【発達特性】ASD、ルールに忠実なんだよね。。の話
仕事中に、小学校から電話がかかってきた。
事故ですか、事件ですか
真昼間に学校から電話がかかってくる、それは、
事故か事件かのどちらかが現場で起こってるということだ。
「事故ですか事件ですか」と応答する脳内オペレーターを抑えつつ、電話に出る。
「タロウがまたやらかしたのか」という気持ちがわっと広がるが、
かつての反省を生かし、なるべく先入観を捨ててフラットな気持ちで先生からの報告を聞いた。
(⬇️かつての反省)
起きていたのは事故だった
先生から聞いたのは、
🔸授業中、タロウの前の席の子がふざけてタロウの筆箱をいじり、鉛筆を飛び出させて遊んでいた
🔸タロウはそれをいやがり、その子の手を振り払い、飛び出した鉛筆をしまおうとした
🔸そしたら勢い余って、タロウが鉛筆の先で手を怪我した。流血を伴う傷!
🔸怪我の瞬間は先生は見ておらず、授業後に本人から報告を受けた
🔸相手の子もタロウに謝り、和解はできている
ということ。
タロウの使う筆箱は、ボタンを押すと鉛筆が
斜めに飛び出すという、
小学生に大人気なギミックのついた筆箱だ。

先生の説明だけでは傷の規模がわからず、
不安になりながら定時ダッシュで学童へ。
タロウ、見事に鉛筆の芯が手のひらに刺さり、
保健室でピンセットで抜いてもらったとのこと!手のひらにはまだ、鉛筆の色素が
刺青のごとく残っている。ちょっと痛々しい。
口で言えば怪我せずにすんだ
タロウから改めて説明を聞く。
授業後、鉛筆で怪我をしたとタロウが先生に報告し、経緯を説明したところ、
先生は
「タロウくんも手を出さずに、
まずは口で『やめて!』と言いなさい」
「口で言えば怪我せずにすんだかもしれない」
と、タロウに注意したそうだ。
タロウはいつもなら、嫌なことをされたら
「やめて!」とまず口で抵抗する。
なのに今回はなんで言わんかったん??
そう聞くと、
「だって、授業中はしゃべったらいけん!」
ルールを守る男、タロウ
はー、なるほどーーー!!!
「授業中は私語禁止」というルールを、
タロウは忠実に守ったというのだ。
「ルールに忠実」
「ルールから外れること(自分も他人も)が許せない」
これは、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を
もつ子には、あるあるのエピソードなのだ。
不注意などがあると、言われたルールが定着するまで時間がかかることはあるが、
いちど本人の中で納得されたルールについては
かなり忠実に守る。
それが、今回みたいなトラブルを生むんだなあ。。
授業中の無駄話はいけないけど、
授業中にちょっかい出されたら、「やめて」と抵抗したっていい。
まずは普通のボリュームで、それでも聞いてもらえなかったら大きく。
手を挙げて先生に知らせたっていい。
でも、
定型発達の子が自然にできる
「TPOにあわせたルールの解釈」が、
発達特性があるとなかなか難しいのだ。
(自分でも気づかずに漏らしているひとりごとは
ルール違反には加算されないから、
これはまた別の問題でやっかいなのである)
人生、いろいろ難しいよね
融通が利かないとしんどいよなあ。。と
先生の指摘もなるほどと受け入れつつ、
それでもタロウにはタロウなりの信念があったことは伝えておかねばと思い、
今日も母は連絡帳にお手紙を書いている。
タロウには、
🔸先生の言うように口で言えたら、相手もやめてくれたかもね
🔸嫌なことされたら、授業中でも抵抗していい。次、同じことがあったらそうしよう
🔸鉛筆の芯が手に刺さったのは、タロウの力加減が強すぎたせいもある。そこは気をつけろ!
というように伝えた。
これも発達特性なのかもしれないが、
ひとつの教訓をその後の物事に応用するという「汎化」が、タロウはまだまだ難しい。
一回の経験は、その出来事の教訓にしかならない。
だから、ケースA、ケースB。。というように
そのつど教えながら、
「ほら、前にも同じことがあったやんけ」と
記憶をつなぎあわせていくしかないんだなあ。。
もし、鉛筆の芯が刺さったのが相手の子の手のひらなら、
先に口で言わなかったタロウは、きっともっと大きな割合で悪者になっていただろう。
怪我をしたのがタロウだけだったこと、
鉛筆の芯が手のひらに刺さるくらいの怪我だったこと、
どちらも、運がよかった、と言うしかない。
でも、ルールを守ろうとしたタロウの気持ちも大事にしたい!
授業が終わるまで騒がずにがまんしたのもえらかった!
人生、いろいろ難しいよね。おつかれさま!
余談だが、ウルトラの叔父(私の弟)も、
幼少期に自らの不注意で額に鉛筆を刺している。
血筋なのだろうか。。
