英語の「もの」(名詞)認識の三層構造について(2)――第一認識:「特定/不特定」
第一認識:「特定/不特定」
英語の名詞における第一の認識は、「特定/不特定」です。
「特定/不特定」とは、言葉の送り手(話し手/書き手)からみて、その名詞を特定できるものとして認識しているか、特定できないものとして認識しているか、という区分です。
特定できると認識した場合には、theで表現をします。
このtheを敢えて日本語に訳すとすれば、「あの例の…」といったところでしょうか。いっぽう、特定できないものと認識した場合には、theは用いません。
たとえば、ここに”I like reading the book.”というセンテンスがあるとしましょう。
I like reading the book.
the bookとあるからには、書き手は「あの例の」本をすでに知っており、特定できると認識をしており、それにあわせて表現をしています。
ただし、これだけでは、読み手のほうが「あの例の」本を特定できるかどうかは、わかりません。
もしも文脈のなかで「あの例の」本についてすでに述べられているのであれば、読み手にもその本のことが特定できるので、問題はありません。
しかし、ただ唐突に出てきたのだとすると、突然、「あの例の本」といわれるわけですから、読み手としては困惑するのみです(深読みをするならば、このthe bookは、たとえば聖書の暗喩という解釈もできないことはないでしょう)。
以上からわかることは、
I like reading the book.でのtheの使い方が「正しい」「正しくない」といった議論には、意味がない
ということです。
重要なことは、書き手がtheに伴う特定/不特定の感覚を正しく認識したうえで、このセンテンスを書いているかどうかにあります。
ところで、どの本ということではなく、たんに本を読むことが好き、という場合には、どうように表現すればよいのでしょう。
それは、“I like reading books.”です。
