ジゴクダイバー 2


◆バックナンバー◆

※ライオンマスクからのお知らせ※
この記事は課金記事となっていますが、本編は無料で全て読めます。おたのしみください。




「ひとの罪に限りがないなんて、そんなことないはずだよ」
リサは言った。太陽の光があたたかい昼だった。
「もうすぐ、私の理論が証明されるはず。きっとみんな驚くよ」
あたたかいのは彼女の笑顔だった。





【通告:覚醒せよ。30秒後に『鬼』と会敵。覚醒せよ】微弱な電流で目覚める。アーマー越しにも感じる風速。凍えるような寒さ。


こうして起こされるのももう慣れた。何度聞いても落下距離はいたずらに伸びていくだけなので、聞くこともやめた。


夢を見ていた気がする。起こされて、『鬼』を切り、また眠る。その繰り返し。どちらが夢でどちらが現実か、わかったもんじゃない。

「情報開示」【蜘蛛型。多数】「多数?」俺は見下ろす。いつもと同じ闇、ではない。よくみると蠢いている。穴を一面埋めるように鬼がみっしりといる。バイザーが各個分析をはじめたので黙らせる。唯一の武器、ナイフでは処理できないだろう。【ドリルの使用を許可。3秒後に右手を前方に、カウントダウン

3

2

1

ドリル・オン】下方にある『鬼』に止められた落下者の死体。まだ生きているそいつのコンピューターに命令が飛ばされ、装備していたドリルが射出される。持ち主を失った物は罪の引力を失い、射出の慣性で急上昇。落下する俺の手の中に計算されたタイミングでおさまる。
「ドリルオン確認。起動」【ドリル起動】俺の『風車』と動力接続し、回転しはじめるドリル。【会敵カウントダウン】「忙しいな」【

3

2

1

会敵】俺の存在を知覚して、一面の闇が集まってくる。その密度に、ドリルを突き立てる。『風車』はドリルの数倍の出力で逆回転。落下の速度と回転ベクトルが『鬼』の密集を穿孔していく。

ギュ



多い。




敵意のある水の中にいるようだ。






虚空を落ちていくよりましだろうか。





【警告:損益分岐点。出力停止予告。カウントダウン】「おい待て、まだあるだろ」【エネルギー収支計算によりこれ以上の出力は許可できない。10秒後に停止】俺は思い出す。これは刑だ。間接的な死刑だ。損になるならそこで終わりだ。【10

9

8
「うぉおおッ!さっさと終われッ!」喉が焼かれる。声など久しぶりに出した。
7

6

5
「あああああッ!!」叫びはバイザーの中で響くだけだ。
4

3

2

】突然視界がひらけた。鬼が消えた、下からの攻撃で。下から?!目の前を物体が通過しバイザーをかすめ警告が表示された。補正された視覚がそれを認識する。槍、ちがう、銛。

「ああごめん、カスったあ?」間延びした声が、スピーカーから聞こえる。通信、あるいはハッキング。


「おヒサでさあ、生きてる人間」女とも男ともわからない声。主は、少し下方にいた。


枯れた喉で発した言葉は、

「どうやって?」


旧式アーマー。小柄な体だ。そいつは俺の落下速度にあわせて落ち始めた。


「死ぬの。そんで投げる。いまは半分ぐらい死んでる。きみ、わりと『重い』ねえ?」

笑うのがわかった。

「きみさぁ、なにやったの、上で」

【続く】

ジゴクダイバー:設定ファイル①(課金コンテンツ)

ここから先は

242字

¥ 100

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

サウナに行きたいです!