保科正之|推しの手描きに泣いた。
歯科にて、奥歯の隙間に虫歯ができていることが発覚した昼下がり。天気も気分もどんよりしていたそんな時。
徳川御宗家の当主である家広氏のXの投稿が目に留まった。なんと、久能山東照宮博物館という場所で、保科正之筆の絵が展示されているという。(2026年4月9日まで)
推しの……絵(手描き)だと……!?
それは
河骨鶺鴒図
というらしい。
なんだそれ!読み方わからん!!
調べてみたところ、これは「こうほねせきれいず」と読み、「河骨(スイセンの一種)」と「鶺鴒(鳥の一種)」を表している…ようだ。
現存する保科正之の唯一の絵だと聞き、居ても立っても居られず、後の予定をすべてキャンセルして新幹線に飛び乗った。
久能山東照宮をまず知らないので、道すがら調べる。ものすごくかいつまんで言うと、徳川家康のお墓があるところのようだ。ふむふむ、なるほど……
めちゃくちゃ要所じゃん。
静岡駅からタクシーを安全に飛ばしてもらって30分。山の上にある日本平ロープウェイから、駕籠風のロープウェイに乗ってどんぶらこ。5分ほどで久能山東照宮の近くに着く。

本当は山の下から参道を踏みしめて登りたかったけれども、この日はあいにくの雨だったのと、閉館までそんなに時間がなかったので、ロープウェイでチートした。なお、参道の階段は1159段あるそうで、登るのに20分くらいかかるらしい。断念するための言い訳があって良かった。
ちなみにこの1159段、昔の人は「いちいちご苦労さん」と声をかけ合いながら登ったそうだ。シャレてるぅ〜。
ロープウェイを降りると、斜向かいに久能山東照宮博物館がある。

よっしゃあ、さっそく中へ!!!!
の前に!!!!!!!

推しが踏んだかもしれない土に立って推しが吸ったかもしれない空気を吸い込む幸せを噛みしめる!!!!うひょー!!!!
数時間前に地の底を這っていた気分は急激に高まり、幸せホルモン的なやつがドバドバ出てくるのを感じる。
さて、気を取り直して中へ。館内はかなりコンパクトで、1階と2階に小さな展示室がある。(30分あれば一周できそう。)日本最古の機械式時計や鉛筆、超貴重な古文書などが並んでいて、展示品の価値の高さを感じた。
そしてついに、お目当ての「河骨鶺鴒図」とご対面。(館内は撮影厳禁のため、イメージ画像をお届け。)

何も伝わらない気がする。
スイセンの葉っぱの上に、正面を向いたセキレイがちょこんと乗っている絵だった。
尾をぴんと立てたセキレイは目がつぶらで可愛らしく、保科正之がこんなに可愛く生き物を描くのかと思うと涙が出るほどの尊みを感じた。こんなふうに見ていたのね…!
筆使いは几帳面な感じかと思いきや、抜け感(?)もあって、推しの新たな一面を見た気がする。手描きの絵が見られるなんて、喜びで気絶しそう。
この絵に向かう保科正之をひたすら想像した。何を考えて、どんな顔で筆を動かしていたのだろう。絵を眺めることで保科正之の気配を感じられ、めっっっちゃくちゃ幸せだった。
この展示を企画してくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。あと、間食はほどほどにします。おわり。
#創作大賞2026 #エッセイ部門
