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ブルーとオレンジのあいだに

夏休み、おじいちゃんの家に遊びに行った時、ラジオ体操は近所の公民館だった。私と妹はラジオ体操カードを埋めるためのハンコが欲しくて、慣れない公民館へとおじいちゃんと共に向かった。

公民館には、見知らぬ小学生しかいない。
「誰あれ?」と無言でよそ者をジロジロと見る視線が痛い。
でも、それに耐えながらラジオ体操をした数日間。
まだ薄暗い九州の朝は、気まずい我慢の思い出。

大学の受験生、美術系予備校の課題が出る。
毎日高校へ行って、予備校で絵の練習をして、
デザインの課題が出て、また朝が来る。
どう頑張っても予備校から帰ってきて寝ないで課題をやるしか方法はない。
でも、眠い。めちゃくちゃ眠い。
もうやめてしまいたい。終わらせて楽になりたい。
でも目の前の白いケント紙を埋めないことには、逃れられないこの状況。
そんな中、半分眠りながら描いていた課題の絵。
窓の外が白ずんできているのをうっすら感じながら、
私は大胆に窓の外に見える鮮やかなオレンジ色を塗りたくった。

講評の時、先生はこう言った。

「お前さ、ここのこの色何時に塗った?」

私はこう答えた。

「朝の4時です。」

「そうだろうなって思ったよ。めちゃくちゃだな。鳥の囀りが聴こえてくる時間に冷静な判断は出来ないだろ。早く寝て早く起きるか、夜にやりきって早く寝ろ。」

おっしゃることはごもっともだ。
先生のこのセリフは今でも耳に焼き付いている。
朝4時、鳥の囀りが聴こえてきたら一日の始まりの合図。
怒られてはいるけれど、あの朝焼けは私が頑張っていた記憶のオレンジ。

大学での文化祭、ファッションショーをやろうという話になった。
まだまだグループワークで経験値の浅い、仲良しごっこの延長線上の企画。
浅はかだった。何もかもが中途半端。それでも当日はやってくる。
作らねば。やらねば。徹夜も何度も経験した。
大学の近くの友達の家に連泊した。
始発で向かう駅のホームは、秋の始まりで風が冷たい。
大学の校舎にはまだ誰もいない。寝不足だけど笑顔は絶えなかった。
あの澄んだ冷たい空気は、みんなで成長した証のブルーグレー。

社会人になって、仕事で登山のロケがあった。日の出を狙った撮影だ。
山頂で日の出を狙うには、夜中の1時に宿を出発しなくてはならないらしい。
その日の日中も撮影があった。22時に宿に戻り、束の間の睡眠。
上手く寝れるはずもなく。私たちが登り始めたのは夜中の2時。

ヘッドランプを付け、小雨の中、山頂を目指す。
私が一番歩みが遅いが足を引っ張るわけにはいかないと必死で山を登る。
途中で「これ普通の会社員のやることじゃないだろ」と思いながらも、
とにかく必死だった。雨足が意外と酷く、希望のペースよりも遅れていた。

日の出は一瞬しかない。最後は分単位の戦い。
周りが明るくなってきてさらに焦る。6時少し前に山頂へ到着した。
間に合った。疲れはあるが、ここからが本番。
必要なカットが揃っているか確認しながら撮影を始める。
日差しが神々しい。いつもより太陽に近いからかな。
あの時の朝焼けは、根性の柔らかい紅色。
いつの日よりもやさしく夜明けを教えてくれた。


私にとって人生で何かをとても頑張った時にはいつも朝焼けがそばにいた。
夜と朝のあいだ。前の日からの延長線でもあり、
本番当日のプロローグでもある。

あの、夜なのか朝なのか分からない時間帯に、
延長線のゴールも、本番前の準備運動も起こっていた。
空の色も分単位で変わる。このあいだの演出としては特徴的だ。

私はいつの間にか朝焼けが好きになっていた。

きっとこれからも、朝焼けのブルーとオレンジのあいだに、
昨日の私と今日の私をつないで何かを頑張っているに違いない。



あなたが好きな時間帯っていつですか?
朝、昼、夕、夜、真夜中、いつですか?
どうしてその時間帯が好きなんですか?

このnoteは無職さんのこの問いかけのアンサーnoteでした。


自分のことって意外と分かっていない。
問われたことで「ほうほう、自分って意外とそういう風に思ってるんだな。」と気付くことが出来ます。

今回私は好きな時間帯の自己認知を手に入れた!
でもこれって一回だけじゃなくて、何回もやっていった方がいいよね。
きっと変わっていくし。もしかしたら変わらないかもしれないし。

あなたももうちょっと同じお題でnoteを書きたくなっていませんか?
よかったら書いてみてくださいね。

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