「ナイル物語」〜側溝で見つけた命の輝きをあなたへ〜
「寄り道カフェnairu」へようこそ。
今日はうちの子、ナイルの話を聞いていただけますか。

夜間専従の訪問介護をしていたあの夜、同僚のムッちゃんがいきなり声をあげました。
「ねぇ、今、目が光らなかった?」
「え、見てないよ……」
「絶対にいたから戻って!」
「いたからって、タヌキじゃない?」
「巡回に遅れるからダメ」
「いいから、早く!」……。
そんな押し問答の末に車を降りて、夜の闇を覗き込んだんです。
「いた!ほら、ここ」
近寄る私の前には、深い側溝の中から、小さな子猫がちょこんと首だけを伸ばしてこちらを見ていました。それが、私とナイルの最初の出会いです。
この時、痩せて目立っていた目と細い長い耳が、まるでスフィンクスみたいに見えたんですよね。
(エジプト=ナイル、です😂)

事務所に連れ帰り、急場凌ぎの保護支度をして仕事に戻った私たちですが、案の定、うわの空の時間をやり過ごしていました。
あの時の彼女の勢いは、本当にすごかった。仕事終わりにそのまま自宅へ招かれ、「これ使いなさい」とキャリーやトイレを一式持たせてくれました。まるで「あなたが飼うしかないでしょ!」と言わんばかりの勢いで。
「え、私が……?」
「あんた、今、猫いないでしょ!」

実はその時、彼女は私が15年連れ添ったhiro君を亡くしたばかりだとは知らなかったんです。もう二度と飼うことはないと思っていた私の背中を、彼女がこれほどの力強さで押してくれなければ、ナイルはうちの子にはなっていませんでした。

あれから、もう18年。
大きな病気もせず、今は左目の目やにや、たまの便秘に下痢……そんな「老猫あるある」を、ナイルは今日も淡々と乗り越えてくれています。

あの日あの場所でこの子を掬い上げたのは、私にとって最高の運命だったのだと、今ならはっきり言えるんです。
あなたの、かけがえのない1ページを読み返して、あなたの胸がふわっとあたたかくなったていたら、その温もりを、たいせつに大切にしてくださいね。
それでは、また。
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