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【評価のバグ】なぜ挑戦する社員から辞めていくのか

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「ここでは、挑戦するだけ、損なんです」

そう言って辞表を出したのは、社内でもっとも会社のために動いていた社員でした。
新しいことを提案する。今までにないやり方を試す。うまくいかなければ、また別の方法を考える。そんな人が、ある日いなくなる。

一方で、言われたことを確実にこなし、余計なことには手を出さない人は残っている。これは、珍しい話ではありません。
むしろ、挑戦を求める会社ほど起こりやすい問題です。「挑戦しろ」と言っているのに、挑戦した人ほど評価されない。

なぜでしょうか?
原因は、社員の意欲ではありません。評価制度のつくりにあります。

挑戦する人から、辞めていく

社内を見渡してみてください。
・新しいことに挑む人ほど、なぜか評価が伸びない
・言われたことだけをやる人は、失敗せずに残っている
・「挑戦しろ」と言われるのに、挑戦した人は報われない
そんな状態になっていないでしょうか?

攻めた人から、組織を去っていく。残るのは、波風を立てない人ばかり。気づけば、新しいことを言い出す人がいなくなる。そして、会社全体が少しずつ守りに入っていきます。

「結果が伴わなければ、評価できない」で片付けている

もちろん、結果を無視していいわけではありません。だから、こんな言葉が出てきます。

「挑戦も、結果がすべてだ」
「失敗は失敗。甘くはできない」
「気持ちは買うが、数字は数字だ」

一見すると、正しいように聞こえます。だから、結果を出せなかった人の評価を下げる。でも、ここで一つ引っかかります。

辞めていった人は、本当に何もしていなかったのでしょうか?むしろ、その人こそ、誰よりも打席に立っていたのではないでしょうか?

一方で、残った人は、そもそもバットを振っていない。これでは、挑戦する人ほど不利になります。

これは、あなたが挑戦を嫌っているからではありません。評価の仕組みが、挑戦を不利にしているのです。

「挑戦しろ」と号令をかけても、変わらない

だから、さらに社員を鼓舞します。スローガンを掲げる。挑戦した社員を表彰する。社長が「もっと攻めろ」と檄を飛ばす。
それでも、現場は動きません。新しいことを言い出す人も増えません。

なぜなら、社員が見ているのは、言葉ではなく評価だからです。
口では「攻めろ」、評価では「守れ」。この状態なら、人は必ず後者を信じます。

人は、何を言われたかではなく、何をすると評価されるのかを見て行動するからです。

挑戦する人から辞める、本当の理由

挑戦してほしい。会社を変えてほしい。新しいことを生み出してほしい。
経営者がそう思っていること自体は、本物かもしれません。

それでも、挑戦する人から辞めていく。原因は、経営者の本気度でも、社員の根性でもありません。
それは、評価が「失点を数える」つくりになっているからです。

挑戦とは、打席に立つことです。打席に立てば、三振することもあります。10回挑めば、何回かは外れるでしょう。

一方、何もしなければ三振はゼロです。つまり、何もしない人ほど「無傷」に見えます。

その結果、いちばん挑戦した人が、いちばん減点される。私はこれを「減点の評価」と呼んでいます。「挑戦する人が辞める」は症状です。
本当の病は、評価が加点ではなく、減点で回っていること。ここにあります。

たとえば、野心的な目標に挑んで、三敗一勝だったAさん。無難な目標を選び、四勝〇敗だったBさん。減点で見れば、Bさんの方が優秀に見えます。それは失敗していないからです。

でも、会社を前に進めたのは、どちらでしょうか。打席に立ち、一勝をもぎ取ったAさんです。Bさんが評価される組織では、やがて全員がBさんになります。

誰も外したくない。だから、誰も振らなくなる。そうして、四勝〇敗の人ばかりが残ります。

しかし、その組織では、新しい一勝が生まれません。
ここではっきりさせておきます。

挑戦とは、失敗の可能性を引き受けて前に出ることです。それを減点で測れば、前に出た人ほど損をします。前に出ない人が勝つ。
そんなゲームになっているのです。

しかも、この問題は時間が経つほど深刻になります。挑戦する人ほど、打席に立った回数が多い。だから、その分だけ失敗の履歴も増えていきます。

何年も挑み続けた社員の評価表には、輝かしい一勝より、細かな失点の方が多く残ってしまう。いちばん会社に貢献してきた人の記録が、いちばん傷だらけに見える。

これが、減点の評価のもっとも残酷なところです。
あなたの評価は、「何をやったか」と「何を外したか」。どちらを強く見ていますか?
挑戦して外した人と、何もせず無傷だった人。評価が高いのは、どちらでしょうか?

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