【小説】博士のアルバム 12話
梅雨はいつの間にか終わり、暑い日が続いていた。テレビの天気予報とおり、連日猛暑日が続いていた。うだる暑さに体がついていけなくなった。頭痛、吐き気、倦怠感の症状を医師に伝えると検査が必要と言われ、そのまま入院することになった。
一旦、自宅に戻り入院に必要な物をバッグに詰めた。職場に連絡を入れ、雲野先生にもメッセージを送る。
"検査入院することぬりました。心配しないで下さい"
病院に戻り受付で入院の手続きをする。
頼る人は誰もいない。
家族に連きそわれている他の人を見ると一時自分が惨めな気持ちになった。
一日中ベッドの上で点滴を受ける。勝手だが母を思い出す。
同棲して幸せだった。毎日がバラ色だった。ずっとこの幸せが続くと信じていた。
両親のことは嘘をつき通した。ひとつ嘘をつけば、また嘘をつく。つじつまが合わなくなっても嘘をつく。
そのうち嘘と本当の区別がつかなくなる。自分は病気じゃないかと思うくらいだ。
結婚の話が進み、私は母に電話を入れた。
「結婚する。彼に知られたくないから縁を切りたい」
「わかった。元気でね」と母は言った。
嘘は必ずばれる。
「見栄を張るために親を粗末にする人とは結婚できない」
彼は正しかった。
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