二十一日目 誕生日
最近娘は、"誕生日じゃない日"に凝っている。
それは、テレビで見た、アニメーションの影響らしかった。
「ねぇ、パパ。かりん、誕生日じゃないから、ケーキとお紅茶と、プレゼントが欲しい」
小学校に入学したての娘は、そう言えば、自分の欲しいものが手に入ることを寸分も疑っていなかった。
「んー、そうだな、それはかりんの誕生日が来たときにしよう」
僕がそう諭すと、かりんは口を尖らせて言った。
「誕生日じゃないから、祝いたいんだもん」
「それは困ったな。でも、そうしたら、誕生日はどうするんだ?」
「誕生日も祝ってもらう!」
私は娘の答えに欲張りでわがままだと思いつつ、可愛らしいと感じてしまう。
これは親バカなのだろうか。でも……
「かりん、ケーキとプレゼントは誕生日にとっておこう。そのかわり、今日は誕生日とは違う楽しいことをしよう」
「違う楽しいこと?」
「あぁ、サンドウィッチを作ってピクニックに行こう。車ではかりんの好きな音楽をかけていいぞ。天気がいいからきっと楽しい一日になる」
「じゃあ、かりん、お母さん起こしてくる」
廊下を駆けていく娘を見て思う。
君がいてくれる日常は、誕生日じゃなくても、きっと毎日が特別な日。
