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【小説】博士のアルバム 14話 


 夏の終わり、夕焼けが空を茜色に染める頃、私は窓の外をぼんやりと見つめていた。

先生が入院されたと聞いた日から、すぐにでも会いに行きたかったが、先生の病院か遠くにあること、家族との関係から、それは容易ではなかった。

 窓の外に広がる景色を見つめながら、先生のことを思い出していた。先生が言った言葉が耳に蘇る。

「君はもっと自分を信じろ。どんな困難でも、必ず乗り越えられる力があるんだから」

今、先生は声を失い、動けなくなっているという現実が、私の胸を締め付けた。何もできない無力さが、心を重くする。

 思いは募る。ペンを取り、手紙を書き始めた。会いに行けない代わりに、手紙で自分の気持ちを伝えることにしたのだ。先生が今どんな状況にあっても、決して一人ではないということを、少しでも感じてもらえたらと願いながら。

 手紙には、仕事のことや日常の些細な出来事を書き綴り、最後にこう結んだ。

「先生、どうか、またお話しできる日が来ることを信じています」

 手紙を書き終え封をし、ポストに投函した。
私は心の中でそっと祈った。

「先生、どうかご無事で」



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