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製品開発時の技術的課題ではなく、今までとは違う課題にする

 ある発明が完成するまでの経緯や、前提となる技術からその発明までの経緯等を、技術のストーリーと言うことがあります。

 この技術のストーリーは、「技術開発に至ったストーリー」「技術開発の経緯」と言い換えたほうが分かりやすいかもしれません。

この「技術のストーリー」「技術開発に至ったのストーリー」「技術開発の経緯」のポイントが製品開発時の技術的課題です。

製品開発時の技術的課題がコストダウンのような一般的課題の場合、コストダウンにどれだけ苦労したとしても、コストダウンというポイントだけでは特許権取得は出来ないと思われます。

しかし、製品開発時の技術的課題を詳細に検討すると、予測できないような効果に繋がる課題が見つかることがあります。この予測できないような効果があれば、特許権取得できる可能性が高まります。
例えば、コストダウン目的で製品開発をしていても、他の技術的課題も解消できる技術であれば、特許権を取れる可能性があります。

見方を変えると、特許を取れる課題は、従来とは異なる課題です。従来とは異なる課題を解決できる技術からは、従来と比較して異なる効果が得られます。

これに関して、定期的に聞かれることの一つに、「予測できない効果は、既存品よりどれくらい効果が高ければ特許を取れますか?」というものがあります。

定期的に聞かれるのでよくある勘違いだと思います。少なくとも日本では、①既存品と違う構成であり(新規性があり)、②異なる効果(異質な効果)がある場合には、特許を取れることが殆どです。つまり、効果の新規性が大切です。 

また、ほとんどの場合、効果が極めて高く、さらに、効果が大きいような、社会を一変させうる(かもしれない)技術・発明は殆どありません。基本的に、技術は累積的に進歩してゆくものであって、一部の例外を除いて、段飛ばしに進歩するものではないからです。

実際の事業を軌道に乗せるという観点では、効果の高さや効果の大きさが大切になると思います。しかし、特許を取るという観点では、効果の異質さ(効果面での新規性)が大切であって、効果の高さや効果の大きさは大切ではありません

このため、同じ技術的課題を解決した製品に関する特許出願であっても、明細書に記載する課題が「特許的考え方で」適切で無ければ特許権を取得することは出来ません

この明細書に記載する課題が「特許的考え方で」適切かという問題があるため、製品開発時の技術的課題と、特許になる課題設定は別になります。

例えば、
構成アを有する装置が解決できる技術的課題がa、
構成イを有する装置が解決できる技術的課題がb、

とします。

この場合、
構成ア、イを有する装置が解決できる技術的課題は、aとb
になると思われます。

しかし、特許出願時に明細書に記載すべき課題は、aとbに加え、cも記載した方が良い場合があります

※課題cは、構成ア、イ、及び、課題a、bとは直接関連しない課題です。

これは、構成ア、構成イと、課題cとの関連性が知られていない場合、課題cを解決できるのであれば、予想を超える効果・予期できない効果があることになるからです。

つまり、特許請求の範囲に同じ内容を記載した場合あっても、明細書に記載する課題によって特許権を取得できるか否かが変わる場合があります
この明細書に記載する課題によって、明細書の質が変わってきます。

この辺りは詳細に検討できていませんが、イメージとしては、

課題の新規性あり + 構成の新規性あり = 発明の進歩性あり

のような感じでとらえています。

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