万人のための哲学入門 佐々木中 草思社
愉し気で軽やかな口調で、映画や美術や戯曲や教育といった身近なトピックをまじえて語られているにもかかわらず、わたしはこの本を、言い知れない不安を感じながら読み進めました。闇の中での恐怖ではなく、白昼でありながら一寸先が見えないとでもいうような。
そして最後の一行。あの数文字に、ふと救われたような気分というか、幸せに近い感覚を得たのですが――ここでまた何かから逃げようとしている自分がいなくもない。たしかめるためにもう一度読まなければいけないと思いました。今度はもう少し落ち着いて。

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