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【1000万人市場のリアル】なぜ終活は「ポップ」になったのか?専門家が紐解くエンディングビジネス最前線

 こんにちは、エンディングノート専門家、終活講師あかさんこと赤川直美です。

 最近、田村淳さんがMCを務める番組「TaMaRiBa」のエンディングビジネス特集を拝見しました。番組内では「自分の人生のしまい方を話せる時期がようやく来た」と語られ、全員に平等に訪れる人生の終盤に向けた活動である「終活」が大きく取り上げられていました。
 私自身、エンディングノートの終活も「いかに入り口を低くするか」をずと考えているので、非常に興味深く、また考えさせられる内容でした。

 今回は、この番組を通じて私が共感したポイントと、現場を知るからこそ抱いた「4つの疑問点と懸念」、そして今後の終活のあり方についてまとめてみたいと思います。

共感したポイント・終活を明るく前向きに

1. 死をタブー視する日本の風潮を変え、人生の終末をポップかつ前向きに捉え直す

 日本では昔から死について語ることをタブー視する風潮があります。しかし田村さんは動画の中で、そうしたマインドの人たちとあえて対談し、炎上してでもこの状況を変えたいと熱く語っていました。

 死を先送りにすることは、今を生きている人や残される家族が困ることに直結します。 番組では、お酒を飲みながら終活について語り合う「終活スナック」や、死について話し合う「デスカフェ」、さらには「人生ゲームの終盤編(シルバーゲーム)」を作ろうといったアイデアが飛び交っていました。

 これらは、終活の心理的ハードルを極限まで下げ、日常の中で前向きに考えられるようにする素晴らしいアプローチだと深く共感しました。

 実際、私がお世話になっている葬祭ディレクターさんも、So-giver(葬儀BAR)を定期的に開催されています。このSo-giverに込められた想いも素晴らしいので、ぜひこちらもご一読ください。

2. 故人の好物を再現するクレイアート

 動画の中でもう一つ心惹かれたのが、「おもいで食堂」というクレイアートのサービスです。このサービスは、故人の生前の大好物をありのままの姿でお供え物として残せるというもの。
 田村さんご自身も、お母様がよく作ってくれた麻婆豆腐を、実際に使っていたお皿に作ってもらいお供えしているそうです。

 私も、エンディングノートに我が家の味とか、よく作ったメニューのレシピを入れることを薦めています。協会メンバーからも「祖母の味はあるんだけど、なかなか再現ができないんだよね。レシピ書いて貰えばよかったなぁ」という声も上がっていて、語り継ぐ大切さを感じています。

 このように、想い出の料理をアートにする発想は、家族間で終活の話を始める非常に良いきっかけになるなと感じます。


専門家としての疑問点と懸念

 一方で、エンディングノートを通じて多くの方のリアルな悩みに伴走してきた立場から、いくつか立ち止まって考えたい疑問点も浮かびました。

1. どの年齢層に向けての発信か?

 番組では、2030年代後半には1000万人に達するとされる「お1人様高齢者」の課題がベースに語られていました。

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 しかし同時に、19歳で父親を亡くした女性が開発した「思い出召喚ステッカー」や、結婚のタイミング、あるいは生命保険に入るタイミングで終活を考えるべきだという現役世代向けの議論も展開されていました。
 ターゲットが広がる分、誰にどのようなメッセージを届けるのかをより明確にしないと、本当に必要な人に届きにくくなるのでは?情報弱者には届かないのでは?とも感じました。

2. ポップと課題解決の乖離はないのか?

 クレイアートや動画ステッカー、ボードゲーム化といったポップな「きっかけ作り」は重要です。しかし、実際の終活現場で直面するのはもっとシビアな現実です。

 番組でも話されていたように、身元保証人がいないために賃貸契約や入院ができない高齢者を実務的にサポートするといった、待ったなしの課題解決は急務です。
 しかし、ポップなサービスで興味を持った人たちが、いざという時に「重く複雑な現実の課題解決」へ果たしてシームレスに移行できるのか?その導線づくりに少し乖離があるのではないかという疑問を持ちました。

3. 終活がビジネスとして捉えられることへの懸念

 国内だけで1000万人規模へと拡大する巨大なエンディング市場。新規ビジネスが次々と生まれ選択肢が増えること自体は歓迎すべきことです。

 しかし番組内でも触れられていたように、高齢者の財産を目当てに食い物にするような悪質なケースも既に起きています。 終活が「儲かるビジネス」としてのみ捉えられてしまうと、不安を煽って不要なサービスを売りつける業者が増え、トラブルに巻き込まれる人が増えているのも事実です。

 ご本人の意思や尊厳、生きるための資産をどう守るのか。「終活の本質」が損なわれないよう、しっかりと監視し、啓発を続けていく必要があると強く感じました。

4. 本当に支援を求めているのは誰か?(情報や経済力による格差)

(※以下の「情報弱者や貧困層」に関する視点は、番組内で直接語られていた内容ではなく、私の専門家としての現場経験に基づく見解です。)

 番組内では、専門家チームがワンストップでサポートしてくれる素晴らしいサービスが紹介されていました。しかし、そうしたサービスは往々にして対価を必要とします。
 お金を払えば何でも解決できる時代になりつつある一方で、本当に支援を求めているのは、こうしたサービスにアクセスできない「情報弱者」や「貧困層」の方々であることも事実です。 

 反対に、お金があっても情報が手に入らず孤立してしまう方、求めるサービスがみつからないということもあります。

 また、そもそもこれらのサービスに関心を持っても「お金がないから」と最初から諦めてしまう方も存在します。ビジネスの進化の影で、こうした方々が置き去りにされない仕組みづくりが急務だと思っています。

 このことは、単にボランティアでなんとかできるとか、支援者の善意に頼るというような次元ではありません。また、介護サービスで全てをカバーできるとは思えません。

終わりに:エンディングノートも終活も「社会のインフラ」へ

 番組で田村淳さんがおっしゃっていたように、死は「全員に100%必ずいつか訪れる」ものです。ポップなきっかけから入りつつも、エンディングノートなどを活用して着実に現実の備えを進めていくバランスが大切です。

 そして何より、お金や情報の有無に関わらず、誰もが安心して人生の終盤を迎えられる社会にするために、エンディングノートや終活は、単なる一過性のブームや一部の人のためのビジネスではなく、「社会のインフラ」になる必要があると考えます。

 誰もが当たり前のように終活のサポートを受けることができる。そのために、エンディングノートを社会のインフラにするための活動に、着手して動き始めています。

 今後、このnoteでもその活動の具体的な内容や最新の情報を随時公開していく予定ですので、ぜひ、これからの発信も楽しみにお待ちください。

8月8日 エンディングノートサミット開催

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