【🎨展覧会レポ】横浜市民ギャラリーあざみ野「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」「Mr.ネイラーの驚異の部屋」
【#309、約4,000文字、写真約75枚】
横浜市民ギャラリーあざみ野で、企画展「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」、コレクション展「開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。
▶︎ 結論
低予算で楽しめるオススメの展覧会でした。それは主に、1)初めて知る上原沙也加の作品群は、懐かしい気持ちと同時に、写真にストーリーを感じた、2)コレクション展では、カメラ・写真の興味深い展示をたくさん見られたためです。あざみ野駅で降りる機会は少ないと思うため、この機会に訪問してはいかがでしょうか。
▼ 前回、横浜市民ギャラリーあざみ野で鑑賞した記録
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:①上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても、②開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋
場所:横浜市民ギャラリーあざみ野
会期: 2026年1月24日(土)〜2月22日(日)
休館日:1月26日(月)
開館時間:11:00~18:00
住所:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1丁目17−3
アクセス:あざみ野駅から徒歩約5分
入場料(一般):①500円、②無料
事前予約:ー
所要時間:約1時間半
撮影:すべて可能
巡回:ー
URL:①こちら、②こちら
▶︎ 訪問のきっかけ

「横浜市民ギャラリーあざみ野」が続々と感想をリポストするため「見に行ってみよかな」という気持ちになりました。写真家の上原沙也加が沖縄をメインに活動していることも、きっかけの1つでした。
【情報公開!】
— 横浜市民ギャラリーあざみ野 (@artazamino) December 11, 2025
主催展 #あざみ野フォト・アニュアル2026 のサイトを公開しました!今年はこちら👇
♦上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしてもhttps://t.co/XgUNNTMy1o
♦横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋https://t.co/T5ITy6a73Q pic.twitter.com/jpkYmr3cqw



▶︎ 「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」感想

90年代に沖縄に生まれた上原による、生活と地続きにある風景とそこに残された痕跡を丁寧に掬い取るようなアプローチに注目します。(略)既作・最新作から成る全4シリーズの写真群を通して、上原の約10年にわたる取り組みを概観する初めての個展となります。(略)鑑賞者がその土地を一歩一歩あるくように、沖縄と台湾、それぞれの風景に立ち止まることができる機会となることを願っています。
写真家・上原沙也加の初の個展です。私は、横浜市民ギャラリーあざみ野には年に1、2回足を運んでいます。その中でも、観覧料を取るのは、今回が初めて(500円)。そのため、無料と思って入ろうとして止められる人が多数いました(私もその1人🙋)。
なお、公式サイトには、説明文に加え、「本展のみどころ」が記載されている点は便利だと思いました。長い解説をダラダラ読んでも、要点を掴めないことが多いためです。

上原沙也加は、1993年沖縄県生まれ(東京造形大学卒)。最初のセクションでは、沖縄の写真が多く展示されていました。



私は沖縄に何度か行ったことがあるため、写真を見て、懐かしい気持ちになりました。作品を見るだけで、沖縄の空気、匂いが蘇ってきそうでした。
▼ 沖縄で訪問した展覧会の感想

メインビジュアルを見た時「どうして普通のアメリカンダイナーなんやろう?」と思いました。


撮影されているのは沖縄の日常です。そこには軍隊、アメリカ、歴史が自然と映り込んでいることに気づきました。それが上原沙也加の意図かな?と思いました。


暗室の中では、沖縄で撮影したモノクロ写真による新作「前の浜」が初公開されていました。

スライドショーは、私生活の一部なのでしょうか。ただのお出かけ記録にも見えました。白黒写真だと、どこか哀愁や「影」が漂う印象を受けました。
これらは、2025年慰霊の日の前後3日間、自室から慶良間諸島までを撮影した約200点のスライドショーだと、後になって知りました。


第49回木村伊兵衛写真賞にノミネートした、台湾で撮影した作品群「緑の部屋」「緑の日々」も展示されていました。





私は台湾に思い入れがないため「何とも言えないなぁ」と思いました。部屋全体がセピア色に包まれていて、どこか優しい雰囲気を感じました。




全体を見て、上原沙也加は作品の中で、ストーリーを大切にする作家だと思いました。



作品の中で私は、沖縄の「DFSギャラリア」の写真が印象に残りました。

旅行の懐かさを感じると同時に、寂れた雰囲気からは海外資本の侵食による皮肉にも見えました。

子どもにも聞いたところ、なぜか台湾の風景写真が良かったらしいです。「おそと〜」と言っていました。
▼ 作家のインタビュー映像(17分35秒もあるため、3〜4分のダイジェスト版もつくると費用対効果が最大化されると思います)
その後、2階のコレクション展へ移動しました。



▶︎ 「開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋」感想

アメリカの実業家サーマン・F・ネイラー(1919-2007)によって蒐集されたものです。(略)ネイラーが自邸に構えていたプライベート・ミュージアムには、写真に関するあらゆるものが、まるで15~18世紀の博物陳列室「驚異の部屋」のように所狭しと並べられていました。(略)本コレクションならではの貴重な資料やユニークな収蔵品、関連資料を通じてコレクションの特徴や歴史をひもときます。
コレクションは、エンジニアだったネイラーの視点も含めたものから、旅先で見つけたカメラにまつわるお土産品まで、多岐に渡っていました。

なお「ヴンダー」はドイツ語で「奇跡、驚き、不思議」を意味します。私にとって、エヴァンゲリオンに登場する戦艦が真っ先に思い浮かびました。

本展は「開館20周年記念」と題されたコレクション展。それに合わせて、キャラクター「アザミック」を新しく開発したのでしょうか?展示室内では、アザミックを使って、写真の歴史がひも解かれていました。

横浜市民ギャラリーあざみ野では、横浜市が取得した「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション」の保存活用事業を受託・収蔵しています。これらを使って、毎年コレクション展を開催しています。

今回は「協力」に、城西国際大学メディア学部、POETIC SCAPEが入っています。新しい見せ方をするには、新しい人に頼むのが手っ取り早いです。
以下、私が気になったコレクションを中心に紹介します。

世界で最初の写真集、10年ぶりに公開!




当時のアルバム、小さっ!





▼ ステレオ写真が展示されていた写美の展覧会





フリフリのレースをしながらテニス!
女性はまだスポーツウェアを着られなかった時代


小さい!


コナン君が使ってそう




専用の三脚を使って撮影することで、360度のパノラマ撮影が可能

ピストルの形にする必要があるのかな?


写美でも見た作品

これも写美で見た

でかい!

ネイラーの収集欲がすごい



こうやって水滴を撮影

水滴を撮影するために、わざわざ装置までつくっているとは…
この大ボリュームであれば、広い美術館で、面白いキュレーションを用いて展覧会を企画すれば、さらに多くの人にコレクションを楽しんでもらえそうだと思いました(SOMPO美術館やアーティゾン美術館などが良さそう?)。



罫線の使い方に、作成者のエクセルセンスが漂う
▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?500円で質の高い写真や、無料のコレクション展を見られるため、とても有意義な時間でした。上原沙也加のことを初めて知れたことに加え、何度か見たことがあるコレクション展でも、開催者の気合いを感じました。オススメの展覧会です!
▶︎ 今日の美術館飯

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