和歌・短歌・俳句の日英翻訳(3)田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける
柿本人麻呂とともに歌聖とよばれる山部赤人の一首。
万葉集でも特に有名な歌です。
原文は
「田兒之浦從 打出而見者 眞白衣 不盡能高嶺尓 雪波零家留」。
さて英語です。
今日からは、おもにアメリカの詩人、Kenneth Rexrothの訳を中心にご紹介していきたいと思います。
Rexroth(1905-1982)は、米国ビート世代を代表する詩人として活躍するとともに、中国や日本などの詩歌の翻訳において大きな功績を遺しました。
私自身はこれまでRexrothについて何も知らなかったのですが、
万葉集の英訳を調べるうちに、Rexrothの
One Hundred Poems From The Japanese
という本に出会い、その素晴らしさに、
たちまちのうちに魅了されてしまいました。
彼の訳詩には解説のような部分は一切なく、
原詩の魅力がダイレクトに英詩として表現されています。
詩は詩であり、
どのような言語であっても詩としての魅力がなければならない
という詩人としての基本姿勢が貫かれています。
I passed by the beach
At Tago and saw
The snow falling, pure white,
High on the peak of Fuji.
くだらない文法解説はしたくないのですが、
saw the snow fallingは知覚動詞構文で「雪が降るのがみえた」。
そのあとの
pure white, high on the peak of Fuji
は副詞句としての位置づけです。
詩では、こうした極限まで切り詰めた表現がよく用いられます。そのため、このような副詞句を用いると、散文でも詩的なイメージが醸しだされます。
ただし、私たち日本人が真似することはやめましょう。うまくいくはずがありません。
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