四十一日目 一張羅
「真くんって、いつもその服だよね」
電車でたまたま乗り合わせた、同じ学部の女子が言った。
「あぁ……変かな?」
俺は、白いTシャツに黒いデニムを合わせた自分の服装に目をやり、聞いた。
「そういうわけじゃないけど、なんだかもったいないなって」
そう言って、こちらを伺う彼女は、いつ学校で会っても隙のないオシャレコーデで身を固めている。
「まぁ、俺は何着ても似合うからね」
「……自意識過剰」
「でも、そんな俺が好きなんだろう? 君が俺のファンクラブに入ってるってこの間聞いた」
女の子は、耳を真っ赤にした。
「誰がそんなこと言ったの?」
「ファンクラブの子」
彼女はついに黙ってしまった。
「ついでに教えておくと、ファンクラブは抜け駆け禁止らしいけど、君は大丈夫?」
すると、女の子は、足早に去っていく。
やっと訪れた一人の時間。
車窓に映った俺の容姿は相変わらずカッコよくて、思わずため息が漏れた。
