現代アート投資を考えてみる①(日経新聞の記事から)
7/6付の日経新聞に
「メガバンクが美の競演、見据えるアート8兆円市場 インフレで再注目」
という記事がありました
この記事をもとに現代アート投資について考えたいと思います
記事の要約と解説
3メガバンクがアートに接近している。現代アート展、伝統工芸支援、芸術大学とのコラボ――、アプローチに三者三様の個性がにじむ。欧米に比べて低迷してきた国内アート市場はインフレで再び注目を集め始めた。3メガはアート作品の展示などで結びつきを深めながら金融サービスでの活用を探っている。
とあるように、三井住友・三菱UFJ・みずほのメガバンクグループが将来的に金融サービス提供も視野に入れてアートに力を入れだした、というのが記事の内容です
3メガバンクの取り組みについて記事では
・三井住友は本社でのアート展の様子
・三菱UFJは大阪での工芸展示
・みずほは銀行の会津支店で開いたワークショップで作成したのれん
を写真付きで紹介しています

東京都内で仕事をしている私は、大手町にある三井住友銀行東館で美術品等が展示されている様子を実際に目にしたことがあります
オークション落札額は10年で7倍
3メガの視線の先には再び活性化し始めた国内アート市場がある。SBIアートオークション(東京・江東)によると、同社の手掛けるオークションの24年の落札総額は60.1億円で22年(69.3億円)に次いで歴代2位だった。10年前と比較すると約7倍に膨らむ。若い人も関心を持ち始めており、24年の落札者は53.3%が40代以下だった。
スイス金融大手UBSなどがまとめたアートマーケットレポート2025によると、24年の世界のアート作品の売上高は約575億ドル(約8兆3500億円)だった。日本は1%に過ぎないが、「日本が世界の国内総生産(GDP)の4%を占めることを考慮すると、潜在力は大きい」(三井住友FG)との見方がある。
24年は欧米や中国などの売上額が頭打ちとなる中、日本は「前年同期比で売上が2%増加した数少ない市場」(同レポート)だった。
この記事から、次の気づきが得られました
オークションにおける落札者の年齢は、40代以下が半分以上と想像以上に若かったです
プレーヤーが若いと息の長い投資対象となる可能性があります(=投資対象として定着する)投資の世界では、欧米で起きた事象は日本でも起きます
すなわち、日本でも投資対象としてのアートが根付く可能性は十分あると思います
インフレに強いアート資産
日本にインフレが定着しつつある中、モノである美術品はインフレに強いオルタナティブ資産(代替資産)としての側面が注目される。値上がりすれば売却益によるキャピタルゲインが狙え、所有しつつ鑑賞して楽しめる。
美術品投資や美術品を担保とした融資、信託、プライベートバンキングでのアート作品の管理助言といった金融サービスとのシナジーもある。3メガはアートの市場拡大を後押ししつつ結びつきを深めようとしており、水面下ではアート関連を取り扱うファンド設立などを模索する動きもあるようだ。
投資と社会貢献などでアートを購入する富裕層が多い欧米では銀行とアートの距離はより近い。銀行が専門のアート部門をもうけ、美術品売買や保管支援といった総合サービスを提供している。
日本でもバブル期に高額な西洋絵画などを購入する動きが広がった。当時の市場規模は1兆円を超えていたとの見方もある。しかし、バブル崩壊による値崩れで多くの人が損失を出し、その後は低迷が続いてきた。
現代アート作品の資産運用助言などを手掛けるTRiCERA(トライセラ、東京・港)の井口泰最高経営責任者(CEO)は「アート市場が再び活性化するには価格や取引の透明性を高めていくことが重要だ。アートファイナンスも根付かせていく必要がある」と指摘する。
この記事から、次の気づきが得られました
アート投資はインフレに強いオルタナティブ資産に投資する、といえます
アート投資は新たな投資という側面がある一方、金融機関側にも大きなメリットがありそうです
ですので、ビジネスとして儲かりそうと判断されれば金融機関は一気に商品開発や販売を強化すると思いましたバブル期における西洋絵画の投資ブームのメインとなる投資家層は、今はいないと思われます(引退しているか、お亡くなりになっているか)
一方で、先の記事ではオークション参加者の半分以上が40代以下だとありました
バブル期と現在とでは投資家層が完全に入れ替わっていますので、大損したという経験は過去のものとなっています(それは供給する側である金融機関でも同じことが言えます)
オルタナティブとは
以上、日経新聞の記事からアート投資について考えてみました
その中でオルタナティブという言葉が出てきましたので、少し解説します
オルタナティブとは代替のという意味です
ですので、オルタナティブ資産=代替資産となります
株式や債券を伝統的資産というのに対して、オルタナティブ資産は非伝統的資産といいます
株式や債券の伝統的資産とは異なる値動きが期待できますので、分散投資先としてオルタナティブ資産は活用されています
noteにオルタナティブについて書いた記事がありますので、ご参照ください
現代アート投資を考えてみる
さて、この記事では最初から最後まで「現代アート投資」と「アート投資」を区分してお話ししてきました
日経新聞の記事については「アート投資」が主となります
一方で、考察したいテーマは「現代アート投資」です
「アート投資」の中でも、記事にもありましたピカソとかゴッホとかの高額な西洋絵画ではない「現代アート投資」が今後の主流になるものと考えます
「アート投資」が盛り上がりそうな要因について、今まで解説してきましたが、その中でもなぜ「現代アート投資」なのかについては、後続記事「現代アート投資を考えてみる②」で解説しています
あわせて、そもそも現代アートってどこで買えるのか?という投資家目線での説明もしていますので、ぜひご覧ください
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