【展覧会レポ】富山市ガラス美術館「Gatheringーつなぐ創造力」ほか
【約3,900文字、写真約40枚】
富山市ガラス美術館に初めて行き「Gatheringーつなぐ創造力」などを鑑賞しました。その感想を書きます。
※5階の佐竹美保原画展の会期は終了しています
▶︎ 結論
隈研吾の建築として有名ですが、全体的な印象は「普通」でした。それは主に、1)一見映える建築も、取って付けた感が否めない、2)展示している作品群にストーリー性や特徴を感じられなかったためです。私が最も印象に残ったのは「佐竹美保原画展」でした。なお、完全屋内のため、雨の日の富山観光には最適だと思いました(もちろん晴れの日もオススメ)。
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:「富山ガラス工房開設30周年記念展 Gatheringーつなぐ創造力」
場所:富山市ガラス美術館
会期:2025年3月8日(土)~6月22日(日)
休館日:第1、第3水曜日
開館時間:9:30-18:00
住所:富山県富山市西町5−1
アクセス:富山駅から徒歩で約20分
入場料(一般):1,200円
事前予約:ー
展覧所要時間:約1時間半
撮影:企画展のみ可能
URL:https://toyama-glass-art-museum.jp/
▶︎ 訪問のきっかけ

子供2人と計3人で富山旅行に行くと決まった際、富山県美術館には必ず行きたかったです。その上で、1)世間の評判が良い、2)富山駅から比較的近いため、富山市ガラス美術館にも行くことにしました。
▶︎ アクセス

富山市ガラス美術館は、富山駅から徒歩約20分。富山駅付近は、路面電車やバスが発達しているため、それらを使えば10分ほどで行くことができます。

富山駅付近は、城があったり、川があったり、商店街があったり。街をぶらぶら歩きながら美術館まで向かうのも楽しいです。

▶︎ 富山市ガラス美術館とは?

富山市ガラス美術館は「ガラスの街とやま」を目指すまちづくりの集大成として「TOYAMAキラリ」内にオープン(2015年8月)。同じ施設内の北側には富山市立図書館も入居しています。

設計は隈研吾。外観や内観の特徴的な羽板は、いかにも隈研吾っぽい。ルーバーを含めた外観には、富山県産の御影石、ガラス、アルミなどを組み合わせ、立山連峰を彷彿とさせるデザインとなっています。
▼ 隈研吾による長崎県美術館、角川武蔵野ミュージアムの感想
富山市ガラス美術館は、外観だけでなく内観も特徴的です。

この吹き抜けは、垂直ではなく、斜めに設計されています。これは、南から射す太陽の光を地面まで導き、建物全体に行き渡らせる工夫だそうです。

富山市では明治以降、薬のガラス瓶工場が多く操業しました。太平洋戦争後、廃れたガラス産業を再興しようという動きがきっかけで「ガラスの街とやま」ができあがりました。なお、なぜ「富山=薬」なのかというと、江戸時代前期から富山藩が売薬を中心産業にしていたことによります(詳細)。


▶︎ 各フロア・展覧会の紹介

チケットを購入した際「6階から下に鑑賞していくのがオススメ」と教えてくれたため、その通りにしました。
✔️ 6階

6階には「グラス・アート・ガーデン」があります。ここではアメリカ人現代ガラス作家の巨匠・Dale Chihulyによるインスタレーションが展示。なお、6階は撮影可能ですが、SNSへの投稿は禁止です。
展示されている作品群は、富山市が制作を依頼し、チフーリ本人が来日して設置したそうです。ウネウネした作品を見た瞬間「これ、箱根のガラスの森美術館で見たやつやん!」とすぐに気づきました。
▼ 箱根ガラスの森美術館の様子


富山市ガラス美術館の展示では、特に《トヤマ・フロート・ボート》が印象的でした。実物で見るとめちゃくちゃデカいです。

✔️ 5階

5階のギャラリーでは「佐竹美保原画展ー魔法の世界へー」が開催中でした(2025年2月22日~3月23日、無料、撮影不可)。
SF・ファンタジーの挿絵画家として、児童書を中心に幅広いジャンルで活躍する佐竹美保(富山県高岡市出身)の原画展。この原画展では「魔法」をテーマに、これまで手がけた表紙絵や挿絵が100点展示されていました。

佐竹美保は「魔女の宅急便」や「ハリーポッター」の表紙を描いています。
▼ 『魔女の宅急便』作者・角野栄子の文学館に行った感想
偶然にも私は今、佐竹美保が表紙を描いたハリーポッターの文庫を読んでいます(現在、『不死鳥の騎士団 5−2』)。今読んでいる本の表紙を描いている人の原画展を、旅行先で偶然見られるとは、びっくりでした。

『炎のゴブレット 4-3』のあとがきは、佐竹美保が書いていました。
その中で、表紙を描く時に内容は全部読まない(うろ覚え)と書かれていたことが驚きでした。それ以上の衝撃は、次巻以降の決定的なネタバレが書かれていたこと(Amazonのレビューにも同様の指摘あり)。佐竹美保は悪くないと思いますが、静山社はあまりにも編集レベルが低いです😨
なお、私は過去に「漫画の表紙は無報酬」と聞いたことがあります。
表紙や挿絵はあくまで原稿の追加要素であるため、権利や立場がが一段低く捉われているのでしょうか。
表紙は、何百ページの内容を1枚の絵で表現する技術が要求されることに加え、表紙1枚で、その本を買う・買わないに関わる重要な要素です。時間をかけて内容を全部読んだ上で、1枚の絵に凝縮する作業は「報酬が高くないと効率が悪そうだな」と感じました(本に依りますが、相場は10万円だそうです)。
▼ 表紙や文字レイアウトの面白さを再確認した展覧会@21_21
この原画展では、佐竹美保が表紙を描いた本が無数に展示されていました。佐竹美保がすべて描いているものの、本の性質によってタッチやトーンを変えているのは「さすがだ」と思いました。

5階から3階には、富山市立図書館も同居しています。誰でも入って、本を読んだり、自習ができます。5階は主に参考図書を扱っています。



✔️ 4階

4階では「コレクション展 光の<うつわ>」が開催されていました(2024 年12月7日〜6月1日、撮影不可)。通路壁際の「透ける収蔵庫」の作品は、撮影可能でした。



ガラスと言っても千差万別だと再認識しました。透明だったり、濁っていたり、丸かったり、パキーンと直角だったり。私がガラスアートの面白さに気づいたのは、北澤美術館(長野県)でした。さまざまなガラスアートを見るたびに、その奥深さを少しずつ実感できている気がします。
▼ ガレの作品をメインに扱う北澤美術館
4階の図書館では、主に一般図書を扱っています。



富山市は、ニューヨークタイムズ誌の「52 Places to Go 2025」に選ばれたました。
The Glass Art Museum, which contains a public library and was designed by Kengo Kuma, is a towering cathedral of timber and light.
選ばれた理由は、1)混雑を避けながら文化的な感動とおいしい料理を楽しめる、2)能登半島地震から復興の一環で、観光客誘致に積極的に取り組んでいることらしいです。
✔️ 3階

3階から2階で「富山ガラス工房開設30周年記念展 Gatheringーつなぐ創造力」が開催されていました(2025年3月8日〜6月22日、撮影可)。
この辺りから子供が急激に飽き始めたため、サクサク鑑賞しました。






最近、私の中で最も印象深かったガラスアーティストは三嶋りつ惠です。「TOYAMAキラリ」内に三嶋りつ惠の作品を写したポスターが掲げられていました。しかし、コレクション展、企画展に三嶋の作品はなかったです。
▼ 三嶋りつ惠の展覧会@東京都庭園美術館
✔️ 2階

3階の展示室から、階段で2階の展示室に直接つながっています。



2階のミュージアムショップ付近に「フォトスポット」と書かれた案内がありました。そこから撮影すると以下のような写真が撮れます。

▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?世間的な評価は非常に高かったものの、私にとって、良くも悪くも「普通」でした。それは主に、1)建築は特徴なものの、琴線に触れるほどではなかった、2)アートの展示にストーリー性があまりなかったためです。
一方で良かった点は、1)図書館も同居することで地域の人に愛されるコミュニティとなっていること、2)完全屋内のため、雨の日の観光にも最適だったことです。何はともあれ、富山観光の際にはマストで寄るべきスポットだと思います!
▶︎ 今日の美術館飯


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