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テルミニ駅近くのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂が美しすぎる!

【ローマ旅行記】(13)テルミニ駅近くのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂が美しすぎる!

今回の記事ではローマ・テルミニ駅近くにある聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂をご紹介する。

地図にあるようにこの聖堂はテルミニ駅からも徒歩で簡単にアクセスできる。

サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂 Wikipediaより

テルミニ駅至近に位置するこの教会であるが、実はこの教会、とてつもなく古い歴史を持っているのだそう。

石鍋真澄氏によれば、「聖母を「神の母」と宣して聖母信仰を認めたのは四三二年のエフェソス公会議だったが、このサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂は勝利を記念して、聖母に捧げるべく建てられた、いってみればキリスト教世界に無数に存在する聖母の聖堂の長といえる聖堂」なのだそう。

つまり、公式な聖母マリア信仰の始まりがこの教会であり、全世界の聖母マリア教会の長たる存在がこの教会だったのである。

たしかに聖母マリアの教会は世界に無数にある。しかも単に無数にあるだけでなくその規模も桁外れに大きいものもある。私も訪れたポーランド、クラクフの聖母マリア教会はその最たるものだろう。

それら多数の聖母マリア教会の中でもこのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂がそのたる存在だったというのには驚いた。

そして石鍋真澄は続ける。

ローマの四大バジリカは第一が救い主キリスト、第二が聖ペテロ、第三が聖パウロ、そして第四が聖母に捧げられた聖堂だったのである(念のため、これらのバジリカの名称を記しておくと、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂、サン・ピエトロ・イン・ヴァティカーノ聖堂、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂である)

これらローマの四大バジリカのうち、当初のまま残っていたサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂が、一八二三年七月一五日夜の火災によって再建を余儀なくされたので、現在ではサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂が往時の面影をもっともよくとどめた聖堂となっている。

しかもこの聖堂は、皇帝によって建造された他の三つのバジリカとは異なり、それから約一世紀のちに、教皇によって公的に建設された最初のバジリカである。その点でも大きな歴史的意義のある聖堂であり、カトリック信者だけでなく、ローマの歴史と美術を巡礼する者も、必ず訪れなければならない聖堂だといえよう。

※スマホ等でも読みやすいように一部改行した

吉川弘文館、石鍋真澄『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』P181

ラテラノ聖堂、サン・ピエトロ大聖堂、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂と、ローマには4つの聖堂があり、これがローマの4大バジリカとされている。ラテラノ聖堂は以前当noteでも紹介した。

そして石鍋真澄が「教皇によって公的に建設された最初のバジリカである。その点でも大きな歴史的意義のある聖堂であり、カトリック信者だけでなく、ローマの歴史と美術を巡礼する者も、必ず訪れなければならない聖堂だといえよう」と述べているのは注目だ。

私はこの旅に出る前にローマを学んで初めてこの聖堂の存在を知ることとなった。なにせローマは見るものが多すぎる。すべてを網羅するには膨大な時間が必要だ。テルミニ駅近くにこんなにすごい聖堂があったとは思いも寄らなかった。恐るべし、ローマである。

石鍋真澄の解説を聞いたところで、私もいよいよこの聖堂を見ていくことにしよう。

こちらが聖堂の正面。パッと見た感じは周りの建物ともそれほど変わらず、これが本当に教会なのかと思うほどであった。

ちなみに正面の道の突き当りがテルミニ駅。駅から見える位置にこの教会はある。思っていたよりもかなり近くに感じた。

そしてこれがサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の内部。私もここに足を踏み入れた瞬間驚きで一瞬息が止まってしまった。こんなに美しい場所だとは想像もしていなかったのだ。この整然とした列柱、聖堂内のシンプルな構造、さらに天井や柱の上の四角い装飾にいたるまで非常に美しい。

「サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の身廊に入ると、訪問者は古代世界に運び込まれたような気がする。それはキリスト教の聖堂であろうか、それとも哲学者たちがその叡知を諭すアテネの回廊であろうか。そのアーキトレーヴを支えるイオニア式の美しい列柱、その偉大な水平線、その広々とした空間は、清澄さと平和を表現している」という石鍋真澄の言葉がまさに体現された空間だった。

たしかに他の大聖堂とは何かが違う。「アテネの回廊」という表現はなんと絶妙な表現だろう。哲学的で整然とした空気感をたしかに感じるのである。

ここの中央祭壇を見て私はサン・ピエトロ大聖堂のベルニーニ作のバルダッキーノを連想せずにはいられなかった。

バルダッキーノ

似ているどころではない。そっくりだ。

調べてみると、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂のバルダッキーノはベルニーニより後の作品のようで、明らかにその影響を受けたものだそう。こうしたものまで見られるとは全く想像もしていなかった。

そしてこの聖堂では他にも数々の貴重なモザイク画も残されており、文化的に非常に重要な場所となっている。

そしてこうした文化財だけでなく、この聖堂は信仰の場所としても今なお大切にされているとのこと。石鍋真澄の解説を見ていこう。

このように建築と美術の遺産によって貴ばれるサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂だが、単にそればかりでなく、ローマの信仰生活において重要な役割を果たしている点も忘れてはならないだろう。

教皇庁の儀式が多く行われるサン・ピエトロやサン・ジョヴァンニといった大聖堂とくらべると、このサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂はより実質的な宗教活動が展開される場という感じを受ける。

私は幾度かこの聖堂で、ローマと近郊の病院から連れてこられた、車椅子の病人たちのためにミサが行われるのを見かけたし、また夕方ともなると、ミサに参列する庶民や各国の巡礼者たちで聖堂の椅子がすっかり埋まることもある。

また、パオリーナ礼拝堂には聖ルカの直筆になると伝えられる、ローマでもっとも信仰を集めた聖母子像が安置され、一方、主祭壇の下には、生まれたばかりの幼子イエスが寝かされたという「かいば桶」が、ヴァラディエ設計のみごとな銀製のケースに収められており、これらに手を合わせる人の姿も絶えることがない。
※スマホ等でも読みやすいように一部改行した

吉川弘文館、石鍋真澄『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』P190

単なる古の歴史建造物としてではなく、今も生きた信仰の場として大切にされているのがこのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂なのだ。

ローマはこうした聖堂が今もなおいたる所にある。ふらっと入った教会の美しさに圧倒されたり、信仰の場としての雰囲気に頭が下がったり、それこそどこへ行っても驚きに満ちた体験となる。じっくり見尽くそうと思ったらいくら時間があってもまず足りない。

何度も言うがこの聖堂はテルミニ駅からかなり近い。来ようと思えばアクセスは容易なのでローマ滞在の折にはぜひ訪れてみてほしい。非常に素晴らしい聖堂なのは間違いない。

続く

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主要参考文献
吉川弘文館、石鍋真澄『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』

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