【虹色セレクション】焚き火 わかりのぽんさん
船の難破で浜辺に打ち上げられた男は、途方に暮れた。
ここは周囲4キロ四方の無人島。
彼はアウトドアが好きだった。だが、それは食料があり、車があり、ライターがある。緊急時には助けを呼べる状況。安全が保証された世界での遊びに過ぎない。
この無人島を探索すると、オアシスのような小さい森があり、奇妙な鳥が住んでいた。水はあるが食べれるような果実は無い。
「俺は真面目に生きてきた。なんで、こんな目に合うんだ」
今まで心地よく聞こえてきた波の音も、満点の星空も、無秩序に生えている森の緑も不安を増幅させる装置となる。夜の寒さには命を奪われる気がした。
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編集部より
野生の鳥を貪る男の描写に、吉村昭『漂流』の主人公を思い出しました。
絶海の孤島でアホウドリを食べ続け12年生存した事実に基づいたお話です。男の孤独と、残酷なまでにただ美しい満天の星空の対比を目指しました。しのぶ
