【実録】Little Town LEGACY #13 便器じゃなかった。家族を静かに疲れさせていた「どんよりレストルーム」を追い詰めた日
「なんか臭う…」
そう言われたのは、
これが初めてではありませんでした。
便器を掃除する。
床を拭く。
換気扇も掃除する。
消臭剤も置く。
それでも、
なぜか消えない。
誰も正体を知らない。
けれど、
確かにそこにいる。
家族の気分を少しだけ下げ、
朝の気持ちを少しだけ曇らせる、
見えない何か。
その日、
私は一匹のモンスターと遭遇しました。
しかし、
この時の私は、
まだ本当の敵を知りませんでした。
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こんにちは。
日常の困りごとモンスターハンター、
「なんでも屋プリンス」です。
今回いただいたご相談は、
「トイレをどれだけ掃除しても、ニオイが消えないんです…」
「壁紙も古くて暗いし、張り替えると大変そうで…」
という切実なお悩み。
現場に到着し、
ドアを開けた瞬間、
私は思いました。
「あぁ、なるほど。」
「いるな。」
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一見すると、
普通のトイレです。
便器も綺麗。
床も綺麗。
お客様も、しっかり掃除されています。
でも、
空気が重い。
なんとなく薄暗い。
そして、
どこからともなく漂う、
微かな違和感。
最初に疑ったのは、
排水。
次に、
便器。
換気扇。
しかし、
どれも異常なし。
「おかしい…」
その時でした。
私は壁を見ました。
そして、
すべてを理解しました。
犯人は、
毎日見ているのに、
誰も疑わない場所。
壁紙でした。
長い年月。
湿気。
目に見えない汚れ。
少しずつ染み込んだニオイ。
それらが静かに蓄積され、
空間そのものを支配していたのです。
私は思いました。
「なるほど。」
「お前だったのか。」
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今回の相手は、
長い年月をかけて住みついた
『どんよりレストルーム』
でした。
だからこそ、
今回は壊しません。
捨てません。
今あるものを活かします。
作戦名。
『壁紙エコ塗装』
まずは徹底した防御。
便器。
床。
窓。
細部まで丁寧に養生。
下地を整え、
長年の汚れを落としていく。
そして、
主役となる武器。
安心の水性エコ塗装。
防臭。
防カビ。
汚れに強く、
嫌なニオイも少ない。
職人のローラーブレードが進むたび、
長年眠っていた空間が、
少しずつ目を覚ましていきます。
まるで、
時間そのものを塗り替えていくように。
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そして、
討伐完了。
完成した空間を見たお客様は、
しばらく言葉が出ませんでした。
「えっ…」
「同じトイレですよね?」
私は思わず笑ってしまいました。
そこにあったのは、
あの薄暗い空間ではありません。
ホテルのような高級感。
清潔感。
深呼吸したくなる空気。
嫌なニオイも、
古さも、
どんよりした気配も、
もうありません。
でも、
本当に消えたものは、
ニオイではありませんでした。
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今回、
私が倒したかったもの。
それは、
壁紙でも、
湿気でも、
カビでもありません。
毎日、
無意識に感じていた、
「なんか嫌だな…」
という小さなストレス。
人は、
大きな不幸より、
小さなストレスの積み重ねで疲れていきます。
だから、
家の中にある小さなモヤモヤを一つ消すだけで、
人は少し優しくなれます。
家も少し好きになります。
そして、
明日の朝が少し楽しみになります。
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・・・帰り際。
私は、
ふと振り返りました。
そして、
この記事を読んでいる、
あなたに問いかけます。
人は、
毎日忙しく働く。
家事をする。
子育てをする。
疲れて帰ってくる。
「まあ古いから仕方ない。」
「まだ使えるから。」
そうやって、
気が付けば、
空間のどんより感まで、
当たり前になっていました。
少しずつ積み重なった年月。
壁紙は、
ただ長い年月を受け止めていただけ。
湿気を受け止め、
汚れを受け止め、
家族の暮らしを支えてきた。
それでも、
誰にも気付かれないまま、
少しずつ疲れていただけでした。
敵ではありませんでした。
私は思いました。
「そうか…」
「お前も、被害者だったんだな。」
壁紙は、
ただ、
長い年月を受け止めていただけだった。
・・・
なら、
『どんよりレストルーム』を生み出したのは誰なのか。
その答えを、
私はまだ知りません。
ただ一つ分かったことがあります。
こういうモンスターは、
突然現れるわけではありません。
気付かないうちに、
静かに力を蓄え、
ある日、
人の暮らしの中に、
「なんか嫌だな」
という小さな影を落とすのです。
今回、私が討伐したのは、
『どんよりレストルーム』。
しかし、
その背後には、
まだ姿を見せていない、
もっと大きな存在がいる。
そんな気がしました。
そして、
私は次の現場へ向かいました。
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今回も思いました。
私たちの仕事は、
壁に色を塗ることではありません。
壊れたものを直すことでもありません。
誰かの暮らしの中に潜む、
「なんか嫌だな」
を一つずつ討伐していくこと。
それが、
なんでも屋プリンスの仕事です。
もしかすると、
皆さんのお家にも、
まだ誰にも気付かれていない
見えないモンスターが潜んでいるかもしれません。
そして、
その正体は、
壁紙でも、
カビでもなく、
「忙しさ」なのかもしれません。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
なんでも屋プリンスは今日も、
どこかの家で、
誰かの「なんか嫌だな」と戦っています。

