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[ECMO管理] 心機能と酸素化のバランスをどう見るか? 簡単なシナリオから状態を把握しよう

V-A ECMO管理において、何を見ているのか?

あなたはV-A ECMOを管理しているとき、どこに一番注意を払っていますか?
右手の酸素化(SpO₂やA-lineの血液ガス)でしょうか?
それとも平均動脈圧(MAP)でしょうか?
あるいは脈圧の程度、大動脈弁の開閉に注目しているでしょうか?

V-A ECMOは「入れれば助かる機械」ではありません。導入した瞬間から血流のバランスは大きく変わり、脳や心臓にどんな血液が流れているかを誤れば、かえって致命的な合併症を招くことになります。
ここでは、V-A ECMOの基本構造から、血行動態の理解、心臓への影響、そして管理の要点までを整理します。



1. V-A ECMOとは

V-A ECMOのおさらい

V-A ECMO(体外式膜型人工肺)は、
1. 静脈から血液を抜き、
2.人工肺で酸素を加え二酸化炭素を除去し、
3. 再び体内(動脈)に戻す装置です。

V-AECMO(Veno-Arterial ECMO) は、心臓と肺の両方を同時にサポートできる方式です。

V-A ECMOの適応は?

適応は、急性心筋梗塞による心原性ショック、致死的不整脈(VF/VT)、劇症型心筋炎げきしょうがたしんきんえん、心臓手術後の離脱困難、大量肺塞栓など。
薬やIABPでは対応が難しい場合の循環補助装置として導入されます。


2. V-A ECMOの血流の仕組みと「Mixing zone」

血液分布は心臓とV-A ECMOのバランス

V-A ECMOは一般的に足の血管から導入されます。
そのため、ECMOで酸素化された血液は「下から上へ」吹き上げるように流れ、心臓からの拍出血と大動脈内で衝突します。

両者が混ざり合う場所を Mixing zoneミキシング ゾーン(混合帯) と呼びます。

この位置は

  • 心臓の収縮力(拍出の強さ)

  • V-A ECMOの流量(ポンプの勢い)
    のバランスで決まります。

ECMO流量が強ければMixing zoneミキシング ゾーンは頭側へ押し上げられ、脳や冠動脈に酸素化血が届きます。
逆に、心臓の拍出が強くECMO流量が少ないと、Mixing zoneは下がり、脳や心臓が心臓からの血液で灌流されます。

血液分布は心臓とV-A ECMOのバランス

問題となるのは心臓からの送り出される血液が低酸素血の場合(Harlequinハーレクイーン症候群)

もし肺うっ血によって心臓から出る血液が低酸素で、しかもその血液が脳や心臓に優先的に流れてしまうと――

  • 脳は低酸素血で灌流され、意識障害や脳障害のリスク

  • 冠動脈も低酸素血で灌流され、心筋虚血や再度の不整脈のリスク

一方で、下半身にはECMO由来の酸素化血が流れているので、「頭(North)は低酸素、足(South)は高酸素」というアンバランスな状態になります。
これが Harlequinハーレクイーン症候群(North-South症候群) です。

Harlequin症候群(North-South症候群)

3. 病態の4つのパターン

一般的には、この程度の整理で十分とされます。
しかし、もう少し細かく見てみると、臨床上の課題がより鮮明になります。

V-A ECMO管理中の心臓側のポイントは左心機能自己肺の酸素化能力 の二つの軸で見るとわかりやすいと思います。

大きく4つに分けられます。

  1. 左心機能良好 × 肺酸素化良好 → 理想的 (V-A ECMO離脱直前)

  2. 左心機能良好 × 肺酸素化不良 → Harlequin症候群(脳低酸素化の危険)

  3. 左心機能不良 × 肺酸素化良好 → 肺うっ血が生じる一歩手前

  4. 左心機能不良 × 肺酸素化不良 → 最重症、予後不良

大きく4つのタイプに分けるとわかりやすと思います

① 左心機能良好 × 肺酸素化良好

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