ベトナム少数民族・タイ族文化「テトシプシー」
シンチャオ!こんにちは!JICA海外協力隊としてベトナム・ラオカイ省チュンタム地区(旧イェンバイ省ギアロー市)で活動中のスズキです。
先日、タイ族(Dân tộc Thái)の「テトシプシー」という日に招いていただいたので、その時の様子についてご紹介します。
テトシプシーとは
Tết = 正月 / 節日
Xíp xí = タイ族の言葉で「14」
テトシプシー(Tết Xíp Xí)とは、タイ族にとって日本のお盆にあたるような特別な日で、ご先祖様を迎える大切な行事です。毎年旧暦の7月14日に行われ、今年(2025年)は9月5日(金)でした。
ベトナムで「Tết」と聞くと「正月(旧正月)」というのが一般的だと思いますが、本来「正月」という意味だけでなく、旧暦に基づく伝統的な節日(行事の日)全般を指すそうです。
タイ族にとって、かつて最も大きなテトはこのテトシプシーであり、家族や地域で盛大に祝われてきました。現在では、ベトナム全体の文化に合わせて旧暦1月1日の「テト(Tết Nguyên Đán、旧正月)」を祝うようになっていますが、テトシプシーは現在も続いており、タイ族の人々にとって祖先を敬い、絆を深める大切な日として守られています。
ちなみに、ベトナム人にもお盆のような日(Lễ Vu Lan)があり、テトシプシーの次の日(旧暦7月15日)だそうです。
テトシプシーの過ごし方
私がお邪魔したお家では、ご先祖様をお迎えする為に料理を作り、果物やお酒と一緒にお供えしていました。
実際には、テトシプシーでは供え物を用意し、「先祖を祀る」「妻の両親を祀る」「田を祀る」「水牛の魂を祀る」など、多くの儀式があるそうですが、今回は私が見た場面のみ写真と共にご紹介します。
ちなみに、今回見てないのですが、「水牛の魂を祀る」については、タイ族が水牛を「財産の基本」と考えているためだそうで、テトシプシーでは水牛の霊が健やかであるように祈るそうです。




女性の先祖を祀る
タイ族の仏壇のようなものは、男性のものが家の中にあり、女性のものは庭にあります。


お供え物の中には、ご先祖様が帰って来た時に着るための服や靴などもありました。これらは紙で作られており、お祈りが終わった後に燃やします。
村のイベント

今年は開催されませんでしたが、昨年は村の人々がNhà văn hóa(日本の公民館のような場所)に集まり、イベントが行われていました。イベントでは老若男女問わず多くの方々が集まり、タイ族の伝統的な遊びをしていました。
テトシプシーの特別な食べ物

バインシプシー(Bánh Xíp Xí)は、テトシプシーの際にご先祖様にお供えするために作られる特別な食べ物です。大体テトシプシーの前日(旧暦7月13日)に作る家が多いそうで、食べる際はもう一度蒸し、温めて食べます。



バインシプシーは餅米の粉から作ります。中にはピーナッツや緑豆、黒砂糖などを混ぜた餡が入っており、もちもちしていて甘くて美味しいです。
テトシプシーが終わると、みんな作ったバインシプシーを配るので、私もあちこちでいただきました。どこで食べても味はほとんど同じでした。
ちなみに・・・前回の記事で紹介した「Bánh chó(バインチョー)」と同じく、バインシプシーにも「バイン」がついています。有名なベトナム料理の「バインミー」にもついているので聞いたことがある方も多いのでは!
「バイン」は、ケーキや、餅、パン、お菓子など、粉もの系や炭水化物系の食べ物全般のことを指します。
最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
タイ族ならではの文化「テトシプシー」。祖先を敬い、家族や地域の絆を深める大切な一日であり、地域に根づく文化を理解する貴重な経験になりました。
↓↓ わたしの任地チュンタム(旧ギアロー)🌾🐃
