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DAY39 朝      「『谢谢』の一言で気づいた、当たり前じゃない現場」

今日は出張のため、朝も夜も走れない一日。
いつもなら「どんなに忙しくても5分だけ走る」が自分のルールだけど、今日は物理的にそれができない。
だからこそ、今日は“走れない朝”に何を考え、何を感じたかを、言葉にして残しておこうと思う。

昨日は、現地での商品確認のために、お客様のご自宅へ伺った。
結論から言うと、かなり考えさせられる現場だった。

中古で購入された、比較的大きなご自宅。
そこには、私たちが扱っている自社製品が設置されていた。
ただし、それは約30年前の製品。
電気錠が付いていて、暗証番号式。
中古購入のため、当然ながら暗証番号の設定ができず、「どうにかしてほしい」というご相談だった。

ここまでは、正直よくある話だ。
問題は、ここからだった。

お客様は、日本の方ではなかった。
中国の方だった。

現地に到着して、最初に感じたのは、
「何を言っているのか、まったく分からない」という現実。

実は大学時代、ほんの少しだけ中国語を専攻していたことがある。
教科書の中国語、試験のための中国語。
でも、現地で浴びる“生の中国語”は、まったくの別物だった。

頭の中で知っている単語と、耳から入ってくる音が、まったく結びつかない。
言葉が分からないというだけで、
普段なら当たり前にできている仕事が、驚くほど前に進まない。

説明ができない。
確認ができない。
こちらの意図が伝わらない。

「仕事ができない自分」になったような感覚すらあった。

そこで頼ったのが、ボディーランゲージとジェスチャー。
身振り、手振り、表情。
図を描いて、動作を示して、何度も確認して。
時間はかかったけど、なんとか現場対応を終えることができた。

最後に、お客様が言ってくれた一言。

「谢谢(シェイシェイ)」

中国語で「ありがとう」。
その一言を聞いた瞬間、正直ホッとした。

ただ同時に、強く感じたことがある。
それは、
日本はもう、日本人だけが住む国じゃない
という現実だった。

頭では分かっていた。
ニュースでも、データでも、何度も目にしてきた。
でも昨日は、それを“現場の肌感覚”として突きつけられた。

今まで自分が「当たり前」にやってきた仕事。
その当たり前は、
「日本語が通じる」という前提の上に成り立っていた。

でも、その前提は、これから確実に崩れていく。

昨日は、たまたまボディーランゲージで何とかなった。
でも、毎回それで乗り切れるとは限らない。
もっと複雑な説明が必要な場面もある。
安全に関わる内容もある。

そう考えると、
語学スキル、あるいは翻訳ツールを含めた“準備”は、
もはや特別なものじゃなく、仕事の一部なんだと思った。

Google翻訳を使う。
翻訳アプリに慣れておく。
簡単なフレーズだけでも覚えておく。

やらない理由は、もうない。

昨日の出来事は、正直言って楽ではなかった。
でも、間違いなく大きな気づきと学びだった。

「今までの当たり前は、当たり前じゃない」

この感覚を、現場で体感できたこと自体が、
自分にとってはプラスだと思っている。

今日は走れない。
でも、いつも通り朝は来た。
そして、こうして言葉を残すことはできた。

それだけで十分。
これで今日一日をスタートさせようと思う。

それでは、行ってきます。




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