見出し画像

#30|その悩み、だいたい誰かが解決してる

中小企業の社長として、こんな夜を過ごしたことはないでしょうか。

「最近の若いやつは、何を考えとるか分からん」
「何度教えても同じところでミスしよる。もう疲れた」

そんなぐるぐる考えて眠れない夜から抜け出すための、シンプルで使える考え方をお伝えします。




1.社長の悩みは、だいたい誰かがもう解決してる


最初は「そんなこと言われても」と感じるかもしれません。
でもこれは責めているんじゃなくて、こういう意味です。

「なんでうちだけがこんな目に」「なぜ私だけが苦労するんだ」という孤独な戦いから、「いや、これはどこの会社も通ってきた道なんだ」という気持ちの切り替え。
一人で抱え込む悩みを、先人の知恵で解ける問題に変えるスイッチがここにあります。

そしてその知恵を使いこなす入り口となる考え方が、「頭に血が上る前に、仕組みを見る」です。

  • ステップ1|悩みの本当の原因を突き止める

  • ステップ2|よそのやり方を「部品カタログ」として調べる

  • ステップ3|できそうなことを「3ヶ月だけ」やってみる


2.悩みの本当の原因を突き止める


たとえば、若手が仕事を覚えなくて困っているとします。
多くの社長はすぐ「もっと厳しく指導しよう」「給料を上げれば変わるか」と動きます。
でも、それは根本的な解決にならないかもしれません。

腕のいい整備士は、エンジンの調子が悪いとき、いきなりパーツを交換しません。
まずちゃんと点検して、なぜ不調なのかを調べます。

育成も同じです。
若手と腹を割って話してみると、
「図面の読み方を教えてもらってないから、次の工程で何を気にすればいいか分からない」
「先輩の背中を見て覚えろと言われるけど、どこをどう見ればいいか分からない」
といった本音が出てくるかもしれません。

そうなると問題の本質は「やる気がない」ではなく、「基礎知識が抜けている」や「教え方の段取りができていない」ということになる。
打つ手はまったく変わります。
原因の見立てを間違えると、どれだけ叱っても褒めても無駄になる。
だからこそ、ここが一番大事なステップです。


3.よそのやり方を「部品カタログ」として調べる


本当の原因が見えたら、次は一人で考え込まないことです。
「よし、うち独自の最高の育成方法を作るぞ」と意気込む前に、同じ悩みを乗り越えてきた他の会社の知恵を借りましょう。

ただし、注意が一つあります。
よその成功事例をそのまま真似しても、うまくいきません。
大手メーカーの研修制度を従業員10人の中小企業がそのまま導入しようとしても、お金も人も時間も違いすぎる。

よその事例は「部品カタログ」だと思ってください。
カタログを見てそのまま注文するんじゃなくて、
自分の機械に合う部品を選んで、必要なら少し加工して取り付ける
それが正しい使い方です。

たとえば
「同業の工場でやっている週1回の朝礼での技術共有」
「商工会議所で紹介されていたOJT記録シート」
「ネットで見つけた段取り表の書き方」
などを参考にしながら、「うちの規模ならまずこれだけやってみようか」と考え始める。
そのアレンジこそが、ステップ2のゴールです。


4.できそうなことを「3ヶ月だけ」やってみる


ここが、わたしが一番大切だと思うところです。

なぜ3ヶ月か?

1ヶ月では変わったのかどうか判断できない。
半年だと「そんな先まで続けられるか」と最初から腰が引ける。
3ヶ月は、変化が出始めるのに十分な期間で、かつ「ダメだったとしても、やり直しがきく」ちょうどいい長さです。

この「やり直しがきく」という感覚が、動き出すハードルをぐっと下げてくれます。
「ずっとこれでいく」と決めるんじゃなくて、「3ヶ月だけ試してみる」と考える。

うまくいかなくても、それは「自分がダメな社長だった証拠」じゃありません。
うちの職場にはこのやり方は合わなかった、という発見」です。
現場の改善活動と同じで、試してみて合わなければ次の手を考えればいい。

先ほどの例なら、「週1回・15分、先輩が若手に今日の仕事を振り返って教える時間を、まず3ヶ月だけ作ってみる」と宣言して始めればいい。
完璧な仕組みじゃなくていい。
まず動かしてみる

3ヶ月後、「仕事の流れが少し分かってきた気がする」という声が若手から一つでも聞けたなら、その試みは成功です。


5.まとめ

3つのステップをシンプルに言うとこうなります。

  1. 見立て  |「やる気がない」で片付けず、本当の原因を探す

  2. 参考にする|よその事例を部品カタログとして調べ、うちの会社に合わせて使う

  3. 試す   |3ヶ月と期間を決めて小さく始め、結果から学ぶ

これは、職人育成という感情的になりがちな悩みを、段取りを組んで着実に改善できる問題に変えるための考え方です。

機械のトラブルと同じです。
「なんでこの機械はうまく動かんのだ」と怒鳴っても直りません。
点検して、原因を突き止めて、対策を打って、また確認する。人
の育成も、その繰り返しです。

あなたが今「うちの若いやつは……」と感じているその悩み、本当の原因はどこにありますか?


✨️この記事書いた人✨️

いいなと思ったら応援しよう!

野口雅弘|社外No.2経営パートナー ありがとうございます✨ いただいたチップは今後の活動費に使わせていただきますた!