割合の文章題でつまずく子に足りない「読解」とは【割合をあきらめない #2】

前回(#1)では、
割合でつまずく理由として 「読解」と「分数」 という2つの壁がある、という話をしました。
今回のテーマは、そのうちの一つ。
「割合と読解」 です。
ここで言う「読解」とは、
国語のテストができる・できない、という話ではありません。
割合の文章題で大切なのは、
何と何を比べているのか
どちらが大きくて、どちらが小さいのか
それは、どのくらいの関係なのか
こうした 状況を、自分の頭の中でイメージできているか です。
そのための最大のコツが、
問題文を「式で表す」「図で表す」こと
です。
実は、
計算はできるのに割合が解けない人の多くは、
計算の前の段階でつまずいています。
この「割合と読解」では、
簡単な例題を通して割合読解のポイントをつかみ、
発展問題の攻略法までわかる構成になっています。
ぜひ最後までご覧ください。
割合の基本の型|▢は△の〇倍
まず、今日いちばん大事な型です。
▢ は △ の 〇倍
→ ▢ = △ × 〇
これが、割合問題の大黒柱です。
▢と△を比べるとき、
割合を使った比べ方は、たった2種類。
① △を基準とすると、▢は△の〇倍 → ▢ = △ × 〇
② ▢が基準なら、△は▢の◎倍 → △= ▢ × ◎
とても単純なお話ですよね。
では、この基本を踏まえて例題を見てみましょう。
例題①(読解)|「AはBの2倍」
【問題】
「AはBの2倍」を式で表すと、どうなりますか?
<解答(式で表す)>
A = B × 2
たったこれだけです。
文章をそのまま 記号に置きかえただけ ですね。
続いての例題です。
【問題】
「AはBの2倍」を図で表すと、どうなりますか?
<解答①(線分図で表す)>

「どっちが大きいか」「どのくらい違うか」が一目でわかります。
<解答②(円グラフで表す)>

円で見ると、割合の感覚がつかみやすくなります。
ちなみに、
▢ は △ の 〇倍 → ▢ = △ × 〇
で〇(割合)が1未満のとき、
線分図で表すと以下のようになります。

例題②(言い換え)|同じ意味の文を探そう
「AはBの2倍」は、別の言い方もできます。
【問題】
「AはBの2倍」と同じ意味となるよう、
次の空らんを考えてみましょう。
a) ___の2倍が___
b) ___に対して___は0.5倍
c) ___を1とすると___は2
d) ___に対する___の割合は0.5
<解答と解説>
a) Bの2倍がA
b) Aに対してBは0.5倍
c) Bを1とするとAは2
d) Aに対するBの割合は0.5
ポイントはこれです。
同じ関係でも
「どちらを基準にするか」で
倍や割合の数字は変わる
日本語だけだと、一瞬迷ってしまいますよね。
でも、式や線分図が手元にあるとどうでしょうか?

手元に式や図を書いてみて、
AとBの関係が見えていれば迷いません。
例題③(#1の復習)
ここで#1の例題を振り返ってみます。
① 500円は1000円の( )倍
② 1000円を1とすると、500円は( )
③ 1000円に対する500円の割合は( )
→ 答えはすべて 0.5

式・図で2つの関係が分かれば、
同じく間違えることはありません。
(詳しくは【割合をあきらめない#1】にて解説)
例題④(量がたくさんある時)|比べる「2つ」はどれ?
【問題】
A=10、B=20、C=40 があります。
1. AはBの何倍?
2. B+CはAの何倍?
3. A+Cを1とすると、Bは?
<解答と解説>
ここで量が3つ出てきましたが、
割合は必ず「2つの量」を比べます。
「何と何を比べる?」→「基準は何?」
で式のできあがり。あとは解くだけ。
1.A と B を比べる|基準はB → A = B×〇
→ 10 = 20 ×〇 → 〇=10÷20 = 0.5
2.(B+C)とAを比べる|基準はA →(B+C)= A×〇
→ (20 + 40) = 10 ×〇 → 〇=60÷10= 6
3.(A+C)とBを比べる|基準は(A + C) → B = (A + C) ×〇
→ 20 = (10 + 40)×〇 → 〇=20÷50 = 0.4
「どれとどれを比べているの?」
が見抜ければ、半分以上はできています。
「どちらが基準になるか?」
がわかれば式にできます。
式にしてしまえば、ほぼ解けたようなものです。
百分率の型|%が出たらこう考える
百分率が出てきたら、この型です。
▢ は △ の 〇%
→ ▢ = △ × 〇 ÷ 100
→ ▢ = △ × 〇 / 100
%とは、「100を基準にした割合」。
基本の型 ▢ = △ × 〇に、
÷100 (= /100)を入れただけですね。
40% = 40/100 = 2/5 = 0.4
50% = 50/100 = 1/2 = 0.5
という形に直せると、一気に楽になります。
例題⑤(線分図から読み解く)
【問題】
以下の線分図だと、全体の長さは何mでしょうか。

<解答と解説>
例題のように、
実際の数とその割合が分かっているとき。
この場合、
”120m”が(全体)の"60%(0.6)"
(全体)は120 ÷ 0.6 で求まります。
(全体)=120 ÷ 0.6 = 200 (m)
なぜかと言えば
下図は▢ = △ × 〇の線分図ですが、
この式から△(全体)は、
△= ▢ ÷ 〇 で計算できることがわかります。

▢ = △ × 〇の式を立てることが基本ですが、
「一つの数と割合のペア」が分かっているときは、
数を割合で割ると全体が求まる、と
覚えておくと便利です。
例題⑥(割合・読解・図示)|線分図を分けて考える
【問題】
Aさんは、はじめにお金をいくらか持っていましたが、その 40% を使いました。
その後、残りの50% にあたるお金をお母さんからもらいました。
今、Aさんは 900円 持っています。
以下を求めましょう。
1. お母さんからもらった金額
2. Aさんの最初の金額
<図で考える(ここが大事)>
問題文の最初を線分図にすると、
全体を100%とみて、以下のようになります。

続いて、
残った分を(100%)とした線分図から
今持っているお金を表す線分図を表します。

これは全体を表す線分図の一部なので、
全体は以下のようになります。

整理すると、
はじめを「1(100%)」とする
40%使った → 残りは60%
その50%をもらった → 30%分増えた
つまり、
今の900円は「60%+30%=90%」
<解答>
900円 = 最初にもっていたお金 × 0.9
最初にもっていたお金
= 900 ÷ 0.9 = 1000円
もらった金額は
全体の30%なので、
もらった金額
= 1000円 × 0.3 = 300円
このように、一瞬混乱してしまう問題でも、
図を書きながら状況を整理すれば、
”全体”とその”割合”の関係がまる見えです。
2つの量の関係が図や式でわかれば、
「解けたも同然」と言えますよね。
「読解する」とは、こういうことなのです。
まとめ|読解の正体は「イメージする力」
今回のポイントです。
割合は「計算」より前に勝負がつく
読解のコツは
式で表す・図で表す最終的にやっていることは
2つの量を比べているだけ
「どっちが大きい?」
「どのくらい違う?」
ここまでイメージできたら、
あとは計算するだけです。
次回は、
【割合をあきらめない!#3 割合と分数】
割合=分数、と考えると
世界が一気にシンプルになります。
日進塾でのカリキュラムは、小学校→中学校で割合を苦手にしない・得意にすることを意識して組んであります。割合苦手を放置すると、いよいよ中学数学で越えられない壁に当たってしまいます。学習レベルに応じた相談も受け付けていますので、お気軽にHPよりお問い合わせください。


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