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語りで動かす授業──「話す」ことを、もっと武器にしよう。【第7回】

はじめに

あなたの授業スタイルは、どんなかたちですか?

私は、いわゆる「チョーク&トーク」、講義型の授業が中心です。
近年はアクティブラーニングやグループワークが推奨される流れもあり、講義型の授業に対する評価が下がっているように感じることもあります。

でも、こう思うんです。
話して伝える力は、教師の“基本スキル”じゃないかと。

実際、生徒の前に立って話す時間は、どんな授業スタイルでも必要です。
ならばその「話す力」を鍛えて、語りで惹きつける授業をつくってみませんか?

今回は、「話す力」を軸にした授業術のヒントを紹介していきます。




ヒントその18:「質問」ではなく「発問」を投げかけよう。


あなたは、授業中どんな問いかけをしていますか?

「日露戦争はいつ起きた?」──これは「質問」です。
正解は1904年。思考せずに答えられる、いわば“確認の問い”

一方、「なぜ日露戦争が起きたのか?」という問いはどうでしょうか。
これは、生徒の思考をうながす「発問」です。

ただし、このままだと少し漠然としています。
そこで、もう少ししぼり込んでみましょう。

「日本とロシアの対立点は何だったか?」
「日露の利害がぶつかった地域はどこか?」

このように問いを“焦点化”することで、生徒は考えやすくなります。

発問のコツは、「抽象と具体」のバランス
考える幅がありすぎると生徒は戸惑い、狭すぎると面白みに欠けます。

発問力を高めるトレーニングとして、私は「発問道場」と称して、考えうるクエスチョンをできる限り書き出すことを予習の段階でやります。
短距離走の特訓のように、短い時間で思いつくまま書く。

中学生向けの「日露戦争」の単元の発問道場。

授業で使えそうな質問や、「これだ!」と思えるような刺さりそうな発問を事前に見つけることができればこれ幸いです。

また、「発問道場」のトレーニングを続けていると、アドリブで発問がバンバンと出てくるようにもなりますので、オススメです。

発問の質が、授業の深さを左右する。
私はそう信じています。


ヒントその19:話し方ひとつで、授業の伝わり方が変わる。


あなたは、自分の「話し方」を意識したことがありますか?

授業は、教師が生徒に語りかける時間の連続です。
講義形式でも、グループワーク中心でも、教師の語りは欠かせません。
だからこそ、話し方ひとつで、授業の伝わり方は驚くほど変わるのです。


実際に私が話している導入部分の動画を、こちらに載せておきます。

実際に、生徒のために収録した“リアル”な授業動画です。
よかったら、視聴してみてください。

次に、授業で意識しておきたい5つの話し方のポイントを紹介します。


① 抑揚とリズムで、耳を惹きつける


淡々とした話し方は、生徒を心地よい眠りに誘いがちです。
時には力強く、時には静かに。スピードにも緩急をつけて。
短い言葉を繰り返すことで、印象的なリズムをつくることもできます。
たとえば──

農民たちは苦しかった。
凶作、重税、困窮。
小百姓は土地を売り、地主は買いたたいた。
でも、それで得られたのは…一時しのぎの金だけだった。

こんなふうに、同じ意味でも語りの工夫でリズムを生むことができます。

② 「間(ま)」が伝える、ことばの重み


大切なポイントの前後では、あえて「沈黙」を入れてみましょう。
ちょっとした間が、言葉に「重み」と「緊張感」を加えてくれます。

最初は勇気がいるかもしれませんが、うまく「間」を取れる人は、話し上手に見えるものです。

③ 滑舌と話すスピードも、意識しよう


滑舌はトレーニングで改善できます。
私も、毎朝5分だけでも「外郎売」を読むようにしています。
また、早口になりやすい人は、「ここは強調したい」部分だけでも、意識的にゆっくり話すよう心がけてみましょう。

④ 視線の送り方で、教室の空気は変わる


黒板やプリントばかり見ていませんか?
話すときは、生徒に目線を向けるだけで、授業の空気が引き締まります。
一人ずつ目を見るのが難しい場合は、教室をゾーンに分けて目線を送る方法もおすすめです。


教師の「話し方」は、生徒の学びにダイレクトに影響します。
あなたは今日の授業で、どんな語り方をしましたか?
少しだけ意識を変えるだけでも、きっと変化が見えてくるはずです。


おわりに

授業という舞台に立つ私たち教師は、毎時間、たった一度きりのパフォーマンスを行っています。
その中で、生徒に問いを投げかけ、言葉で空気をつくり、視線で伝える──。
どれも、明確な「正解」があるわけではありません。

けれど、「もっと伝わる授業にしたい」「生徒の心を少しでも動かしたい」という気持ちがあるなら、できることはたくさんあるはずです。
今回ご紹介した発問や話し方の工夫は、すぐにでも試せる“小さなアクション”ばかり。
全部じゃなくていい。まずは、できそうなことから1つだけでも始めてみてください。

大丈夫、授業は、毎回がチャレンジの場です。
少しずつ積み重ねていけば、必ずあなたの授業は変わっていきます。
次回もまた、授業づくりのヒントをお届けします。
よかったら、続きを読みにきてください。

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