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(74)アブラナ

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アブラナ

日本では「菜の花」という名前でも親しまれているこの植物の原種は
西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生えていた雑草で 、
農耕文化と共に移動したと考えられている。
漢の時代の中国に渡ると栽培作物となり
多様な野菜を生むようになった。
そういった成り行きで東アジアでは古くから栽培されてきているのだが、

日本ではというと弥生時代以降から利用されたとみられる。
本来は「菜」つまり葉物野菜として利用されていた。
また
古事記では「吉備(きび)の菘菜(あおな)」
万葉集では「佐野の茎立(くくたち)」
として登場し
花芽(かが)、または、はなめとも読むものについても、延喜式という古い記録にも記されている 。
江戸時代には油を取る目的として栽培され、
それは菜種油と呼ばれた。

なぜ
油を作る植物がいるのだろうかと考えた時
それは、発芽のエネルギーと関わりがあることがわかる。

植物によって発芽に使うエネルギーは様々で、
例えば
炭水化物をエネルギーにするイネ、
タンパク質をエネルギーにするダイズ
油、つまり脂肪をエネルギーにするトウモロコシやゴマ
そして、このアブラナなどがある。

植物としては、たくさんの種を確実に発芽させれば、それだけ生存競争は有利になる。

脂肪は、炭水化物やタンパク質に比べて
同じ体積でも2倍以上のエネルギーが含まれている。

つまり、脂肪を発芽エネルギーにすると、発芽率の高い小さな種をたくさん実らせることが可能なのだ。

ではさらに追求してみよう。
なぜ、すべての植物が脂肪を発芽エネルギーにしないのか。

それは、脂肪のようなエネルギー効率の高いものを作り出し、ため込むことには
たくさんのエネルギーを必要とし
親の植物にとって、非常に重い負担となるからだった。

その負担を乗り越えて、油を作る仕組みを体の中で進化させ
繁栄した植物たちがいるわけなのだが、そのぎゅっと詰まったエネルギーを
燃料に、食べ物に、その他いろいろな加工品にと、
様々な形で、こんなふうに大量に利用する「人間」というものが現れるということは、植物たちも考えになかっただろう。

その無限大のエネルギーに私たちは、今日も支え続けられている。

油を使った料理、大量ではなくても
少量の油でもいい。
普段は頭の片隅にもないような
この花の進化に感謝をしてみてはいかがだろうか?

ナレーション台本化協力
人外薙魔様 Special Thanks!

◆参考文献

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