TALESの推薦レビューはこわくない。ぼっち・ざ・れびゅーで広がる、書き手の輪の話
「推薦レビューを書いてみませんか」
そう言われると、ちょっと身構えてしまいませんか。
わたしは、します。
だって推薦レビューですよ。
作品のいいところをちゃんと言語化して、読んだことのない人にも魅力が伝わるようにまとめないと、みたいな。
なんだか一気に、ハードルが三段跳びくらいの高さになってしまう言葉です。
読み手として「好き」と思う気持ちはたくさんあるのに。
それを「書く」に変えようとした瞬間、急にかしこまってしまう。
だから結局、心の中だけで「最高だった……」とつぶやいて終わってしまう。
そんなわたしが今、Uさん主催のTALES読合企画
「ぼっち・ざ・れびゅー」に参加しています。
参加してみて思ったのは、
この企画は、推薦レビューを書くハードルを、ぐっと下げてくれる場所なんだということでした。
まず、この企画の何がいいって、すでに「遊び方」が用意されているところです。
参加者同士でお互いの作品を読み合う。
作品のエピソードに♡を押す。
そして、一作ずつ推薦レビューを書く。
やることはシンプルなのに、「ひとりでいきなり始めてくださいね」ではなくて、
Uさんを筆頭に、参加者のみんなが同じテーブルについて、一緒に遊んでいる感覚がある。
「さあ、みんなでボードゲーム開けようか」くらいの空気感なんです。
わたしは今回、「【SS】西野葵のホラー短編集」で参加しています。
自分の作品を読んでもらえるのはもちろんうれしいのですが、
それと同じくらい、他の参加者さんの作品を読む時間が楽しい。
普段だったら、「読んで終わり」で完結していたかもしれない読書体験が、
この企画では「読んで、感じたことを言葉にして、相手に手渡す」ところまでセットになっている。
つまり、「読む」と「書く」が、ひと続きの遊びになっているんです。
推薦レビューというと、「ちゃんとしたことを書かないと」と思いがちです。
構成はどうしよう。
うまく褒められなかったら失礼かな。
感想がふわっとしていてもいいんだろうか。
そんなふうに悩み始めると、なかなか一歩が出ません。
でも、企画の中で書く推薦レビューって、もっとカジュアルでいい。
わたしは、参加してみて、そこで肩の力が抜けました。
たとえば
「ここが好きだった」
「このキャラのこの台詞が刺さった」
「このシーンの描写が、妙に頭から離れない」
そんな、素直な「好き」のメモからスタートしていい。
短くても、拙くても、そこから一緒に遊ぶ仲間がいる。
その安心感があるだけで、ペンの進み方がぜんぜん変わります。
それに、推薦レビューを書くこと自体が、書き手としての勉強にもなります。
「どうしてこの作品が刺さったんだろう」
「自分はどんなポイントに弱いんだろう」
そうやって、他の人の物語を通して、自分の「好きの癖」と向き合う時間になる。
無自覚だったツボが、じわじわと言語化されていく感覚があります。
この感覚は、きっと自分が物語を書くときにも返ってくる。
誰かの作品の「推しポイント」を探すことは、
自分の作品で「届けたいところ」を意識する練習にもなるのだと思います。
そして何より、この企画のいちばん素敵なところは
「書き手の輪が、じわっと広がっていく」ことです。
主催のUさんが、「ぼっち」から始めた読合い企画。
そこに一人、また一人と、書き手が集まってくる。
企画をきっかけに、初めてお名前を知った方。
作品は読んでいたけれど、ちゃんと感想を伝えたことのなかった方。
「いつかどこかで絡んでみたいな」と思っていた方。
そういう人たちの物語を、
改めて時間を取って読み、
一作ずつ、言葉を添えて返していく。
それはもう、小さな文化祭みたいなものだなと思いました。
各自が自分の出し物を持ち寄って、
互いの教室を行き来しながら、「ここ、すごくよかったよ」と言い合う時間。
「ぼっち・ざ・れびゅー」というタイトルには、
実はとてもやさしい意味が隠れているのかもしれません。
ひとりで書いているときでも、
物語はきっと、誰かに届く場所へ繋がっている。
その「繋がり」を、目に見える形にしたのが、この企画なんじゃないかな、と。
参加者目線で言うと、Uさんには「ありがとう」を何度言っても足りません。
こういう場を用意するのって、思っている以上にエネルギーがいるはずです。
企画記事を書いて、ルールを整えて、参加者をまとめて、進行していく。
そのおかげで、わたしたちは「読む」と「書く」の遊びを、安心して楽しめている。
その事実に、参加者の一人として、しみじみと感謝しています。
そして今、ちょっと遠くから眺めている「予備軍」のあなたへ。
「おもしろそうだけど、参加するのは勇気がいるなあ」
「推薦レビューなんて書いたことないし」
そんなふうに思っているなら、ぜひ心の片隅にメモしておいてほしいです。
推薦レビューは、完璧でなくていい。
立派な批評文でなくていい。
素直な「好きだった」のひと言からでも、
その一歩を見届けてくれる企画が、ここにはあります。
次の回で、そっと名前を紛れ込ませてみるのもいいし、
まずは参加者のレビューを読んでみるだけでもいい。
そのうちきっと、「わたしも一枚、机に原稿を並べてみようかな」と思える瞬間が来るかもしれません。
わたし自身、ホラーを書くのも、推薦レビューを書くのも、全然えらそうな立場ではありません。
それでも、こうして企画に参加してみて思うのは
「書き手同士で、作品を読み合って、言葉を送り合う時間って、やっぱりいいなあ」
という、ごくシンプルな実感です。
Uさんを筆頭に、今ここにいる参加者さんたちと一緒に、
この輪が少しずつ広がっていくのを、わたしも楽しみにしています。
推薦レビューは、こわくない。
むしろ、ちょっと楽しい遊びです。
そのことを、企画の中で、何度でも思い出したいし、
これから参加してみようかなと思う誰かにも、そっと手渡していけたらうれしいです。
以下、参加作品と作者noteの紹介
1.ひかりがひかる|U|宇宙遊泳
2.夜の扉|大橋ちよ
3.ドシャえもん|はそやm
4.【SS】西野葵のホラー短編集|西野 葵
5.永遠の命が終わるとき|もちもち
以上、珠玉のラインナップとなっております。感動から涙、恐怖まで盛りだくさん。きっと、あなたに合う作品が見つかるでしょう。
最後に、私から一言だけ。
「ドシャえもん」、怖すぎるんじゃあああああ!!!
