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【#毎週ショートショートnote 】「塩人(しおんちゅ)」

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文字数、倍くらいオーバーで、ゴメンナサイ(^_^;)


かみがくれたひかり

 
 目が覚めた。

 誰かに呼ばれた気がしたから。

 太陽の日差しが、凄く眩しい。

 辺りを見渡すと、波の音……海岸?
 
 ──私は砂の上に横たわってる。

 え、私………

 やっと、意識がはっきりして、慌てて上半身を起こした。

 あれー、私……、生きてる?

「良かった、気がついたな」

 びっくりして声の方を見ると、心配そうな顔をしたおじさんがいた。

「もしかして、お嬢ちゃん、昨晩、海で溺れたのかな?」

 溺れた? あー、そう、そんなもんね。

 昨日の夜、すべてを終わりにしようと、この海にやってきた。

 服のポケットに、いっぱい石を入れて海に入った。

 波に戻されそうになりながら、一歩一歩、進む。

 ぜんぜん怖くなかった。

 そしたらなんの前触れもなく、急に深くなって、一気に海の中に引きずり込まれたんだ。

 苦しかった、息ができなかった。

 口を開けたら大量の水が入ってきて、味なんて感じない。

 ただ苦しくてもがくだけ。

 この苦しさは、私がいなくなって、悲しむ人のために私が受けなければならない罰。

 そう思っていたけれど、私はその時、なにか叫んでいたような気がする。

 水の中で声にはならなかったけど、何か……。

「塩人に助けられたんだよ、よかったな」

 おじさんが言う。

 しおんちゅ?

「塩人は溺れた人を助けるこの海の神だ」

 海の神、私を…助けた?

「塩人は、溺れた人間全員を助ける訳じゃない。塩人は、生きたいと強く願った者だけを助けるんだ」

 あ…

 私、苦しい中で、叫んだんだね。

「生きたい!」
 
 ……って、なんで、そんなこと叫んだんだろう。

 ───そうか、私、

 本当は─、生きたかったのか……。

「自分の体を見てみろ」

 自分の手を見る、体を見る、足を見る。

 白い粉がたくさんついている。

 ──塩だ。

「塩人に助けられた証だ、助けられた者はみんな全身、塩に覆われている。塩で体を清めるかのように」

 私の体を、清める……自ら命を絶とうとした、この私を。

「もう大丈夫だ」

 えっ、

「お嬢さんは、塩人が助けた人だ、大丈夫、生きていける」

 私……生きても、いいの?

「強く、生きろ」

 おじさんはそう言って、去っていった。

 しばらくおじさんの背中を眺めていた。

 それから、私は、海を眺めた。


画像:なおみんと/illustAC


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