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【イギリス1年4か月】バイリンガル育児のリアル。英語は話せるようになったけれど……

【イギリス1年4か月】バイリンガル育児のリアル。英語は話せるようになったけれど……

この前、「イギリスに来て1年経った!」と思ったばかりなのに、気づけばもう1年4か月。

渡英した当初、子どもたちはほとんど英語を話せませんでした。それが今では、学校で先生や友達と会話をし、レストランでは自分で注文し、姉妹げんかまで英語です。

「海外に住めば、子どもは自然に英語を話せるようになる」

我が家の場合、これは本当でした。

ただし、1年4か月暮らしてみて、もう一つわかったことがあります。

「英語を話せるようになること」と「英語で学べるようになること」は、まったく同じではない。

そして、英語が伸びるほど、今度は日本語の読み書きが心配になってくる。

今回は、長女と次女の英語の伸び方の違い、現地校で見えてきた「会話の英語」と「勉強の英語」の差、そして日本語を維持する難しさについて、現在の我が家の状況をまとめてみたいと思います。

我が家の状況

我が家では、家族の会話は基本的に日本語です。

子どもたちは現地校に通い、学校では英語、家では日本語という生活をしています。

長女:6歳で渡英、現在7歳

長女は、日本にいた頃、英語をほとんど勉強していませんでした。

渡英後も英語のチューターはつけず、家庭で特別な英語学習をしてきたわけでもありません。英語については、ほぼ現地校一本です。

現在は、平日に現地校、土曜日に日本語補習校へ通っています。現地校では日本人以外のお友達と過ごすことも多く、学校生活の中で英語を身につけてきました。

次女:3歳で渡英、現在5歳

次女は3歳で渡英し、現在はReceptionに通っています。

最初は「まだReceptionだし、遊びが中心かな」と思っていたのですが、実際に始まってみると、なかなか本格的です。

1から100までのカウント、答えが5や10になる足し算、ライティング、フォニックス……。

先生からも、しっかりプッシュされます。

「Receptionって、こんなに勉強するの?」

親の方が驚いています。

英語は、本当に話せるようになった

まず、リスニングとスピーキングについては、2人とも大きく伸びました。

長女は、周りの会話まで聞き取るように

以前は、レストランでの注文も親がしていました。

それが今では、自分で注文します。

というか、こちらの話を聞かずに、自分が食べたいものを勝手に注文していることもあります。

「まだ決めてないんだけど!」と思いますが、自分から英語を使えるようになったという意味では、大きな成長です。

最近は、私たちの横を誰かが通り過ぎながら話していた内容まで聞き取っています。

「さっきの人、こんなこと言ってたよ」

と教えてくれることがあり、「そこまで聞いてたの?」と驚きます。

渡英したばかりの頃は、自分に向けて話された英語を理解するだけでも精いっぱいでした。それが今では、周囲の英語が自然に耳に入ってくるようになりました。

話す文章も長くなり、5語以上の文を普通に使います。最近は、姉妹同士で遊ぶときにも英語が増えてきました。

そして当然、けんかも英語。

英語で言い争っている姿を見ると、「英語が生活の一部になったんだな」と感動するより先に、「何語でもけんかはするんだな」と思います。

次女は、自分の困りごとを英語で説明できるように

次女はReceptionに入った当初、英語をほとんど話せませんでした。

それが今では、先生と一人で会話ができるようになっています。

先日、学校で水筒をなくしました。

以前なら、私に「ない」と言って終わっていたと思います。でも今回は、自分で先生に、

「ここに入れていたはずなのに、なくなっていた」

という内容を英語で説明していました。

英語が話せなかった子が、自分の困っていることを先生に伝えている。

これは単に「英語の単語を覚えた」という以上の成長です。英語を使って、自分で問題を解決しようとしているのです。

先生からは、

「3語程度の文が多いので、5語以上の文を目指しましょう」

と言われています。

先生としては正しい目標なのだと思います。

でも親としては、心の中で、

「3語でも十分頑張ってるよ!」

と思っています。

ところが、「話せる」と「勉強できる」は別だった

日常会話ができるようになると、親はつい安心してしまいます。

友達と遊べる。先生の話もわかる。自分の希望も伝えられる。

そうなると、「もう英語は大丈夫そう」と思ってしまうのです。

ところが、ここから別の壁が出てきました。

それが、リーディングとライティングです。

第二言語習得では、日常生活で使う会話力と、授業や読解、作文などで必要になる学習言語能力は、分けて考えられることがあります。

日常会話では、相手の表情や身ぶり、その場の状況が理解を助けてくれます。

例えば、給食の時間にお皿を指さしながら「Do you want this?」と聞かれれば、すべての単語を理解していなくても意味を推測できます。

しかし、教科書の文章を読んだり、先生の説明だけを聞いて考えたり、自分の意見を文章にしたりするときは、表情や身ぶりに頼れません。

語彙、文法、背景知識、文章を組み立てる力が必要になります。

つまり、校庭で友達と楽しく遊べることと、授業の内容を十分に理解して文章で答えられることは、別の力なのです。

我が家でも、まさにその違いが見えてきました。

長女の課題は「読めるけれど、意味がわからない」

長女は学校でRWI(Read Write Inc.)のフォニックスを学び、現在はBlueの段階です。次のGreyが最終段階なので、音を手がかりに読む力はかなりついてきました。

Year 1で通常行われるフォニックス・スクリーニングも、今年受けて無事にパスしました。

ただ、最近よくあるのが、

単語の音は読めても、その意味がわからない

という状態です。

文字を正しく音に変換できることと、文章の内容を理解することは同じではありません。

例えば、知らない単語でもフォニックスの規則を使えば、声に出して読めることがあります。でも、その単語の意味を知らなければ、文章全体の意味はつかめません。

そのため最近は、本を読んだら終わりではなく、

「今の言葉、どういう意味かわかる?」

「この人は、どうしてこうしたと思う?」

と、語彙や内容も確認するようにしています。

ただし、あまり質問しすぎると読書が突然「口頭試験」になり、本人が露骨に嫌な顔をします。

加減が難しいところです。

ライティングも同じです。

話したいことはあっても、それを英語の文章として組み立て、スペルを考え、句読点をつけて書くとなると、負担は一気に大きくなります。

長女はYear 3になってもフォニックスを続ける予定です。Year 3から編入した子の中には、フォニックスのクラスには入らず、別の支援を受ける場合もあるようです。

学校によって、英語を追加言語として学ぶ子どもへの支援方法は異なります。フォニックスを続けること自体が悪いわけではありませんが、音読だけでなく、語彙、読解、作文も一緒に伸ばせているかは、今後確認していきたいところです。

次女は、英語を音とリズムで吸収中

次女のフォニックスは、Redを終えてGreenの段階です。クラスのお友達にはすでにPurpleへ進んだ子もいるようで、進度だけを比べると少し遅れています。

ライティングも、まだまだミミズのような字です。

ただ、Receptionに入った頃は文字を書くこと自体ができませんでした。それを考えれば、大きな進歩です。

次女は、本を一文字ずつ読み、それを一つの単語につなげる練習をしています。

先生からは、

「読むのがまだゆっくりなので、考えなくても読めるくらいになるといいですね」

と言われています。

これは、文字を見て音を思い出すことに毎回全力を使わず、単語をある程度自動的に読める状態を目指すということなのでしょう。読む作業が自動化されると、その分、文章の意味を考える余裕が生まれます。

理屈はわかります。

ただ現実には、5歳児です。

数分で集中力がどこかへ旅立ちます。

英語のフォニックスを始めたと思ったら鉛筆で遊び、ひらがなの練習を始めたら消しゴムを並べ、気づけば全然違う話をしています。

今は「長くやること」より、「短くても繰り返すこと」が大切なのだと思っています。

姉妹でも、英語の育ち方はまったく違う

2人を見ていて面白いのは、同じ家で暮らし、同じように現地校へ通っていても、英語の身につき方がかなり違うことです。

長女は、日本語を土台に英語を積み上げている

長女は、日本語で自分の気持ちを説明したり、物事を考えたりできる年齢で渡英しました。

つまり、すでに日本語という言語の土台があり、その上に英語の語彙や文法を積み上げています。

そのため、長女の英語は比較的はっきりしていて、まとまった内容を説明する力も伸びてきました。

一方で、英語圏の子どもが幼い頃から自然に触れている歌、手遊び、決まり文句、子ども同士の独特な表現などには、知らないものもあります。

学校のコンサート前には英語の歌を覚えますが、幼い頃から遊びながら英語の歌を吸収してきたわけではありません。

これは「英語力が低い」という話ではありません。

長女は、日本語で育ててきた知識や思考力を使いながら、第二言語として英語を学んでいます。その分、英語圏の幼児が自然に蓄積してきた言葉や文化的な知識には、部分的な抜けがあるのだと思います。

次女は、英語を丸ごと吸収している

次女は3歳でイギリスに来ました。

まだ言語そのものが大きく発達している時期に英語環境へ入ったため、英語を「勉強する」というより、音やリズム、歌、友達との遊びごと吸収しているように見えます。

英語の手遊び歌も、いつの間にか覚えています。

そんな次女が、長女の知らない表現を知っていることがあります。

以前、「Mother is cross」という表現が出てきました。

長女に、

「crossって、ここではどういう意味?」

と聞いたところ、長女はわかりませんでした。

すると横から次女が、

「あんぐりーだよ」

と一言。

「え、知ってるの?」

と、こちらがびっくりしました。

次女にとっては、「cross=怒っている」という表現が、学校や絵本の中から説明抜きで入ってきたのでしょう。

一方で、次女の英語はまだ幼い子どもの英語です。話し方も発音も幼く、親には何を言っているのか聞き取れないことがあります。

英語なのか、本人が作った言葉なのか、そもそも何か食べながら話しているだけなのか。

判断できないこともあります。

同じ「英語ができる」でも、中身は違う

長女は、日本語で培った知識や考える力を土台に、英語を積み上げています。

次女は、言語能力そのものが発達している時期に、英語の音やリズム、歌、遊びを日常生活の中で吸収しています。

そのため、長女はまとまった内容を説明するのが比較的得意。

次女はまだ話し方が幼い一方で、子ども向けの歌や表現を感覚的に知っています。

どちらが上手という話ではありません。

第二言語に触れ始めた年齢、それまでに育っていた日本語の力、性格、友達関係、好きな遊びなどによって、身につく英語の中身は変わります。

「上の子がこうだったから、下の子も同じように進むだろう」

とは、まったくいきません。

親としては、つい姉妹を比べてしまいます。でも同じ物差しで測るよりも、

「この子は、今どんな力を伸ばしているのか」

を見ることが大切なのだと思います。

英語より難しい?日本語の維持

英語は、現地校に通っていれば毎日大量に入ってきます。

先生の話、友達との会話、授業、本、歌、校内放送。何もしなくても英語に触れる環境があります。

一方、日本語は意識して時間をつくらなければ、家庭内の会話だけになってしまいます。

そして、家庭で使う日本語と、学校で必要になる日本語も違います。

「お風呂入って」

「宿題やった?」

「早く靴履いて!」

こうした日本語だけでは、漢字も読解力も育ちません。

残念ながら、「早くして」を毎日100回言っても国語力にはならないのです。

長女は、補習校を続けることを最優先に

長女は日本語補習校に通っています。

学年が上がるにつれて漢字が増え、音読する文章も長くなってきました。

漢字が出てくると止まる。やっと読み終わった頃には、最初に何が書いてあったか忘れている。

読解問題では、質問の意味を十分に理解しないまま、本人なりの解釈で答えてしまうこともあります。

日本語で日常会話ができることと、日本語で文章を読み、問いを理解し、考えを文章にすることは別なのだと感じます。

これは、海外で育つ子どもの日本語を考えるうえで、とても重要な点だと思います。

家庭で日本語を話しているからといって、年齢相応の読み書きまで自然に身につくわけではありません。

とはいえ、すべてを完璧にやろうとすると、親子ともに疲れてしまいます。

そのため現在は、

「まず、補習校を続ける」

ことを一番の目標にしています。

漢字を忘れても、また覚えればいい。

問題を全部正解できなくてもいい。

日本語を読む、書く、聞く、話す環境を、完全になくさないことを優先しています。

次女は、ひらがなから

次女は、家庭でひらがなを練習しています。

読み聞かせをしたり、一緒にひらがなを読んだり、気づいたときに少しずつ取り組んでいます。

学校では英語のフォニックス、家では日本語のひらがな。

本人の頭の中では、かなり忙しいことになっているはずです。

英語ではアルファベットの形と音を覚え、日本語ではひらがなの形と音を覚える。

しかも、英語と日本語では音の仕組みも文字の仕組みも違います。

「どうして覚えられないの?」と思うより、「二つの文字体系を同時に覚えているんだから、そりゃ大変だよね」と考えた方がよさそうです。

日本語の本を読ませたい。でも、本人は読みたくない

親としては、英語だけでなく日本語の本も読んでほしいと思います。

しかし、長女は日本語の本を自分からはほとんど読みません。

漢字で止まり、知らない言葉が出てきて、文章が長いと疲れる。

本人にとって、日本語の読書は「楽しい時間」というより「努力が必要な作業」になりつつあるのだと思います。

私はつい、

「書けなくてもいいから、せめて読めるようになってほしい」

と思ってしまいます。

でも、日本語には漢字があります。同じ漢字でも音読みと訓読みがあり、組み合わせによって読み方が変わります。

子どもに、

「どうして同じ漢字なのに読み方が違うの?」

と聞かれると、説明に困ります。

「そういうものだから」と言いたくなりますが、それでは何の説明にもなっていません。

日本語を母語として何となく使ってきた私も、子どもに教えようとして初めて、

「日本語、結構難しいな」

と気づきました。

読書習慣をつけたい。でも、無理に読ませて嫌いにはしたくない。

このバランスが、今の我が家にとってかなり難しい課題です。

親としての反省点

振り返ると、英語の読み書きについて、もう少し早く考えてもよかったのかもしれません。

ただ、渡英直後は、毎日学校へ行くだけで精いっぱいでした。

言葉のわからない教室で一日を過ごし、ルールを覚え、友達をつくり、新しい生活に慣れる。

当時は、学校へ行くだけで十分頑張っていたと思います。最初から家庭学習まで詰め込まなかったことは、間違いではありませんでした。

ただ、学校生活に慣れ、友達と遊べるようになったところで、次の課題へ切り替える必要があったのだと思います。

英語を話している姿だけを見て、

「もう英語は大丈夫」

と判断してしまったこと。

日本語で会話できている姿を見て、

「家で日本語を話しているから大丈夫」

と思ってしまったこと。

この二つは、少し反省しています。

英語も日本語も、会話力だけでは見えない部分があります。

語彙、読解、作文、教科の言葉、文章で考える力。

学年が上がるにつれて、こうした力がますます重要になっていくのでしょう。

これからの課題

これからの我が家の課題は、やはり「読み書き」です。

長女は、英語では語彙、読解、ライティング。日本語では漢字と読解。

次女は、英語ではフォニックスとリーディング。日本語ではひらがなと読書。

こうして並べてみると、やることが多すぎます。

全部を完璧にやろうとしたら、親子ともに倒れそうです。

だから今は、**「毎日少しずつ、やめずに続ける」**ことを目標にしています。

長女は、英語の本を少しでも読む。知らない単語は、音だけでなく意味も確認する。日本語は補習校をできるだけ休まず、漢字は忘れても何度でもやり直す。

次女は、英語のフォニックスを短時間でも繰り返す。日本語は、まずひらがなを少しずつ読めるようにする。

そして2人とも、本を読むこと自体を嫌いにならないようにしたい。

これが一番難しく、一番大切な目標かもしれません。

イギリス生活1年4か月で思うこと

イギリスに来れば、子どもは自然に英語を話せるようになる。

我が家の場合、これは本当でした。

毎日学校へ行き、先生や友達と過ごす中で、子どもたちは確実に英語を身につけてきました。

でも、現地校に入れれば、それだけですべての英語が自然に完成するわけではありませんでした。

会話ができても、文章を読むのは難しい。

読めても、意味がわからないことがある。

話せても、書くことは難しい。

そして英語が伸びていく一方で、日本語の読み書きは、意識して守らなければ少しずつ弱くなっていく可能性があります。

バイリンガル育児は、「日本語も英語も同じくらい完璧に話せる子どもを育てること」だと思われがちです。

でも実際には、二つの言語の力が、いつも同じ速さ、同じ形で伸びるわけではありません。

話す力が先に伸びることもある。

読む力が追いつかない時期もある。

片方の言語で知っている言葉を、もう片方では知らないこともある。

姉妹でさえ、身につける英語の種類も順番も違います。

だから今は、二つの言語をきれいに半分ずつ育てることよりも、それぞれの言語が子どもたちの世界を広げる道具になってくれたらいいと思っています。

日本語があるから、日本にいる家族や友達とつながれる。

英語があるから、イギリスで友達をつくり、自分の困りごとを伝え、新しいことを学べる。

どちらも、子どもたちの人生を少しずつ広げてくれる言葉です。

もちろん、親としては欲が出ます。

英語も日本語も話せて、読めて、書けて、できれば本も大好きになってほしい。

しかし現実は、音読を始めれば「疲れた」と言われ、漢字を始めれば鉛筆が消え、フォニックスを始めれば急にトイレへ行きます。

そんな毎日です。

イギリス生活1年4か月。

まだまだ試行錯誤の途中ですが、子どもたちは昨日できなかったことを、ある日突然できるようになります。

英語を話せなかった子が先生に困りごとを説明し、聞き取れなかった子が周囲の会話を聞き、姉妹で英語の冗談を言って笑っている。

そんな姿を見ると、

「まあ、焦らなくても大丈夫なのかもしれない」

と思えます。

これから学年が上がれば、英語も日本語もさらに難しくなるはずです。

我が家のバイリンガル育児が、この先どうなっていくのか。

また半年後、あるいは1年後に振り返ってみたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

我が家と同じように、海外で子どもの英語や日本語に悩んでいる方や、「姉妹でも言葉の身につき方が違う!」と感じた方がいたら、ぜひ「スキ」を押していただけるとうれしいです。

皆さんのご家庭では、英語と日本語をどのように育てていますか?おすすめの学習方法や読書習慣のつくり方があれば、ぜひコメントで教えてください。



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