【実録】Little Town LEGACY #16 見つからない。現代に潜む「かくれんぼ忍者」の正体。
【実録】見つからない。現代に潜む「かくれんぼ忍者」の正体。
忍者なんて、昔の話だと思っていた。
戦国の世が終わり、彼らも歴史の中へ姿を消した――。
私もそう信じていた。
しかし、その考えは間違いだった。
彼らは今も、この現代のどこかにひっそりと身を潜めている。
人知れず街へ紛れ込み、大切な物をこっそり隠しては、人々を困らせる。
その名は――
かくれんぼ忍者。
それは一本の電話から始まった。
「見つからないんです……。」
電話口の向こうから聞こえてきたのは、焦りを隠せない声だった。
「何が見つからないんですか?」
「スマホなんです。」
……。
私は一瞬、頭の中が止まった。
「でも、お電話いただいてますよね?」
すると依頼主様は少し照れくさそうに笑った。
「会社支給の携帯からかけてます。」
「あぁ、そういうことですね(笑)」
少しだけ空気が和らいだ。
しかし、ご本人はかなり動揺していた。
仕事でも使う大切なスマホ。
家中を何度探しても見つからないという。
私は現場へ向かった。
現場に到着し、依頼主様と一緒に状況を整理する。
「最後にスマホを使ったのはいつですか?」
「その後、どこへ行きましたか?」
一つひとつ確認していく。
家の中は、もう何度も探したという。
ソファの隙間。
ベッドの下。
テーブルの周り。
バッグの中。
思い当たる場所は、すべて探したそうだ。
それでも見つからない。
私は部屋を見渡しながら考えた。
「うーん……。」
その瞬間だった。
ピキーン。
頭の中で、バラバラだった情報が一本につながる。
「ちなみに……。」
「一応、車も見させていただけますか?」
依頼主様は少し不思議そうな表情を浮かべた。
「車ですか?」
「はい。可能性はゼロじゃないので。」
車へ向かい、運転席を確認する。
ダッシュボード。
ドリンクホルダー。
ドアポケット。
……ない。
「やっぱり違うかな。」
そう思いながら、何気なく運転席のシート下をのぞき込む。
その瞬間――
「いました。」
シートの下から、こんにちは。
依頼主様は思わず、
「えぇーーー!!」
「そこも見たつもりだったのに!」
何度も探したはずなのに、ほんの少し見る角度が違うだけで見えなくなる。
どうやら今回の犯人は、
かくれんぼ忍者だったようだ。
最後まで見事な忍びっぷりだったが、今回は逃げ切れなかった。
なんでも屋探偵プリンス、捜査完了。
依頼主様にも笑顔が戻り、私もひと安心。
また一人、かくれんぼ忍者のいたずら事件を無事に解決することができました。
⸻
探し物は、探せば探すほど見つからなくなることがあります。
焦っていると、見えているはずのものまで見えなくなってしまう。
それは、人生も少し似ているのかもしれません。
壁にぶつかってから立ち止まるのではなく、
「少し疲れたな。」
そう感じた時は、自分の気持ちに正直になって、自分の意思で休んでみる。
そんな時間も、ときには必要なのだと思います。
不思議なもので、心に少し余裕ができると、探していた答えは意外とすぐ近くにあることがあります。
それでも答えが見つからない時は、お気軽にご相談ください。
なんでも屋探偵プリンスは、今日も町のどこかで、小さな謎を追いかけています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

