高田公園の花見で迷子|新潟県上越市|上条デイズ#8
幼かった頃、上条靖之は
両親と一緒に、花見に行った。
今でも覚えている、
忘れられない出来事。
恥ずかしいことに、
高田公園で迷子になり、
放送で両親を呼び出した。
確かに、幼いころは落ち着きがなかった。
保育園内を徘徊し、先生によく叱られた。
お昼寝の時間も寝ないで、先生を困らせた。
上条が迷子になるのは、
両親もわかっていた。
いわゆる織り込み済みというやつ。
だから、迷子になったら、駐車場の車に戻れ。
車のカギは開けておく。
よくできた親心だったと思う。
ただ、誤算だったのは、上条が迷子になった時。
隣の車のドアを、開けようとしていたこと。
そして、開かなかったこと。
開かなかった瞬間を、親切なおばさんに見られたこと。
親切なおばさんは、
上条を迷子案内所に連れて行った。
上条は恥ずかしかった。
知らないおばさんに手をひかれるなんて。
放送で名前を呼ばれるなんて。
桜を見るたびに、上条は思い出す。
自分が、だいたい想定内の子どもだったことを。

