【展覧会レポ】CREATIVE MUSEUM TOKYO「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」
【約4,600文字、写真約60枚】
初めてCREATIVE MUSEUM TOKYOへ行き「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」を子どもと鑑賞しました。その感想を書きます。
▶︎ 結論
子どもを含め、ヨシタケシンスケを少しでも知っている人にとって、とてもオススメ!それは主に、1)みんな笑顔になれる、2)作品の制作背景を知れる、3)会場の世界観が非日常的で映える、4)遊べる展示が多いためです。私はヨシタケシンスケについて詳しくなかったため、消化不良だったものの、彼の考え方・生き方に共感をもちました。
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★★★
混み具合:★★★★★
展覧会名:ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ
場所:CREATIVE MUSEUM TOKYO
会期:2025年3月20日(木・祝)~6月3日(火)
休館日:会期中無休
開館時間: 10時~18時
住所:東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING6階
アクセス:京橋駅から徒歩約5分
入場料(一般):2,000円
事前予約:必須
所要時間:1時間半
撮影:全て可能(動画作品を除く)
巡回:東京→秋田→愛媛→高知→山口→鹿児島→茨城→青森
URL:https://yoshitake-ten.exhibit.jp/tokyo/
▶︎ 訪問のきっかけ

私は、ヨシタケシンスケに興味は薄く、絵本も読んだことがなかったです。ただし、子どもが楽しめる展覧会には極力連れて行ってあげたいと思っているため(美術館に対する敷居を下げ、多様性への理解を深めてもらいたい)、子どもとヨシタケシンスケ展に行くことにしました。
子どもは、ヨシタケシンスケの絵本を見たことがあることに加え、学校の教科書でもヨシタケシンスケは表紙を手がけていることから、展覧会に興味をもってくれました。

▶︎ アクセス

CREATIVE MUSEUM TOKYO(以下、CMT)は、京橋駅から徒歩約5分。駅から出て、横断歩道を渡ればすぐそこ(アーティゾン美術館の横)、戸田ビルディングの6階です。
▼ アーティゾン美術館の感想
▶︎ CREATIVE MUSEUM TOKYOとは?

CMTは、2024年11月にオープン。ソニー・クリエイティブプロダクツが運営をしています。天井高5m、面積1,200㎡あり、立派な館長もいます。

ここは「美術館」というより「イベントスペース」という印象です。

柿落としの展覧会は「<鬼滅の刃>柱展」。「ヨシタケシンスケ展」の次は「<僕のヒーローアカデミア>原画展」「大カプコン展」が予定されています。アニメやマンガなどポップカルチャー扱う展覧会がメインのようです。

戸田ビルディングは、1~6階を芸術文化・商業施設、8~12階を戸田建設、13~27階をテナント(味の素本社など)で構成しています。


3階には、タカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリーなど4つのギャラリーが入居しています。
▼ 小山登美夫ギャラリーの感想(六本木)
▼ タカ・イシイギャラリーの感想(六本木)

8階には「 TODAtte?」が入居。完全予約制の無料施設で、戸田ビルのことが分かる企業ミュージアムです。各回10名限定のため、規模は大きくない…かもしれない。

▶︎ 「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」感想

2022年4月、東京・世田谷文学館で開幕し、日本全国で70万人以上を動員してきた「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が、新規の大型体験展示や展覧会オリジナルグッズなどを「たっぷり増量」して東京に帰ってきます!本展覧会では、ヨシタケさんが身の回りのできごとを観察し、小さな手帳に長年にわたって描き続けた膨大な枚数のスケッチをはじめ、絵本の制作過程をたどることのできるアイデアスケッチや原画を多数紹介。


✔️ ヨシタケシンスケって誰?

ヨシタケシンスケ(本名:吉竹 伸介)は、1973年生まれ(現在51歳)。高校の美術部先生の助言から美術系の大学・大学院へ進学。

新卒採用でゲーム会社に入社(半年で退社)。当時から自身が描いていたイラストをまとめて自費出版していました。それが回り回って出版会社にの手に渡り、イラストの仕事を得て、イラストレーター、絵本作家に至ります。


初の出版物から10年目の『りんごかもしれない』(ブロンズ新社、2013年)が大ヒット。現在まで、手がけた絵本は30冊以上(累計発行部数1,000部冊以上)。出版した絵本は、国内外でさまざまな賞を受賞しました。






✔️ 作者の世界観に浸って楽しい!

冒頭で、ヨシタケシンスケが絵本作家デビューする前から、日々描きためたスケッチが展示されています。面白いアイデアは、そこらへんに転がっている。それを忘れないように、思った時にメモ帳に認める。それがヨシタケシンスケのアイデアの源泉になっています。




会場のそこら辺に、本人自筆のポストイットが貼っていあるのは面白いアイデアでした。本人とともに展覧会を作り上げたリアリティを感じます。「安藤忠雄展」でも同様の取り組みがありました。
▼ 安藤忠雄の展覧会@VS.(大阪)

ヨシタケシンスケ展のメイン会場では、作品をセクションごとを分け、制作時のメモや背景、当時の想いが書かれています。

『みえるとか みえないとか』(アリス館)は未読ですが、ヨシタケシンスケがカバー絵を書いた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)は読みました。目の見えない人が行うアート鑑賞なども記載されており、興味深かったためオススメです。
原画が多く展示されていることに加え、ヨシタケシンスケの頭の中を覗くようなキュレーションになっているため、ファンは一層楽しめます。また、来場者みんなを笑顔にしている点は、素晴らしいと思いました。

メイン会場では、体感できる展示も多かったです(りんごを投げる、トゲトゲイスに座る、キャラクターと記念撮影など)。なお、読み物も多いため、一通り遊び終わった子どもは退屈していました。






✔️ たっぷり増量タイプ!
今回はどこが「たっぷり増量タイプ」なのでしょうか?
1)「スケッチの壁」が7,500枚以上に増量!

「スケッチの壁」が、今までは約2,500枚。CMTでは、過去最大の7,500枚以上にパワーアップ。圧倒的な量を見ることで、世界観に浸れます。
2)会場内に森が増量!

CMT会場のみ、会場内に大きな森が登場。「つり輪の森」では、つり輪にぶら下がったり、紙にコメントを書いて、それをシュレッダーで飛ばすことができます。これは『あつかったら ぬげばいい』(白泉社)がモチーフとなっているそうです。

このような体験型の取り組みは、子どもは大満足だったことに加え、大人もみな、童心に帰って楽しんでいました。このような仕掛けは「鈴木康広展」を思い出しました。
▼ 鈴木康広の展覧会@二子玉川ライズスタジオ&ホール





3)絵本の原画は約170枚に増量!

「ヨシタケシンスケ展」は、2022年4月に始まり、14会場を巡回しました。

その間、新しい絵本も上梓されました。そのため、原画コーナーでは最新作も追加され、絵本の原画は約170枚に増量しました。
4)そのほかの展示も増量!

そのほか、さまざまな展示も増量したそうです。

✔️ ファンや「映え」を期待する人向け

全体を通して「アート」というより「イベント」に近いと思いました。また、熱狂した人たちの雰囲気からは、アートを「楽しんでいる」より「消費している」ような印象を受けました。


私は、ヨシタケシンスケにあまり思い入れがなかったため、展覧会に面白さは感じたものの、入場料2,000円の価値は感じませんでした。一方で、ヨシタケシンスケの絵本を読んだことがある人や「映える」イベントが好きな人は満足できると思います。
✔️ 日常に幸せは転がっている

日常での小さな出来事は見落としがちです。しかし、気づいた時に(メモをとったり)心に留めることを続ければ、また新しいものが見えてきます。日常は「普通」の連続であっても、探せば面白いものもあるし、見方を変えれば面白くもなります。敷衍すれば、自分の将来も自分次第です。
私もメモ帳の大切さは分かります。私にとって、展覧会でメモ帳は必須アイテム。大抵の感想は、5秒後に忘れてしまうからです。そのため、何か感想を思いついたら、とりあえずすべてメモ帳に書くようにしています。私は、その中から取捨選択して、noteに感想としてまとめています。


僕は、日常の延長線上にあるささやかな出来事を、「身もフタもないようなことってあるよね」って言いたいんです。逆に言うと、その身もフタもないようなことをちゃんと笑い飛ばすようなことができれば、意外とそれが幸せへの近道になるんじゃないかと思っていて。自分の生き方の肯定に近づくんじゃないかという気もするんですよ。
私が最も気づきになったのは、ヨシタケシンスケさんの人生経験からくる作品にこめた思いでした。ヒット作は40歳になってから。「正解」は世間の共通認識だけではない。何事にも、自分の信念を強くもって進む大切さを再認識しました。

✔️ 来場者の大部分は女性や子ども

料金は大人2,000円、小中学生は1,000円と強気の価格設定。完全予約制をとっているものの、会場内は人であふれていました(CMTは、すでに10万人以上が訪れたそうです)。
お客さんは、若い女性(中学生〜大学生)、子ども連れがほとんど。会場内では「映える」展示が多いため、評判が評判を呼んでいるの…かもしれない。記念撮影、自撮りを行う来館者で賑わっていました。普段、美術館に行かない人が多いためか、展示を見るために行儀よく行列ができていました。
✔️ 子どもは満足した…かもしれない

子ども曰く「吊り革とか、ギザギザのイスが面白かった。最初はつまらなかったけど、どんどん面白くなった」とのことでした。

▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?私はヨシタケシンスケについて詳しくなかったため、全力で楽しめなかったものの、彼の考えに共感できる部分があり、気づきも得られました。また、会場内は楽しい雰囲気で包まれていたことに加え、作品の制作背景が多く展示されていたため、子どもや、ヨシタケシンスケを知っている人にとって、とてもオススメの展覧会です。
▶︎ 今日の美術館飯

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