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#6|俺は大丈夫だった、と父は言った

認知症の母と、MCIの父。
海を超えて遠距離介護をしています。

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フランスからの遠距離介護


昼食後に電話をした。

両親は、夕食が終わって、
テレビを見ていたところだった。

父は言った。

ああ、元気か。

昨日な、
母さんと一緒に、物忘れ検診に行ってきた。
一人だと、嫌がると思ったから、
俺も一緒に受けた。

母さんが、
精密検査が必要だと言われて、
主治医に予約を入れてもらった。

俺は大丈夫だった。

そう言った。

父はまだ働いていた。
スキー、ゴルフ、トレッキングにも
出かけていた。

三日前の電話を、
父も覚えていなかった。

でも、
物忘れ検診では、
問題ないと言われた。

歳だから、
疲れていたから、
そういうこともあるのかもしれない。
そう自分に言い聞かせた。

ただ、
父の声が、
以前より少し曇って、
おっとりしているように感じた。

スマホに、
LINEというのを入れてもらったけど、
いまいち使い方がわからん、
と父は言った。

親が操作しなくても、
つながるビデオ通話はないだろうか。
ふと思った。
検索した。

Echo Show 10という
デバイスが出てきた。

声が聞こえる方に、
画面が自動で動くらしかった。


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