
「もう終わりだ。」
誰かがそう思った家ほど、
奴らは調子に乗る。
だから叩き込む。
防錆。
防水。
何度でも。
叩きのめす。
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俺は優しくない。
敵に説教もしない。
反省を待つ趣味もない。
家を壊す奴は、
家から消えてもらう。
それだけだ。
⸻
仕事は終わった。
家はひとときの安らぎに満ちた。
新品のサイディング。
雨を受け止める屋根。
もう奴らの入り込む隙はない。
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その夜。
また雨が降った。
ザー……
ザー……
お母さんは、
恐る恐る耳を澄ませる。
……
静かだった。
ポタ……
あの音は、
もう二度と聞こえない。
翌日、
お母さんは笑っていた。
「昨日、朝まで眠れました。」
その笑顔だけは、
俺には消せない。
消したいとも思わない。
守る価値があるから
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レイン・ギャングは、
今もどこかで笑っている。
「次はあの家だ。」
「次はあの屋根だ。」
好きに言わせておけ。
俺の耳にも届いてる。
次に会う時も、
隠れ場所ごと終わらせる。
情けはかけない。
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現場コード:雨漏り。
ターゲット:レイン・ギャング。
処理完了。
俺はまた、
次の現場へ向かう。

