私の英語学習50年(74)英文は「構造」が大事
(↑のつづきです)
サイマルといえば英語の達人の集団といって過言ではない。
それなのに、なぜ私のような人間が通用したかといえば、おそらく英語力そのものではなく、その前提となる英文づくりの原理がわかっていたからだろう。
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日本語・英語・翻訳の勉強や英文編集と翻訳の実務を重ねるなかで、私は日本語の文章と英語の文章とでは文章の組み立て方そのものが根本的に違うことに気がついた。
一般に
日本語の文章の組み立て方で大事なのは、文章の「流れ」
である。
したがって文章をつくる際には(もともとは漢詩の作法なのだが)「起承転結」が大事だなどとよくいわれる。
これは、起こして、承けて、転換して、結ぶ、という文章の流れが重要だということである。
たとえば朝日新聞のコラムの「天声人語」などもそうした流れを大事にした文章である。

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一方、
英語の文章の組み立て方で大事なのは、文章の「構造」
である。
文章が理路整然と構築されているかどうかが文章の「流れ」よりも重視される。
例えていえば、日本語の文章が一本の糸からさまざまな綾を織りなしてつくられる着物であるのに対して、英語の文章とは煉瓦を設計図どおりに積み上げてつくりあげる建物のようなものである。
したがって、たとえば「天声人語」をそのままの文章構成で英語にしても、よい英語の文章にはならない。
いくらひとつひとつの英文の表現が優れていても、文章の構造そのものが英語にはふさわしくないからである。
(もちろん文学などの一部の文章では英語であっても「流れ」が重視されるのだが、ここで述べているのはもっと一般的な文章の話だとご理解願いたい。)

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ゆえに
日本語で考えられた何かを英語で表現しようとする場合には、その文章の作り方の原理そのものを「翻訳」しなければならない。
逆に英語で考えられた何かを日本語で表現しようとする場合も同じことである。
この「文章構成原理の翻訳」が、日本語の世界と英語の世界とを真の意味で往来するための第一条件である。
このことがわかっていないと、日本語の文章としての良いものであっても良い英語の文章にするのは難しく、逆もまた同じである。
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