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#13 Restraint makes sweets sweets. ー「甘さ控えめの甘いもの」という甘美な矛盾

​甘いものが好きだ。

だが、砂糖の暴力に殴られたいわけではない。

​ショーケースに並ぶ「甘さ控えめの、甘いもの」。
この矛盾にこそ、大人の美学が宿る。

"A secret makes a woman woman."

(女は秘密を着飾って美しくなる。)

​かつて銀幕の魔女はそう言った。
秘密こそが、女を『女』にするのだと。

​ならば、ここにあるのは以下の並列関係だ。

"Restraint makes sweets sweets."

(甘さ控えめが、甘いものをスウィーツたらしめる。)

​情報を隠蔽(Secret)して魅せるのが女なら、
過剰を抑制(Restraint)して魅せるのがスウィーツだ。

極限まで甘さを削ぎ落とした先にだけ立ち現れる、カカオの苦味やクリームのコクという「真実」。

私は今日も、その甘美な矛盾を味わうために、安くはない対価を支払うのだ。

……と、ここまで格好をつけて書いてはみたが。

​本音を言えば、脳天に突き刺さるくらいしっかり甘いほうが、私は好きだ。

P.S.

そもそも、なぜ我々は糖分を欲しながら「控えめ」などという矛盾した概念を生み出したのか。

それはきっと、後ろめたさに対する「免罪符」が欲しいからだ。

「控えめだから、実質カロリーゼロ」。

そんな甘い言い訳を噛み締めるとき、この矛盾は完成するのだろう。


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