【設計:安藤忠雄】こども本の森 中之島:読書が楽しくなる空間に感動!大人にもオススメ
【#260、約3,900字、写真約40枚】
初めて「こども本の森 中之島」に行きました。その感想を書きます。
▶︎ 結論
コンパクトながらも、魅力に溢れた素晴らしい場所でした!それは主に、1)建築、内装、本のキュレーションが素晴らしく、本を読むことが「楽しい」と純粋に思えること、2)安藤忠雄が建物を設計・寄付し、運営費の寄付も集めるなど、その背景にある心構えに改めて感銘を受けたことによります。ここは「図書館」ではありません。是非、大人も子どもも「こども本の森 中之島」を全力で楽しんでください!
おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
休館日:毎週月曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時まで
住所:大阪府大阪市北区中之島1丁目1−28
アクセス:淀屋橋駅から徒歩で5分
入場料(一般):無料
事前予約:予約がオススメ
展覧所要時間:90分
撮影:可能
URL:https://kodomohonnomori.osaka/
▶︎ 訪問のきっかけ

訪問のきっかけは2つ。
1)今まで安藤忠雄の建築にはいくつか訪れ、著作も読みました。そこで、安藤さんの「こどもと未来」「読書」についての考え方に強く共感したため。
▼ 安藤さんの展覧会@VS.
▼ 安藤さんの良さがわかる本(2024年7月読了)
2)私の趣味が読書だからです。
▼ 私の読書履歴(累計2,277冊)
▶︎ アクセス

こども本の森 中之島(英語名称:Nakanoshima Children's Book Forest、以下、NCBF)は、淀屋橋駅から徒歩約5分。そのほか、北浜駅や、なにわ橋駅からも近いです。






▶︎ 「こども本の森 中之島」とは?

こどもたちに多様な本を手にとってもらい、無限の創造力や好奇心を育んでほしい。自発的に本の中の言葉や感情、アイデアに触れ、世界には自分と違う人や暮らしが在ることを知ってほしい。「こども本の森 中之島」は、そんな想いでつくられた文化施設です。
✔️ 安藤忠雄の提案

NCBFの開館に至ったプロセスはユニークです。
2017年、安藤さんが大阪市に、1)「こども本の森 中之島」を整備、2)建物は安藤さんが大阪市に寄付する、3)運営費用は寄付で賄うことを提案。それを受け、大阪市は市会で議決しました。

「地球は一つ。これからの社会を担っていく子どもたちには、元気よく自由に世界に向け羽ばたいてもらいたい。そのためには幼いころから本を読んで、豊かな感性や想像力を育むことが大切です」

安藤さんが「子どもと本」について考えたきっかけは、5つの臓器を摘出する大病を患った際、療養時に本と親しむ時間をもつようになったことだそうです。そこで改めて、未来をつくる子どもたちのために本と出会う場をつくりたいと考えるようになりました(安藤さんは中之島の近所に住んでいることもきっかけだそう)。

2018年、「大阪市こども本の森中之島条例案」が議会に上程、可決。2019年、安藤さんからの建物寄付を収受、名誉館長に山中伸弥さんが就任。2020年7月に開館しました。
そのため、土地と建物の所有者は大阪市です。運営は、大阪市が指定した管理者が行っています。

私も退館時に寄付しました😄
運営費は全て寄付で賄われていることも大きな特徴です。すでに8億円以上集まっているそうです(2022年時点)。年間運営費は5000万円であるため、16年以上は運営のメドが立つことになります。これも安藤さんのおかげが大きいと思います。
✔️ コンパクトでも工夫あふれる館内

鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積は815㎡(敷地面積は1,380㎡)。中に入るとわかりますが、決して広くありません。

しかし館内では、本に囲まれる楽しい環境に加え、程よく日光も入る心地よい構造になっています。

入り口前には、安藤さんの青りんごが鎮座。「いつまでも輝きを失わない、永遠の青春」を意味しています。



✔️ 「本の森」≠「図書館」

NCBFは「図書館」ではなく「文化施設」です。そのため、本の貸し出しは行わず、調査研究も行いません。

蔵書数は約1万8,000冊。そのうち、寄贈による本は約5,000冊あります。ジャンルはさまざま。それらが、12の独自のジャンルで、キュレーションされています。

本のキュレーションは、画一的ではなく、柔軟に仕分けられていると感じました。幼児向けの本のすぐ横に大人向けの本が並んでいたり、漫画が随所に挟み込まれているなど、どの棚を見ても、メリハリが効いていることに加え、常に新しい発見があるようになっていました。

本を読む場合、外でも自由に読むことができます(1人1冊まで。受付に申告が必要)

館内では、スタッフが常に見回っています。入館者の質問に答えたり、本を整理しているおかげで、どの本棚も整った状態が続いていました。
✔️ 事前に予約すべし

オープンからいまだに人気が続いているため、入場制限があります。1)各回予約枠100名、2)予約なしで各回当日先着枠50名が入館できます。事前予約は、来館日の14日前の午前10時から可能です。
✔️ 読書が自然と楽しくなる

私にとって読書は「楽しい」ものです。読書が「楽しい」と感じるためには「環境」も重要です。特に子どもは、図書館の中で少し喋っただけで「コラ!」と怒られれば、読書はイヤなものにしかなりません。

「環境」面で言えば、NCBFは最高でした。
NCBFでは、自由に喋っていいんです!耳を澄ましてみると「ガヤガヤ」がエンドレスに聞こえます。子供たちはみんな、笑顔で本の背表紙を見たり、ページをめくっています。「図書館」とは全く違う光景がありました。

NCBFでは、どこで本を読んでもいいです!また、机や椅子は、温もりのあるデザインが多く、ウェルカムな空気で包まれています。「本の森」という名前の通り、館内は本に囲まれています。そのような環境にいるだけで、多くのインスピレーションを得られます。

館内のそこらじゅうで、親子の良いコミュニケーションが生まれていました。それを見るだけでも(本が好きな私は尚更)うれしくなりました。

このような取り組みによって、ここに来た子どもが「読書は楽しい」と、1mmでも思ってくれるだけでも、運営する大きな意義があると思います。



なお、英国には『ハリーポッター』があります。子供の頃からみんな『ハリーポッター』を読むため、読書習慣ができると聞いたことがあります。翻って、日本でそのような本は多くありません。本が「楽しい」と感じるために「環境」とともに、子どもから大人まで熱中できる本も必要だと思います。
✔️ 子どもも大人も大満足!

公式サイトに「乳幼児から中学生までをメインターゲット」と記載があります。しかし、大人でも十分に楽しめる選書に加え、何より本にワクワクする雰囲気が味わえます。

また、地元の人でも、旅行者でも楽しめると思いました(外国人観光客の方も一定数いました)。県外から「今日は電車に乗って、こども本の森行こか!」は、全然ありです。

✔️ 「本の森」批判
こども本の森の設計について、批判的な意見が出たことを覚えています。趣旨は「子どもの手の届かない棚に本を置くのはけしからん!」ということでした。当時、私もニュースを見た時はそう思いました。

しかし、実際に館内へ入ると、5段目以上に飾ってある本はすべて、4段目以下の本棚に並んでいます。そのため、表紙を見て気になった本があれば、その下から実際に読むことができます。
この陳列によるメリットは、1)表紙が一目で見える、2)館内が「楽しい」雰囲気に包まれることです。これは、現場に行かないと分からないことだと思いました。1つの画像を見て、短絡的にすべてを批判する狭隘な人間にならないように気をつけないといけません😐

こども本の森 中之島の良さは、行けばわかると思います。そして、大人は文句を言う権利がありません。子どもがどう思うかがすべてです。
▶︎ まとめ
いかがだったでしょうか?図書館とは違う魅力に溢れた施設でした!安藤さんによる建築と、的を得た本のキュレーションにより、読書が「楽しい」とピュアに思える雰囲気に仕上がっていることが良かったです。また、改めて安藤さんの考えに触れたことで、自分の生きる指針、子どもに伝えなければいけない指針を確認できました。大人も子供も、地元の人も観光で大阪に訪れる人にとってもオススメのスポットです!
▶︎ 参考
「ここに来ることどたちには、自分がどう考えているのか、言えるような子どもになってほしい」
「責任感というものを持ちながら自由にやっていきたい。自由はなにやいうたら毎日が元気よく楽しく生きることですね」
▶︎ 今日のオススメ本
★4.4(2015年1月読了)
★3.7(2024年10月読了)
★3.4(2025年5月読了)
▶︎ 今日の図書館飯

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