最も信頼できるビジネスパートナーを選びたい!! 〜PMが知るべき選定プロセスの王道と裏事情〜 #PM奮闘記 10
はじめに:信頼だけでは守れない納期と品質
こんにちは。HASエンジニアです。
「長年の付き合いがあるから、大丈夫だろう」
そんな“信頼”を前提に選定した取引先が、プロジェクトの要となる試作部品の納期を2か月も遅延──。
この経験をもとに、前回の記事では「信頼よりプロセス」を軸にした選定の重要性についてお話ししました。
今回はその具体的な対策として、ビジネスパートナーである”サプライヤー(部品・サービスなどの取引先企業)”を決めるためのプロセスをどのように活用すべきかを整理しつつ、
実際の現場で自分が直面した生々しい内容を綴った“裏事情”についても率直に共有します。
本記事は以下の方に有益です。
新製品や量産案件でベンダー選定・調達プロセスに関わるPM/調達担当者の方
「RFI/RFP/RFQ」という言葉は知っていても、実務でどう使うか不安な方
入札・選定に関わる営業/調整担当、およびビジネスマンの方
裏事情は有料となっていますが、無料パートだけでも確実に実務に役立つ内容です。
ぜひ、まずは無料パートをご覧いただき、続きの判断材料にしていただければ幸いです。
このように私はプロジェクトマネジメント、海外ビジネスなどの記事を発信しています。今後ともよろしくお願いします。
自己紹介記事はこちら
1:ビジネスパートナー選定プロセスの王道
プロジェクトマネジメントの国際標準「PMBOK(ピンボック)」には、プロジェクトに必要な製品やサービスを外部から調達する際に活用する「調達マネジメントプロセス」が定義されています。
その中でも、調達を成功させるうえで最も重要なのが、外部パートナーをどのように選ぶか?というステップです。
ここで登場するのが、
RFI(Request for Information):情報提供依頼書
RFP(Request for Proposal):提案依頼書
RFQ(Request for Quotation):見積依頼書
という3つの調達文書です。
この言葉だといまいちピンとこないと思うので、”note有料記事を探す”ということを例にプロセスを説明したいと思います。
RFIは「どんな有料記事があるのか?」を知る情報収集です。
RFPは「その有料記事を買うと自分にどんな良いことがあるのか?」の見極めをします。
RFQは「その有料記事はいくらかかるのか、買って得するか」という費用対効果を出します。
調達や購買と聞くと、価格交渉ばかりに注目が集まりがちですが、本当に重要なのはこの「選定までのプロセス設計」です。
このプロセスを正しく設計・実行できるかどうかが、プロジェクトの成功と失敗を分ける――それは、PMBOKでも実務でも変わらぬ事実です。
では、ここからはこの3つの文書(RFI・RFP・RFQ)を、実際のプロジェクト経験とともに具体的に見ていきましょう。
1-1. RFI(Request for Information 情報提供依頼)
──まずは“広く”情報を集める
目的:自社の要求を満たすサプライヤーにどんな選択肢があるか、候補を洗い出します。
確認すべき情報:
規模や所在地
製造設備、量産能力
類似製品の開発・納入実績
当社要求の実現可能性
財務的な健全性(上場・資本構成など)
初期段階では「網羅性」が重要。ここで候補を広く拾っておくことで、後工程での見落としを防ぎます。
会社の強み・弱み、さらには財務や主要事業との関連性なども確認しておくと安心です。
実はある部品サプライヤーが事業を突然撤退して、当社製品まで波及し、設計変更を余儀なくされた経験があります。
”事業継続性”という観点でも評価をしておく必要があります。
最初は10社くらい候補に挙がり、ここで見込みがありそうな数社(4~5社)を候補に次のステージに進みます。
1-2. RFP(Request for Proposal : 提案依頼)
──取引先の“体制”を見極める
目的:詳細提案を求め、事業パートナーとして足り得るかを見極めます。
見るべきポイント:
実現可能案
納期対応
価格レンジ
品質管理体制
生産能力(設備、サプライチェーン)
補足:コロナ禍以降では「安定した生産能力」が特に重要視されました。
当時はロックダウン、さらに人手不足も相まって部材が全く手に入らないケースが頻発しました。
部材調達難から納期が「1年」先になるケースもあり、優先順位を買うため定価の数倍で部品を購入せざるを得なかった経験もあります。
注意点:提案書だけでなく、対面でのヒアリングが不可欠です。提案書には書かれない“誠実性”や“融通力”、そして”対応力”を見ます。
ここで数社に候補が絞れるため、各社ごと、各項目ごとにポイント化します。ポイントが最も高いサプライヤー2社程度を選定します。
以下の表はサプライヤーの比較表になります。
単純計算だとA社とB社が最終候補に挙がりますが、プロジェクトで何を優先するかによって重み付けを変える場合があります。(例えば納期、コストなど)
低い部分はリスクとして扱いますが、この後の交渉でこのリスクをどう埋めていくかをさらに詰めていきます。

1-3. RFQ(Request for Quote:見積依頼)
──最後はお金と条件で詰める
目的:コストの妥当性、契約条件の最終確認をして、サプライヤーを決定します。
交渉ポイント:
開発初期費用と量産単価を交渉します(フォーキャスト:年間販売見込みにより価格戦略が変わる)
量が見込めると判断されれば開発費を量産単価の中に含め、継続的な利益としてきます。
少量だと、開発費を早めに回収できるよう高めに取ってくる
注意点:
試作・開発・量産をトータルで見積もる必要があります。
フォーキャストとサプライヤーの戦略を見極め、妥当な落とし所を探ります。
ここで一概に価格が安いメーカを選ぶわけではありません。
当社の事業に対するサプライヤーの依存率(当社製品にそのサプライヤーの部品が何%含まれるか)も重要な要素です。
そのサプライヤーに頼りきりになってしまうと値下げ交渉、納期交渉もうまくいかないからです。
少々高くても当社のリスク分散、交渉力確保のためにあえて別のサプライヤーを選ぶこともあり得ます。
このような形で最終的に1社が選定されます。(Awardingとも言います)

いかがでしたしょうか?
この章で紹介した内容は、どれも私が実際のプロジェクトで使ってきた選定プロセスの「基本の型」です。
もし今、あなたの現場で選定や調達に悩むことがあれば、きっと役に立つはずです。
※ここからは有料部分になります※
ここでは、実際に私が経験した「教科書では語られない選定の裏側」を2つ紹介します。
単なる知識ではなく、実務で再現できるアプローチをまとめています。
「あなたならどう乗り越えますか?」という視点で読んでみてください。
※ここまでが無料で読める範囲です。
続きでは、現場で自分が経験した問題について2つの視点で語ります。
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