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誰かの「充実した毎日」を見て、苦しくなったことはありますか?

旅行の写真、素敵なごはん、仕事での活躍——

SNSを開くたびに、誰かの幸せそうな姿が流れてくる。

「いいな」と思う気持ちの裏に、じわっとした苦しさが混じる。そういう経験、ありませんか?

それは、あなたの心が弱いわけじゃありません。私たちは、小さな頃から常に誰かと比べられて育ってきたからです。テストの点数、運動の得意不得意、きょうだいとの違い——気づかないうちに「比べることが当たり前」の世界で大きくなってきた。比べてしまうのは、そういう環境の中で身についた、自然な反応なんです。

なぜ人は比べてしまうのか

心理学では、人は自分の価値を確かめるために、周りと比べようとする性質があると言われています。

「自分はどのくらいできているのか」「自分の位置はどのあたりなのか」——それを測る物差しとして、他の人を使ってしまう。

でも、比べるたびに「自分はダメだ」という結論に向かってしまうなら、それはとても消耗することです。

そのとき、意識を自分の内側へ

誰かのキラキラした姿が目に入ったとき、意識はどうしても外へ、相手へと向かいます。

でもそのときこそ、一度自分の内側へ意識を戻してみてください。

どんなにキラキラして見える人にも、外からは見えない努力や苦労があったはずです。それは、その人にしかわからないもの。他の人が計り知ることはできません。

私たちは、見事にすべて違います。性格も、育った環境も、顔も、歩んできた道も、何もかも。

その違いをほんとうに理解したとき、自然と比べることは減っていきます。

「自分は自分」という感覚を育てる

人は皆、自分が見たいように見て、感じたいように感じているものです。

SNSで見える「充実した日々」も、その人のフィルターを通した世界のひとつ。それに影響を受けすぎる必要はありません。

あの人はあの人の人生。私は私の人生。

自分と他の人の間に、やさしく境界線を引く。その感覚が育っていくと、誰かの姿を見てざわついた心も、少しずつ落ち着いていきます。

もちろん、仕事やチームで誰かと一緒に動くとき、意見や考え方のぶつかりが出ることもあります。そのときも、自分を押し殺すのではなく、バランスをとることが大切です。自分を大切にしながら、相手とも関わっていく。それが、健やかな関係のかたちです。

比べる気持ちは、自分への矢印

それでも、誰かと自分を比べてしまうことはあるでしょう。

そのとき、苦しむためではなく、こう使ってみてください。

「あんなふうになりたい」と感じたなら——それはあなたの中にも、同じ可能性や憧れがあるから。「あぁはなりたくない」と感じたなら——それはあなたが大切にしているものを教えてくれています。

出会う人すべてが、自分を知るための鏡。人は皆、自分の師匠です。

比べる気持ちが湧いてきたとき、それを責めるのではなく、「これは私の内側への矢印だ」と受け取ってみる。その小さな視点の転換が、自分の人生を歩くための力になっていきます。

前回は「自分を責める癖」、今回は「比べる癖」。どちらも、本当の自分を見えにくくしているものでした。次回は、そのベールをはいだ先にある「本当の自分の気持ち」について、一緒に考えていきましょう。

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