十八日目 写真
「俺、写真あんまり好きじゃない……」
「よく言うわよ、そんなアイドルみたいな容姿して」
「それとこれとは話が違う」
「そんなことないわよ。私なんて写真だと七割り増しブスに見えて困ってるんだから。あぁ、この鏡に写っている顔がそのまま写真に写ったならどんなにいいことか」
私が手に持っているコンパクトを鞄にしまい、ため息をつくと、ハルは呆れたように言った。
「相変わらずだな、お前」
「自分を愛して何が悪いのかしら?」
「別に悪いとは言ってないけど」
ハルは私の幼馴染だ。
家が近所で親同士が仲良いこともあり、高校生になった今でも、タイミングが合えば今日のように一緒に帰ったりする。
中高一貫校で、周りの生徒も私たちの関係性を知っているからか、二人で歩いていてもとやかく言われることはない。
ただハルはご覧の通り、歩く目の保養なわけで、私はいつか後ろから刺されるんじゃないかと密かに心配している。
「優勝者には、何か賞品が出るって聞いたけど」
私が宥めるように言うと、ハルは案の定「……賞品? どんな?」と食いついた。
「さぁ? 最新ゲーム機とかじゃないの?」
「最新ゲーム機」
ハルはそれきり黙り込んで思案しているようだった。
けれど、少ししてからボソッと言った。
「俺……優勝する」
「うん、頑張れ」
あぁハルちゃんは今日もカワイイ。
私の自慢の幼馴染だ。
