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台湾の「猫村」 廃坑の村が世界から脚光【アジアの猫】

グラフィックデザイナー & 写真家
南幅 俊輔

台湾といえば、猫好きさんならきっと「猫村」を思い起こすはず。そのくらい知名度が高いのが猫だらけの小さな村「猴硐(ホウトン)」です。今回は、そんな猫村の様子をお伝えします。

猴硐の猫たち(筆者提供)

炭鉱猫の子孫たち
人間をおもてなし

猴硐は、駅に降り立って1分も経たないうちに猫たちと遭遇できるという、信じられないぐらいの「猫密度」で、世界中の猫好きさんから注目を集めています。また、台北駅から台湾鉄道に乗って約1時間というアクセスの良さも人気の理由です。

猴硐駅のキジ猫(筆者提供)

駅の改札を抜け待合室に行くと、まずはキジ猫たちがお出迎え。猫好きさんたちがスマートフォンでその姿を撮影したり、ナデナデしたりしています。ここの猫たちはホスピタリティーのある猫たちで、人間の期待通りのお付き合いをしていました。

レトロな駅のホーム(筆者提供)
駅舎の中、写真のモデルを務めます(筆者提供)
ナデナデも嫌がりません(筆者提供)

駅猫に別れを告げ、駅と村をつなぐ橋を渡ります。この橋の中を根城にしている白黒猫たちも、やはり人間をおもてなし。かつて炭鉱の町として栄えていた頃、猴硐ではネズミよけとしてたくさんの猫が飼われていたそう。廃坑後はその子孫の猫たちが観光業に一役買っているというわけです。

橋を根城にしている白黒猫(筆者提供)
橋の中は屋根もあり雨風防げる良い環境です(筆者提供)

橋を過ぎた辺りにある広場の猫たちも同様に人懐っこいのですが、駅から離れるにつれて、猫たちの「おもてなし度」はどんどん低下していきます。猫村の猫といえども、こちらの気配を警戒し、近づくと逃げてしまいます。

猫たちは自由に村内を動いているように見えますが、厳然とした縄張りがあり、駅から離れると人間に対しても警戒心が高まるということでしょうか。ただし、元々の性格が人懐こい猫は、ここでもいいモデルを務めてくれました。

橋を出てすぐの広場のごろにゃん猫(筆者提供)
駅から離れたエリアの猫たちは警戒心が強く、人の気配に敏感(筆者提供)
場所を問わず人懐こい性格の猫もいます(筆者提供)

7匹がまったり
長居したくなるカフェ

私が猴硐を訪れるのは3度目ですが、その度に観光地化が進んでいて、土産物店や飲食店などのお店がずいぶん増えました。地元民の居住区のある通りも変化したエリア。ここは以前は近づくのは遠慮してしまう場所でしたが、数軒のおしゃれな店が並ぶカフェ通りとなっていました。

その一つ「Empress Gallery」に入ってみることに。店内にいるかわいい茶トラ猫と目が合ったためです。女性オーナーを両親が手伝っているアットホームなカフェで、7匹の猫たちが店内でまったりとリラックスしています。その雰囲気に、ついつい長居をしてしまいました。

ちなみに日本の猫カフェは時間制の場合が多いですが、台湾では一人一品、または一定額以上の注文をするだけでOKです。

カフェの猫と目が合います(筆者提供)
店内では雑貨も販売しています(筆者提供)
茶トラたちが扉の前で人待ち中(筆者提供)
ギャラリーもあるカフェ通り(筆者提供)

もともと猫村は駅から橋を渡った山側がメインエリアでしたが、反対側にも、炭坑跡や史料館などの観光スポットが整備され、猫たちもだんだん増えていきました。猫たちの世話をする人が増えたというところでしょうか。観光スポット側の猫たちは人を意識せず、まるで空気のように扱うマイペース派が多い印象でした。

かき氷店の看板前に陣取るムギワラ猫(筆者提供)
カフェの前で人寄せしている猫(筆者提供)
マイペースな長毛種の猫(筆者提供)

台北は猫カフェ天国
世界初の店も現役

最後に、もし猴硐に向かう前に天気が雨だと分かっていたら、予定を変更して、台北市内にある猫カフェを訪れるのもお勧めです。猫は雨が嫌いですから、せっかく猴硐まで出かけても、村の猫たちに会えないこともあり得るからです。

猫好きが多いこともあり、台北はまさに猫カフェ天国。猫カフェ発祥の地としても知られており、現在も営業中の小猫花園が1998年に出店したのが世界初といわれています。ネットで検索すればホテル周辺に何軒も見つかるはず。私も、宿泊した松山地区の「小春日和」という猫カフェで猫たちと触れ合ってきました。台北を訪れたら、ぜひ猫カフェに行ってみてください。

松山地区の猫カフェ「小春日和」の猫(筆者提供)
猫たちは自由に過ごしている(筆者提供)
椅子の上でわが物顔(筆者提供)

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■〔のぞき見〕猴ドウ猫公所に猫所長が就任
 2022年6月1日付 『NNA POWER ASIA』より


南幅 俊輔(みなみはば・しゅんすけ)
グラフィックデザイナー & 写真家
盛岡市生まれ。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。ソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材、その他さまざまな動物たちの撮影も行なっている。著書に『ワル猫カレンダー』(マガジン・マガジン)、『美しすぎるネコ科図鑑』(小学館)、『ハシビロコウのすべて』『ラッコのすべて』(廣済堂出版)、『マヌルネコ15の秘密』(ライブ・パブリッシング)、『ハシビロコウカレンダー』(辰巳出版)。新刊に『コアラのひみつ』(カンゼン)、『ハシビロコウのボンゴとマリンバ』(辰巳出版)がある。


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■1 世界遺産をバックにキリリ トルコ・イスタンブール編