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【新聞の感想・7月10日】「エルニーニョ=冷夏」はもう古い。常識が書き換わる時代の備え方

本日の熊本日日新聞に「エルニーニョ なのに猛暑」という見出しが躍っていました。

この「なのに」に引っかかった方も多いのではないでしょうか。

エルニーニョという言葉は毎年のように耳にしますが、そもそも何なのか、

なぜ「なのに」なのか。今日はこの記事を入り口に、整理してみたいと思います。

そもそも、エルニーニョとは何か?

エルニーニョ現象とは、南米ペルー沖の太平洋赤道域で、海面水温が高い状態が続く現象です。

気象庁の定義では、監視海域の海面水温が基準値より0.5度以上高い状態が半年以上続くと、エルニーニョと呼ばれるらしいです。

遠い南米の海の話が、なぜ日本の天気に関係するのか?

海は、大気の巨大なエンジンだからです。

海面水温が変わると、雲が生まれる場所が変わり、風の流れが変わり、地球規模で天気の配置が組み替わります。

ペルー沖の海水温という一つの数字が、太平洋をまたいで日本の夏や冬の姿を左右する。

気象とは、それほどつながったシステムなのです。

ちなみに、逆にペルー沖の海面水温が下がる現象は、ラニーニャ現象と呼びます。

この場合、日本の夏は暑く、冬は寒くなりやすい傾向があるみたいです。

「エルニーニョ=冷夏」のはずだった

従来の常識では、エルニーニョが起きると日本は冷夏になる傾向がありました。

仕組みもしては、暖かい海水が東側(南米側)に流れることで、日本の南にあるフィリピン付近の海水温が相対的に下がり、雲を生む対流活動が弱まる。

すると、日本に夏をもたらす太平洋高気圧の北への張り出しが弱くなり、日本付近では雲が増えて、冷夏になりやすい。

だから「エルニーニョの夏は涼しい」が、長らく定説でした。

ところが今年は、その定説が通用しないと予想されています。

ここで登場するのが、スーパーエルニーニョです。

スーパーエルニーニョという規格外

スーパーエルニーニョとは、専門家の間で、監視海域の海面水温が基準値より2度以上高くなる状態を指す呼び方です。

これがどれほど珍しいかというと、1949年以降に19回発生したエルニーニョのうち、2度以上に達したのはわずか5回。

数十年に数回の規格外の現象です。

そして今年は、2年ぶりに発生したエルニーニョが、このスーパーエルニーニョに発展する可能性があると予想されています。

スーパー級になると、何が変わるのか。

記事の解説によれば、フィリピン付近の海水温が高いまま保たれ、対流活動が活発なままになる。

その結果、太平洋高気圧がむしろ北へ強く張り出し、偏西風も北寄りに流れて、暖かい空気に日本列島が覆われやすくなる。

つまり、冷夏をもたらすはずの現象が、規模が大きくなりすぎると逆に猛暑を招くらしいです。

7〜9月の気温は西〜東日本、沖縄・奄美で平年より高い見込みだそうです。

「エルニーニョなのに猛暑」の種明かしは、ここにあります。

地球温暖化で海全体の水温が底上げされていることも、この逆転に拍車をかけています。

三重大学の立花義裕教授は、コメ以外の農作物や漁獲にも影響するとし、異常気象への意識を持つこと、豪雨や猛暑に適応した生活習慣、そして二酸化炭素の削減へ行動を変えていく必要性に警鐘を鳴らしています。

前回のスーパーエルニーニョで、何が起きたか?

実は私たちは、スーパーエルニーニョの影響をすでに経験しています。
前回は2023年春から2024年春。

このときの夏も気温が高く、コメの品質低下につながりました。

高温障害で流通量が低下し、その後のコメ不足と価格急騰を招いた一因とされています。


記事では、松山市のコメ農家が今年、従来の品種から高温耐性品種「にじのきらめき」に切り替えたことが紹介されていました。

暑さに強く、収穫量も多い。

一方で「猛暑への不安はある。周りの農家も切り替えている」という声も。

現場は、すでに気候の変化を前提に動き始めています。

遠い海の水温が、田んぼの品種選びを変え、スーパーの米の値段を変える。

エルニーニョは、決して他人事の気象用語ではないみたいでした。

常識が書き換わる時代に、どう備えるか?

この記事から受け取るべきことは、二つあると思います。

一つは、過去の常識が通用しなくなっているということ。

「エルニーニョ=冷夏」という何十年も使われてきた経験則が、温暖化という土台の変化によって崩れつつあります。

農業でも、観光でも、防災でも、「例年どおり」「昔からこうだった」が判断の根拠にならない時代です。

データを見て、最新の予測を確認し、備えを更新し続けるしかありません。

もう一つは、変化には適応の余地があるということ。

高温耐性品種への切り替えのように、変化を前提にすれば打ち手はあります。

観光の世界でも同じで、猛暑が続くなら、涼しい高原の価値は上がります。

実際、暑さを避けて涼しい土地で過ごすクールケーションという旅のスタイルが、世界的に広がり始めています。

標高が高く夏も涼しい南小国町にとって、皮肉なことに、猛暑は追い風でもあるのです。

気候の変化を嘆くだけでなく、正しく理解し、正しく恐れ、そして地域の強みに変えられるところは変えていく。

賢く暑さと付き合っていくことが大切だと思いました

暑さから逃げたくなったら、涼しい南小国へどうぞ。

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