[ECMO管理] ECMOの動脈カニューレのサイズはどう選べばいいの? ~流量と圧損失から考えるいいサイズはこれだ!~
想像してみてください。
医療の現場では、直径5〜7mmの管を、動脈に直接入れることがあります。そう、足の付け根あたり、大腿動脈と呼ばれる太い血管にです。
「え? 動脈にそんな太い管を? 大丈夫なの…?」
「点滴よりずっと太いじゃない…」
そう思うのは当然です。
でもこの「太さ」には、ちゃんと意味があります。
そして、その理由を知っておくことは、実は医療の現場にとってとても役立つことなんです。
ここから先は、ちょっとマニアックな話かもしれません。
でも現場でV-A ECMOに関わる人にも、そうでない人にも、「なるほど!」があるはず。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. V-A ECMOの動脈カニューレは血液を送る関門!
V-A ECMOは、心臓と肺の働きが著しく弱ってしまった人の体を、一時的に支える装置です。
静脈から血液を抜き取り
↓
ECMO装置で酸素を加え
↓
動脈へ戻す
この体に戻す際の「出口」となるのが、動脈カニューレです。
つまり、動脈カニューレの“太さ”は、その人に必要な血液量を十分に送り出せるかどうかを左右する重要なポイントになります。
2. 動脈カニューレのサイズ
カニューレの太さは「Fr(フレンチ)」という単位で表されます。
直径で、
3Fr=1mm
6Fr = 2mm
とFr数を3で割ってあげればmmに変換できます。
数字が大きいほど太くなります。
実際にV-A ECMOでよく使われる動脈カニューレのサイズには、
17Fr, 19Fr, 21Frがあります。
一見すると、17Fr (= 5.6mm) と 21Fr (= 7.0mm)ではたった1.4mmの差。見た目ではほとんど変わらないようにも見えます。
でも、血液が通る「断面積」は直径の2乗に比例します。実際に計算するとこうなります:
17Fr→ 断面積:約24.6平方ミリメートル
21Fr→ 断面積:約38.5平方ミリメートル
つまり、21Frは17Frの約1.6倍の面積。
それだけ血液を流せる“道”が広いということになります。
3. 動脈カニューレのサイズによる違い
V-A ECMOで命を支えるには、1分間に3〜5リットル程度の血液を体に戻す必要があります。
体重60〜70kgの成人なら、4L/分という設定は決して特別ではなく、むしろ「必要最低限」に近いケースもあります。
ここでご紹介するのは、カニューレの太さによって血液の流れやすさがどう変わるのかを示すグラフです。

17Frで1分間に4リットルを流そうとすると…
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